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数年ぶりにBOOKOFFに行った。そして、一直線に漫画コーナーへ行く12歳の私はこの中にはもう居無いことに気付いて、小型テレビを見て一万円しないのか安いな、なんて思って、小説コーナーに行って、穂村弘の詩集を見つけて、嬉しくなって、そうして200円で売られていることに悲しくなった。200円を払うことが惜しかった12歳の私ももう居なかった。ふいに、BOOKOFFが遠い距離になった。寂しさだけが残って、店を出た。

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