アリサカミキ/ Co.DESIGN

持続可能な開発をテーマに、セクターや分野などあらゆる垣根を超えてパートナーシップ関係を…

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持続可能な開発をテーマに、セクターや分野などあらゆる垣根を超えてパートナーシップ関係をきずく仕事をしています。 RCE北海道道央圏協議会/北海道NGOネットワーク協議会/フェアトレードタウンさっぽろ戦略会議 事務局長。

最近の記事

SDGsの視点でガザ情勢を捉える:北海道パレスチナ医療奉仕団「ガザの、パレスチナの命を守れ!緊急集会」に参加して

SDGsが記載されている「持続可能な開発のための2030アジェンダ:我々の世界を変革する」には、目指すべき世界像を以下のように示した部分があります。 「我々は、人権、人の尊厳、法の支配、正義、平等及び差別のないことに対して普遍的な尊重がなされる世界を思い描く。人種、民族及び文化的多様性に対して尊重がなされる世界」と。 ここで、ガザ情勢を考えてみます。 ガザ地区では11月5日現在、イスラエルの攻撃によって9,000名以上が殺され、このうち子どもが3,500名といいます。ま

    • ガザ地区と札幌市を比べてみた:身近に感じて、できることを考える

      ガザ地区の現状を、できるだけ具体的に想像してみる ガザ地区は札幌市の1/3くらいの面積なので、赤い線で囲った部分がほぼ同じくらいの面積になります。 ガザ地区の人口密度は、世界屈指の高さですが、札幌市でいうと赤く囲った部分に札幌市の全人口が住んでいる状態です。 この赤枠エリアは完全封鎖され、出ることができず、別名「天井のない監獄」とも呼ばれています。 選挙によって議席の過半数を占めている武力組織が政権を握っています。 ※長年、監獄に収容されたような状態が続いているガザ地区の

      • 思い出にも介入し始めた気候変動

        「モンブランに登った時みたいに苦しい」 高1の春休み、部活帰りに茅ヶ崎駅近くに入院していた祖父を初めて見舞った日。 一度もお見舞いに来ていなかったことが申し訳なく、少し緊張気味にスライド式のドアを開けて病室に入った。 クリーム色っぽい白いカーテンが窓を覆っていたせいか、柔らかで明るい雰囲気の個室に祖父が寝ていた。 そろ~っと入って、ベットの横にある丸椅子に腰を掛けた。 祖父と私の二人きり。 「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、、、、」と心拍を示す機器の音が響く。 背が高くて、体格

        • アースデイに思う 「G7/Earth Day Open Forum 北海道」をやってみて

          4月22日は、「Earth day(アースデイ)」です。 地球環境に目を向け、生物多様性の損失、気候変動といった課題解決に向けて行動を起こそうとする日です。 ■International Mother Earth Day 22 April :UN 北海道では、G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合の開催に合わせた4月15日、16日の2日間、「北海道の環境」を軸に、環境保全を行う市民団体、研究者、企業はもちろん、中間支援組織、教育、ジェンダー、交通、福祉分野など環境以外の課

        SDGsの視点でガザ情勢を捉える:北海道パレスチナ医療奉仕団「ガザの、パレスチナの命を守れ!緊急集会」に参加して

          職業病:子どもの頃に引き戻されて社会を俯瞰する

          「この4日間くらいで空いてる日ある?そっちに行こうと思うのだけど」 地味で人付き合いが苦手なわたしは、そもそも友人が少ない。しかも、子どもの頃から引っ越しが多く、大人になった今でも放浪癖があるため、同じ人と付き合い続けるのは難しい。マメとは真逆の性質を持ち、頂いた年賀状にすら返しないという無礼者でもある。大人の礼儀を吹っ飛ばして急に連絡してくる始末。。。 にもかかわらず、嫌な顔せず時間を作ってくれる友人たち。存在自体が尊すぎる。 人生移動の連続で、「地元」とか「ふるさと」

          職業病:子どもの頃に引き戻されて社会を俯瞰する

          国と国と、人と人と。

          ロシアは、北海道に住む身としてはお隣さんであり、とても身近に感じる。 そのロシアから、日本は「非友好的な国と地域」に指定された。 それでも、ロシアの人々に対する近しい感覚は変わらない。 どんな言い分があっても、武力の行使には絶対に反対する。 力では結局なにも解決しない。 攻撃の先にあるのは、一人ひとりの命。 それに、巻き込まれるのは人類だけではない。 武力の行使は最悪の環境破壊でもある。 戦いを望まない人と人との繋がりを大事にしたい。 こんな時だからこそ、政府や国と、

          国と国と、人と人と。

          「人道」って、なんだっけ。

          「人道危機」という言葉を一日に何度、耳にするだろう。 人道とは、人の道、倫理のこと。 倫理とは、 「狭義には『人の道』における『徳目』を並べる『道徳』とほぼ同じだが、 狭い領域の個人レベルでの『あるべき行い』を示すというよりは、 人間共通の性質に着目しそのトータルな方向性に関して納得ずくで形成していく合意そのものを指す。 (徳永哲也『はじめて学ぶ生命・環境倫理 「生命圏の倫理学」を求めて』ナカニシヤ出版 2012) 「人道危機」と言われるのは、 人間共通の合意に反するこ

          「人道」って、なんだっけ。

          3月3日:世界野生生物の日

          3月3日は毎年、国連が定めた「世界野生生物の日:World Eildlife Day」。 今年のテーマは、"生態系回復のための鍵となる種の回復:Recovering key species for ecosystem restoration"です。 世界は美しい。 そう思いませんか? 身近な空が、木々が、いきものが、どんな景色を作り出していますか? 国連の発表によると、 8,400種以上の野生動植物が野生での存続が困難なほど絶滅の危機に瀕しており、30,000種近くが近い

          3月3日:世界野生生物の日

          「熱狂」にザワつく

          悪いアイツ(ら)を制裁しよう、制裁しよう。 正義のために戦おう、戦おう。 次から次へと、まるで、波に乗り遅れまいと縁を切っていく。 政治は、その国や地域に住む人々による。 為政者の愚行は、その人を選び、愚行を許してきた人々の責任によるところが大きい。 愚行を許した人々が世界から追い込まれるのは仕方ない…、かもしれない。 政治を人任せにしてはいけないと、痛感させられる。 一方で、制裁と争いの苦しみを、愚行を犯した指導者のいる国の人々にどこまで強いるのかと考える。 世界から疎

          「熱狂」にザワつく

          鞄(かばん)に何を詰め込むか。

          1週間ほどの出張のために荷造り。 ふと、考える。 命の危機がある状況で荷造りするとしたら、 鞄になにを詰め込むだろうか。 もし鳥を飼っていらどうだろう。 観葉植物たちはどうしよう。水は最低あげよう。 パスポートも必須だろうな。 わたしが、わたしだと分かるものを持たないと。。。 けど、結局、3日分の宿泊セットだろうか。 一人、中南米を縦断していた時、 クレジットカードがまったく使えなくなって、 現地通貨もなくて、ゾッとしたことがある。 急に、ATMから現金が引き出せな

          鞄(かばん)に何を詰め込むか。

          「教養」は専門性の前にある。

          4月から3つの大学で担当する講義のシラバスをなんとか作り終えた。 前期の担当科目は「ボランティア」、「生活と政治」、「技術と人間」。いずれも教養科目という共通点がある。 教養について調べると、 「学問・知識を(一定の文化理想のもとに)しっかり身に付けることによって養われる、心の豊かさ」 「とかく専門的な知識や特定の職業に限定されやすいわれわれの精神を、広く学問、芸術、宗教などに接して全面的に発達させ、全体的、調和的人間になることが教養人の理想である」 とあった。 こう書

          「教養」は専門性の前にある。

          北海道に住んでいると、冬場は燃料費の支出が一気に増える。だから、この時期の燃料代の高騰は痛すぎる。 平和主義=現実主義。 燃料高騰の主要因にウクライナの現状がある。人々を不安に陥れるのは権力を持つ極々少数の人たち。 ただただ、「普通」を生きるために平和が必要なんだけど。

          北海道に住んでいると、冬場は燃料費の支出が一気に増える。だから、この時期の燃料代の高騰は痛すぎる。 平和主義=現実主義。 燃料高騰の主要因にウクライナの現状がある。人々を不安に陥れるのは権力を持つ極々少数の人たち。 ただただ、「普通」を生きるために平和が必要なんだけど。

          「現実は小説より奇なり」 なぜ、そんな風に言うのだろうか。 その答えの一旦を、民話や童話に見た気がした。 現実があまりにも苦しくて、言い換えないと辛すぎるとか、 教訓を分かりやすく伝えるために物語風にするとか。 一般化することで多くの人に理解されやすくしようとするからかも。

          「現実は小説より奇なり」 なぜ、そんな風に言うのだろうか。 その答えの一旦を、民話や童話に見た気がした。 現実があまりにも苦しくて、言い換えないと辛すぎるとか、 教訓を分かりやすく伝えるために物語風にするとか。 一般化することで多くの人に理解されやすくしようとするからかも。

          メルケル首相の政界引退と「倫理」

          「環境思想倫理学」での問い10月から大学の後期がスタートする。 昨年度から酪農学園大学で「環境思想倫理学」を担当している。 思想??倫理??だなんて、仰々しい科目を私なんかが担当していいのか…と思ったけれど、同時にかなり面白そうだなとニヤッとした。 環境問題に取り組む際、自然科学の知識や技術だけでは不十分だと思う。 自然や生きものに対する「畏敬の念」であったり、問題が起きている地域に住んでいる人たち、その環境で育まれてきた「風土」、命への思いやりといったことが重要だと感じて

          メルケル首相の政界引退と「倫理」

          2001年9月11日 - 世界の一部である私 -

          2001年9月11日22時過ぎ。 夏はガスる(霧が出る)ことでお馴染みの、北海道厚岸町にある臨海実験所にいた。 実験所の学生だった私は、いつものようにお気楽な感じでネットサーフィンをしていた。 当時、実験所の学生は5人。 先輩が4人いて、わたしは一番下っ端だった。 晩ご飯は当番制でみんなで作って食べ、調査などで不在にしない限り、たいていの場合は夜中まで研究室に入り浸るという平和な日常を送っていた。 バタバタバタバタッ、ガチャ!!! 突然、研究室のドアが開いた。 「ちょっ

          2001年9月11日 - 世界の一部である私 -

          イメージの共有装置としての「遺産」 ー旅はいいー

          8年前の今日、ペルーの Machu Pichu いた。 世界各地の「歴史的遺産」を目の当たりにすることは、旅の主要目的の1つとなっている。 なぜ、こんなにも「遺産」に惹かれるのか。 それは、「遺産」になってしまった背景を、その実物を前にしながら当時の息づかいとともに想像し、「今」を知りたいから。 先日、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』が「環境問題の古典文学」と指摘した本(どの本か忘れた。。)に出会い驚いた。 古典とは、「古い時代に著された、立派な書物」とか「過去の時代に

          イメージの共有装置としての「遺産」 ー旅はいいー