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恋に恋する乙女たち

 春は恋の季節だという。氷が溶けるように、熊が冬眠から覚めるように、花が咲くように人は恋に目覚める。恋の冷却期間はさようなら。冷たい夫婦関係はペーパーで片付けて乙女たちは恋へと飛び込んでゆく。でも恋なんてそこら中に飛んでるものでもないし、また転がっているもんじゃないし、ダイヤモンドほど希少価値はないけど、でもなかなか出会えるものじゃない。だけど乙女はそれでも恋を夢見る。恋に憧れ恋を夢見る自分を抱きしめる。そう抱きしめるのは川や池にいる恋さ。滑る感触と漂う異臭は恋の匂い。口の上の髭は初めて知った異性の形。恋はモノクロで時に錦のようにカラフル。ああ!恋せよ乙女!恋は欲張りの食いしん坊で周りに迷惑ばかりかこるけど、だけど恋はわがままに、小川や池が恋だらけになるほど咲き誇れ!

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