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それだけを言いにきたんた!

 と彼が私の家の前で叫んだ。でもどうしてこんなところまで来たのだろう。彼は学校の同級生だったけど、私が父の転勤でカナダのヴァンクーヴァーに引っ越すので別れたのだ。彼は別れる前に何か言いたそうな身振りをしていたけど、とうとう何も言わなかった。勿論私は彼が何を言いたかったかわかりすぎるほどわかっていた。告白、私への告白だ。

 今、彼は私の家の前で大声で私に愛の告白をした。近所のカナダ人は何事かと出てきて彼を警察に突き出そうか相談している。私は空港から家の前にくるまでに多分私の家に来るまでにいろんなものを取られたせいで全裸になっていた彼を見て叫んだ。

「きゃあー!助けてぇ!この人日本からずっと私に付き纏っていたストーカーです!ポリスさんとっとと捕まえて日本に強制送還してぇ!」

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