見出し画像

転生ものを書きました。

 僕は学校のトイレで死んだ。うんこをしようと気張りすぎて心臓が止まってしまったのが原因だが、実際には自殺みたいなものだった。僕は人生に絶望していた。ずっと好きだった彼女に告白して振られ、しかも彼女がそのことを周りに吹聴しまくったのか、僕が彼女に告白したことがクラス内に広まってみんなに嘲笑われる事態にまでなってしまったのだ。大好きだったあの娘にこんな仕打ちをされるなんて。それで僕はもう全て終わりだととりあえずトイレに引きこもってうんこしていたらこんなことになってしまったのだ。薄れゆく意識の中で僕は彼女を思い出していたた。あれほど僕に酷いことをした彼女だったがそれでも彼女を諦められなかった。生まれ変わったら彼女と結ばれたい。いや、僕が生まれ変わった時には彼女とは十歳以上離れてもう恋愛対象ではなくなってしまっているからせめて彼女の子供として生まれたい。僕は天に願った。ああ神様!お願いだから僕を彼女の子供に転生させてください。そうすれば彼女と永遠に繋がる事ができる。しかも彼女と母子相姦にでもなれば一生彼女の側にいられるんだ。僕はそうして魂が消滅するまで祈り続けた。

 目覚めたら僕は子宮の中にいた。外からは「やべえ、中出ししちゃったよ」という声が聞こえる。次にまた外からまた声が聞こえてきた。今度は女性の声だ。「マジ最低!こんなの酔っぱらったって言い訳にならないんだから!」ああ!彼女だ。紛れもない彼女の声だ。という事は彼女は今どっかのチャラ男とセックスしたのだ。もしかしたらここは彼女の子宮?そしてと周りを見ると白いおたまじゃくしがたくさんいるではないか。ああ!僕の転生の願いは叶ったのだ。僕は彼女の赤ちゃんとなり、やがて母子相姦で結ばれるだろう。そして僕は母となった彼女と結ばれ、父のチャラ男は息子の僕と母の彼女が激しく愛し合う姿を見て絶望のあまり家を飛び出すだろう。ざまあみろ!彼女は一生僕のものだ。と感慨に耽っているといきなりおたまじゃくしの一人が僕を突き飛ばした。ああ!そうだった。僕はまだ精子なのだ。彼女の赤ちゃんになれると決まったわけではないのだ。すでに皆が大急ぎで卵巣へと続く出口に詰めかけている。ああ!このままだったら僕は彼女の子供になれず死んでしまう。これでは何のために精子に転生したのかわからない。別ルートを探さねば。僕は周りを見渡し隠れた場所を発見した。多分あそこが別ルートだ。あそこを通れば僕が一番乗りでたどり着ける。待ってろよ。今からお前の子供になりにいくからな。僕は猛スピードで駆けた。道を進むごとにアンモニア臭とうんこ臭がキツくなる。しかしこれが生命の匂いなのだ。赤ちゃんはアンモニア臭とうんこ臭の中で生まれるのだ。僕は茶色いウォータースライダーに乗って超特急で卵巣へと運ばれてゆく。ああ!目の前に光が見える。あれが卵巣なのか。あそこに彼女の卵子があるのか。ダイレクトプラグイン!今イクよ!

 光を突き抜けた僕は真下に真っ白な壁を見た。その中心には泡を立ち上らせた泉があるではないか。これが彼女の卵巣なのか。ここから僕が生まれるのか。僕は茶色いスライダーとともに泉へと落ちてゆく。ああ!待ってろよ!今すぐ君の中で生まれてやるからな!しかし僕は泉に落ちたとたん急に冷静になり周りを見渡してとんでもないことに気づいた。

 僕を運んでいたのはウォータースライダーではなくてただのウンコだった。僕はウンコの中で溺れてゆく中、泣きながら叫んだ。

「二度目もトイレで死ぬのかよ!!」


「ああ!スッキリした。やっと便秘が治ったわ!アイツの精子も一緒に流れてくれたらいいんだけど」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?