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そらのうた

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2020年6月の記事一覧

願いが交錯するまで

数多の甘い囁きには心動かされない
願いは君に振り向いて欲しいだけだ

夜風が頬を弄る皐月の夜だった
静かな公園で強く揺れるブランコは
数分後の僕の心臓にかなり似ていた

木漏れ日が綺麗な白昼より
君の瞳は願いは眩しかった

どこ吹く風で在りたいと自分と向き合う
強風にも世間にも流されない強さに惹かれた

光を探した夜を何度も数えた 夜を跨ぐ度に
ベランダから眺める星彩も僕に届かなかった

ただ

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騎月雨の詩

夜を彷徨う雨がしずかな時を奏でてくれる

未明にブルーアワーを撮る君も今日は天井を眺め朝を迎えるだろう

年を跨ぐ度 月を跨ぐ度 夜を跨ぐ度
胸に手を当てて鼓動に耳を澄ます

夜に交わすメッセージは
世界を潤す雨のように僕の心を君で満たす

雨は月を隠すね 月が隠れても露わになっても
この想いは不変で雲に覆われた方が君を考える時間は長い

月が変わっても月が変わる直前でも
雨の日は電波を通して君と

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星雨の詩

星雨の詩

夜空を翔る光の筋が数多翔る
僕の隣にいる君は瞳を閉じて両手を組む

いつからか星は夜を照らす輝きに留まらず
願掛けの対象になっていた

僕も君も少しずつ

大人になった証拠なのかな
弱さを知った証拠なのかな

仰いで手を翳し
背伸びしても届かない
宙を瞬く光には

だから君は祈りを捧げるんだね

星が流れる いつも通りの夜に
星が流れる 君と過ごす夜に

僕の願いは半分くらいは叶っている

君の願

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驟雨の詩

君は突然 退屈に支配されていた僕の前に現れた

夏のある昼下がり
喧騒から外れた場所で出会ってしまった

突飛な行動や気まぐれな態度

振り回されていては悪くなかった
むしろそんな君だから好きだった

君と巡った夏祭り 花火の刹那は僕らの恋模様みたい

夏の終わりが訪れる前に僕は切なさを知ってしまった

出会ってしまったなんて
振られた男の強がりだ

出会えたが正解だろうな

君と巡り逢えたことが

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