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責任のストレスに悩み続けないために

何か自分にとって悪いことが起きたとする。

人はできればそれを自分個人の責任にしたくないと思うものである。

「自分はそんな事は無い」と豪語する人もいるが、そんな人でさえ自分の身以上の責任を取らねばならない事も無いとは言えない。

それに押しつぶされてしまう人も、少なく無いだろう。

だから、その時に責任を分散できたり、逃れる事はひとつの生存戦略だと思えるのだ。

もちろん、集団の中であからさまな責任転嫁や責任逃れをしてしまうと、信用を失うことになるので、オススメしない。

しかし、個人に降り注ぐ責任というストレスを上手く回避する事は、十分に有用だと思える。

既に責任というストレスに悩んでいる方は、参考になるかもしれない。

さて、ではどうすれば良いのだろうかという話である。

結論から先に言ってしまうと、責任のストレスを受け止めてくれる人格はどこか知る事である。

結論を読んでもピンと来ないかもしれないが、端的に書けばこのようになるのだ。

順を追って説明していこうと思う。

そもそもの話だが、たとえ自分を大人だと認識している人間であっても、責任を取ることは困難だと考えられる。

この考え方は内田樹先生の「困難な成熟」からの引用である。

責任を取る事とは、誰かにとって不都合が起きた事に対して謝り、元の状態に戻す事である。

しかし、「ごめん」と謝ったところで、不都合を許せる人はほとんどいないだろう。

だから逆説的ではあるけれど、たとえ責任を取る事はできなくとも、「自分が責任を持つ」と宣言して背負うしかないのである。

同時に責任から生じるストレスも発生し、それらが手に負えない。

ただ恐れずに書くとすれば、責任を背負い込んだ後にストレスを感じ続ける事は不毛なのだ。

どれだけそこに向き合ったところで、絶対に元の状態にはならないからであり、どこまで行っても完全に責任を取ることはできないのだ。

しかし、背負ってしまった責任は残り続け、確実にストレスを与え続ける。

だからこそ、そのストレスを軽減したいと考えたのである。

これに対するひとつの答えとなり得る考えが、責任を個人でなく「分人」が背負うという考え方である。

「分人」とは作家・平野啓一郎さんの思想であり、個人をある人格毎に分割して考えるようなものである。

彼の作品の中には、この個人を分割した、性格ともペルソナとも違う「分人」という本当の自分が現れる。

この「分人」は決して珍しいものではなく、誰の中にも存在するもので、それは関わる他人の数だけ、自分の中に存在すると、著者は言う。

つまり、今まで最小単位だと思っていた一個人は、人格事に分ける事ができ、それが「分人」なのだ。

さて、責任についての話だった。

僕は今まで、責任とは個人が背負い込むという認識だった。

先述したように、責任を取ると宣言してしまった以上は、そこからストレスを感じ続け、時には病んでしまうこともあった。

一個人が全面的に責任のストレスを背負い込んでしまっていたのである。

それを誰のせいにすることもできない状態である。

しかし、個人は「分人」にまで分ける事ができる。

ある人間関係によって背負った責任は、個人が受け止めるのではなく、その人間関係で生まれた「分人」が請け負う事ができるのだ。

そうすれば、その「分人」が出てきてしまう時以外は、責任のストレスを感じずに済むのである。

「詭弁だ」とか「とんちのような子供騙しだ」などと言われてしまえば、きっとそうだろう。

しかし、きっとこの事実を知って心が軽くなる人もいるはずだ。

日本には昔から「罪を憎んで人を憎まず」という考え方がある。

子供が悪さをした時に、「この手が悪い」と怒るのも、人そのものを憎まないようにするためである。

ある「分人」に責任を背負ってもらうのも、これに近しいのではないか。

結局、責任は自分の中にあり続けるのだけれど、そのストレスを24時間365日ずっと感じる必要は無い。

そう思えるだけで、心が楽になるならめっけもんではないだろうか。

【本日の参考図書】

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