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余の辞書に不可能の文字はない|2020.07.21(tue)

夫のシャワー音で目覚める。うちは寝室の真横にバスルームがあるため、扉を閉めていてもお風呂やシャワーの音がベッドまでダイレクトに届く。

昨日はドラマが止まらなくなり、夜更かしをしてしまった。睡眠時間は5時間。過去には10時間寝ないと疲れがとれなかった私からすると、これはかなり短い。


午後からはかねてから行きたかった「アンバリッド」へ。日本語では廃兵院と呼ばれる場所で、軍事博物館があったり、今でも100人ほどの傷痍軍人が住んでいるところ。アンバリッドの最大の見所はなんといっても、「ナポレオンの墓」。

宝塚星組公演で柚希礼音さんが演じるナポレオンを見てから、私は彼に興味を持つようになったのだ。ナポレオンそのものというよりも、柚木さんが震えるほどかっこよかったのだけれど、興味のきっかけとはだいたいこんなもの。

帰国前にコロナ感染が怖かったのでなるべく外出は控えている中、ここはそんなに人が多くないこと、何かに触れたりしないこと、サクッとみて帰ってこられること、公共交通機関を使わずにいける場所という理由で、いくことにした。きっと最後のパリ観光だと思う。

パリのど真ん中にある金色のドーム教会。フランスの英雄ナポレオンはそのドームの真下に眠っていた。えんじ色の艶やかな石棺は縦4m、横3m、高さ5mある。これまで日本でも天皇陵などで偉人の墓を見ることはあったが、これほど間近にダイナミックな墓をみたのは初めてだ。石棺の中にはナポレオンの遺灰が入っているらしい。

真上と真横、どちらからも見ることができる。真横から見ると、お墓というよりもはやモニュメントのようにも思えた。

そして石棺の前には、彼がなくなって200年ほどが経つというのに、今でも生花が丁寧に供えられている。青のあじさいなどを使った、3色のトリコロールカラーの花束。フランスらしい美しさ。

彼の祀られ方をみると、いかにフランス人にとって偉大な人物であるかがよくわかった。

本当は写真を撮りたかったけれど、念のためカメラを外に出すのは控えた。ガサツな私の場合、今はコロナに対して神経質すぎるくらいでいいのだ。

ナポレオンの墓を見たあとは、そのまま軍事博物館も見学。数えきれないほどの剣や馬具、軍服などが展示されていた。軍事系が好きな人にとってはきっとたまらない場所だろうが、私たちはサラリと見て歩く。

200年以上前の軍服を見ると、当時の人たちの華奢ぶりに心底驚いた。多分私がこれに袖を通したら、ピッチピチだろう。肖像画でみる彼らは貫禄がある風貌をしているのに、意外と細かったのね。ナポレオンも同様に、結構小さい。

長州藩の大砲が外に展示されているとは知っていたものの、結局どれなのかはわからず。

お土産は自分用とナポレオンが好きそうな雰囲気を醸し出している父に買った。

自分用にはお土産というよりも、記念の0ユーロ紙幣を。

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ナポレオンの肖像画が書いてある、多分アンバリッド限定のものだと思う。1枚2ユーロ。このほかには、違うタイプのナポレオンの肖像画や、お墓バージョンの0ユーロ紙幣やコインもあった。

父にはナポレオンの顔とかの有名な名言「余の辞書に不可能の文字はない」がフランス語でかかれたコップを。

この名言はフランス語で書くと 〈Impossible n'est pas francais.〉

直訳すると「不可能という言葉はフランス語にはない」になる。なるほど、フランス語には存在しないを、辞書という言葉に意訳したのかあとそのとき初めて知り、ちょっぴり感動した。

コップを買ったあとに気づいたのだが、3年前にロンドンに行ったときへの父のお土産もスタバのコップだったし、先日母といったハリポタスタジオツアーのお土産もコップだった。その日の気分で楽しんでもらおう。


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