不夜島 ナイトランド 荻堂顕著
日本推理作家協会賞を受賞した本作
舞台は、第2次大戦後の沖縄・台湾。
ただし、パラレルワールド的なSFの世界。
未読の方で、前情報なしで読まれたい方はここから先は見ないでね。(少しネタバレあり)
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この小説のSF要素としてまず人間が義肢をつける(サイボーグ化すると言っていいかな)ところにある。その描写が、漫画『コブラ』のサイコガンを思い出す。(知っている人いますか?)
そして、四肢だけでなく内臓や脳!までもが機械化してしまう人もいるという。
電脳になると話さなくても会話ができたり痛みをシャットアウトできたりするらしい。
与那国島が不夜島。密貿易によって繁華街が発達している。
主人公は、武(ウー)は、ここで、密貿易をして生計を立てている。
実は、武は、全身サイボーグ化されているのだが、緻密な人工皮膚で隠しているため、島の人からは生身の人間だと思われている。
2段組みの400P強でなかなかのボリュームだが、話が単調でないので、意欲を削がれず最後まで読み切れた。
出てくる人物は、個性的な面々。
最終的には4人の仲間でラスボスを倒しにいく。
電脳化しているのに、魂を震わせる武さんたちの言動に涙。
台湾の歴史が深く関わってくるため、勉強しながら読み進めた。忘れていたけど、現実も恐ろしかった。
人間としてのアイデンティティ。戦争と平和。歴史を忘れてはいけない…いろんなこと考えさせられた物語。
映像化しても絶対面白くなると思う。
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