Natsuki

雑記。   美術、文学、演劇、舞踊、映画、音楽、そのほか、心を動かされる事柄について。…

Natsuki

雑記。   美術、文学、演劇、舞踊、映画、音楽、そのほか、心を動かされる事柄について。   書き手は、1995年生まれの女。   (現在は更新停止しています)

最近の記事

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昨年5月にnoteを始めてから週1更新を掲げていましたが、ここ数週間、お休みしています。4月以降、生活スタイルが変わり忙しくなったことに加え、モチベーションが急降下しておりまして、何をそんなにモヤモヤしているかというと、cakesの炎上がどうしても看過できないのです。 * noteが運営するコンテンツ配信サイトcakes(ケイクス)では、昨年から炎上が相次いでいます。 ①相談者であるDV被害者が嘘をついていると決めつけた内容の記事を掲載 ②好奇心や興味の対象としてホー

    • タンポポの綿毛ではいられない

      昔から、ひとりで出掛けるのが好きです。 計画を立てるのも計画に沿って行動するのも苦手で、その場の思いつきで行動するほうが性に合うのです。映画、演劇、美術館、コンサート、買い物、公園、喫茶店……どこへ行くにも。 時間がたくさんあった大学生の頃は特に、タンポポの綿毛のようにふわふわ外へ出ていました。 ただ、気をつけなければならないことがあります。 女がひとりでいると、声をかけてくる輩がいるのです。 これは、いわゆるナンパのことではなくて。年下の女性に対し、上から目線で「己の

      • パリの思い出

        また、パリに行きたいなあと思っていました。 ここ数年ずっと。 実行に移せないうちに、 もう海外旅行すら、 出来ない状態になってしまいましたが。 「また」行きたいというのは、 以前に一度行ったことがあるからです。 * 10代の頃、学校のイベントで、ほんの数日ですがフランスに行く機会がありました。初めての海外旅行ということもあり、私にとっては相当な大イベントだったのですが、これが意外に思い出せません。学校の宿泊行事らしく弾丸ツアーで、ベルサイユ宮殿(京都の二条城という感じ

        • 街角の天使

          以前、讃美歌を歌いたいがために、キリスト教徒ではないのですがチャペルに通っていたことがあります。(とても簡易的な礼拝でしたので、牧師さんのお話を聞いて、歌って、お祈りして、それが1回20分くらい。) 約2年ほど通いましたが、私は、洗礼を受けよう(キリスト教徒になろう)とは思いませんでした。そもそも、「神を信じる」ってどういうことだろう?それが、ずっと感覚的にわからなかったのです。 なぜ、神の存在を「信じることができる」のだろう? その礼拝で知り合った信者の方の中には、同い

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          現実を生きること。(シンエヴァ感想)

          『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、観てきました。 ※以下、作品の大きな特徴には触れていますが、ネタバレはしていない(つもり)です。 ちなみに、最近になって突然エヴァに手をつけたのは、昨年末に映画館で見た予告編が格好良かったからです。詳しくはこちらに書いています↓ というわけで、今年に入ってから慌てて、TVシリーズ26話・旧劇場版・新劇場版3本を見て、ついに、最新作(最終話)を観たところです。 見終えた瞬間は、正直、完結したことに驚いてしまいました。本当に完結するのか、と…

          現実を生きること。(シンエヴァ感想)

          ヒーリングミュージックより爆音ロック

          ストレスフルな、このご時世。 生きているだけで、毎日順調に貯まっていきます。 なんてお得! 1ストレス=1円で、お買い物出来ないかな。 そんなストレス満点な日々において。 今日を無事に終え、尚且つ 明日を迎え撃つために必要なのは、 「リラクゼーション」より「発散」では? ……と思うこともしばしば。 もちろん、リラックスすること自体は大事です。 自分に”究極の休息の暗示”をかけたい日は、 お風呂にゆっくり浸かって、 お気に入りのボディクリームを塗って、 落ち着いた音

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          悲しみよこんにちは

          初めて、フランソワーズ・サガンの小説を読みました。 18歳の頃に書いたというデビュー作 「悲しみよこんにちは」 * 17歳の女の子が過ごした、ひと夏の物語。 ヴァカンスの話です。 ヴァカンスって、日本人にはなかなか馴染みのない習慣。ヌーヴェル・ヴァーグの映画なんかを見て、それがどんなものかというのは、何となくわかりましたが。 それは、「旅行」というより「別の場所で暮らす」という感じ。 夏のあいだ別荘を借りて、都会から離れ、日常から離れ、人付き合いから離れ、自然の中で、

          悲しみよこんにちは

          私は台詞が読めない

          まずは、私と妹の会話から。 「この漫画、ちょっと前にアニメやってなかった?」 「うん、アニメも見たんだけどねー」 「けど?」 「思ってたのと違ったんだよなあ」 「……“思ってたの”って?」 「漫画読んでる時に想像してた声」 「漫画読む時に、キャラクターの声を想像するの?」 「え、しないの?」 「……どうだろう?」 ちょっと考えてみたところで、はたと気づきました。私は、本や漫画を読んでいる時に、登場人物の台詞を、頭の中で音声として再生していない。もちろんオノマトペも同じです

          私は台詞が読めない

          この期に及んで『新世紀エヴァンゲリオン』にハマった話

          (2021/3/4:イラスト描いたので一番下に追加しました) 『新世紀エヴァンゲリオン』といえば、私が生まれた1995年に放送され、社会現象にまでなったと言われる有名なアニメ。 ……という知識しかありませんでした。(とはいえ、内容を全然知らなくても、作品名とテーマ曲「残酷な天使のテーゼ」は多くの人が知っているって、すごいですよね。) * 昨年末に映画館で偶然、短い予告編を見たのですが、その映像が何だかとても格好良くて。 それまで全く見たことがなかったのに、この30秒の

          この期に及んで『新世紀エヴァンゲリオン』にハマった話

          巡る、ビュフェの白百合

          昨年、冬のはじまりの頃、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されているベルナール・ビュフェ展へ行きました。(短い文章ですが、noteにも感想を書いております。) 実は、ビュフェの展覧会に行くのは、これが2回目。 初めてビュフェの絵を見たのは、たしか、小学4年生です。桜の咲く頃に、なぜか、祖母とふたりで。 今でこそよく美術館に行くようになりましたが、そもそも私が自発的に絵を見に行くようになったのは、大学生になってから。なので、祖母と行ったこのビュフェ展は、かなり貴

          巡る、ビュフェの白百合

          私の手紙術

          年にそう何回も連絡は取り合わないけれど、大切にしたい人、という存在があります。そんな人に向けて、私は手紙を書きます。 相手の近況はわかりません。相手が今どんな気分で何をしているか何を考えているかなんて、もちろんわかりません。だから、相手のことを考えつつも、とりあえず自分のことを書くのです。こんなことをした、こんなことを思った、こんな人に出会った……と。そして、私の場合、それは自然と明るいメッセージになるのです。手紙を書くことは、一種のセラピーかもしれません。 昔から手紙好

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          わきまえない女、「差別」を考える。

          先週末からニュースを見ていて色々思うところがあったので、スケッチブックにペンを走らせつつ、「差別」について考えました。 * 生活する国や地域、人種、性別、貧富の差、見た目……そのほか多くの「違い」が存在するこの世界で、差別意識ゼロで生きることの方が難しいのではないか、と私は思います。(差別を肯定する意図は全くありません。) 私の中にもきっと、無意識の差別意識がある。 だからこそ、それに自分で気づいたときや、それは差別ではないかと誰かに指摘されたときには、その都度、自分の

          わきまえない女、「差別」を考える。

          『冨安由真展 漂泊する幻影』

          ふと見つけたチラシに惹かれて、『冨安由真展 漂泊する幻影』に行きました。(※展覧会は1月で終了しています) この展覧会は、絵画や彫刻、写真の展示ではなく、インスタレーションです。 インスタレーションとは、「設置」という意味で、現代アートの手法のうちのひとつ。屋外・屋内を問わず、造形物を設置して、その空間全体を作品にしてしまうのです。設置された「造形物自体」ではなく、造形物が設置された「空間全体」が作品である、ということがポイント。鑑賞者が空間全体を体験するというスタイルは

          『冨安由真展 漂泊する幻影』

          映画『燃ゆる女の肖像』を美術史から読み解く

          昨年末に観た映画『燃ゆる女の肖像』は、脚本、役者、音楽、カメラワーク、色遣い……あらゆる点で大変気に入り、私の中での2020年ベスト1位でした。noteでも感想を書かれている方が多いです。 この映画は色んな視点から語ることが出来るのですが、私としては、美術史における重要テーマがたくさん織り込まれているなと思ったので、今回はあえて、以下の3点から読んでいきます。 ①美術史から消されてきた女性画家 ②女性画家の画題の制限 ③「見る(男性)―見られる(女性)」という立場 ※物

          映画『燃ゆる女の肖像』を美術史から読み解く

          葛藤

          私は、いつものように、乗り換えの駅まで大通り沿いを歩いていました。 ――すみません と、呼び止められた気がして振り返ると、女の子と目が合いました。女の子、といっても、私より若干年下くらいでしょうか。道の端っこに立っていて、手には大きな紙袋を持っています。 気になって近づくと、彼女は、手の中の小さなメモを差し出して見せました。“自分は留学生で、お金に困っている”というようなことが、5行くらいの短い文章で書かれていました。 彼女が抱えている紙袋には、小分けにラッピングされ

          料理の可能性を信じて

          お正月は、お餅を食べるのと、蜜柑をむくのと、お酒を飲むのとで忙しくしておりましたので、お正月が明けてようやくのんびり過ごしています(冗談)。 そこで、久しぶりに調理をすることにしました。 包丁を握り、火を起こすと、料理にまつわる太古の記憶がよみがえってきます。私は、お好み焼きを目指して、意気揚々とキャベツの裁断に取り掛かりました。 数十分後。 肉が数枚付着したキャベツ炒め ~一部はこんがり&一部はしっとり~ ……が出現しました。 お好み焼きのレシピから、こんな逸品

          料理の可能性を信じて