私の手紙術

年にそう何回も連絡は取り合わないけれど、大切にしたい人、という存在があります。そんな人に向けて、私は手紙を書きます。

相手の近況はわかりません。相手が今どんな気分で何をしているか何を考えているかなんて、もちろんわかりません。だから、相手のことを考えつつも、とりあえず自分のことを書くのです。こんなことをした、こんなことを思った、こんな人に出会った……と。そして、私の場合、それは自然と明るいメッセージになるのです。手紙を書くことは、一種のセラピーかもしれません。

昔から手紙好きでしたが、昨年はコロナの影響もあり、手紙は私にとって発語のための大切な道具になりました。



もともと文具が好きなので、雑貨屋では、ほぼレターセットコーナーにいます。便箋やら封筒やらシールなんかを漠然と眺めているのが楽しいのです。そして、そのたくさんある中から、好きな人のことを考えながら選ぶのが、またさらに楽しい。

切手は、”特殊切手”を買うようにしています。普通の切手と同じ値段ですが、絵柄が特別なのです。先日は「絵本の世界シリーズ」のレオ=レオニ特集を購入しました。郵便局の窓口で、「特殊切手ください」もしくは「◯円の切手10枚ください」(10枚単位のものが多いので)と言うと、数種類ある中から選ばせてもらえます。特殊切手はシールタイプのものが多く、使いやすくてお気に入りです。

また、私はよく美術館に行くのですが、ミュージアムショップでは必ずポストカードを買います。そして、ささっと書いて、その日のうちに投函するのです。ポストカードの場合は、あまり長い文章を書くスペースはありませんから、「こんにちは。今日は○○美術館に行きました。○○の絵が気に入りました。またお便りいたします。お元気で。」……大体こんなふう。



お返事は、LINEやメールで来ることも多いです。全然構いません。もちろん、お返事がなくても、全然構いません(相手の精神的負担になっていないかは確認しますけれど……)。ただ私が好きで書いているだけなので、それを面白がってくれたら嬉しいのです。

卒業や退職などで人とお別れをするとき、”後々この人に手紙を書きたくなるだろうなあ”と思うことがあります。そういうときは、ポストカードに、私自身の名前と住所を書いて、切手を貼って、「気が向いたら、あなたのお名前と住所を書いてポストに投函してください」とメモをつけて渡します。成功率が高いとは言えませんが、忘れた頃にそのカードが届くこともありますので、なかなか侮れませんよ!



今年も、書いて封して投函して(『愛して飲んで歌って』というフランス映画がありましたね)、生きていきたいと思います。


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気分の上がる羽ペン




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