パリの思い出

また、パリに行きたいなあと思っていました。
ここ数年ずっと。

実行に移せないうちに、
もう海外旅行すら、
出来ない状態になってしまいましたが。

「また」行きたいというのは、
以前に一度行ったことがあるからです。


10代の頃、学校のイベントで、ほんの数日ですがフランスに行く機会がありました。初めての海外旅行ということもあり、私にとっては相当な大イベントだったのですが、これが意外に思い出せません。学校の宿泊行事らしく弾丸ツアーで、ベルサイユ宮殿(京都の二条城という感じでした)やモン・サン・ミッシェル(江の島という感じでした)まで連れて行かれたので、パリ市内にはあまり滞在できず、かろうじてエッフェル塔とルーブル美術館の記憶が断片的にあるくらい。分刻みにあちこち連れ回されて、宝塚ごっこをするヒマもありませんでした。

だから、私のパリの記憶といえば……
エッフェル塔のすし詰めエレベーター……群衆の頭越しに一瞬見えたモナリザ……人混みで軽やかに稼ぐ手練れのスリ……セーヌ川のクルーズ船で延々と流れるオー・シャンゼリゼ……飲み下せないほど甘いホットチョコレート……バスから降りる瞬間必ず足の直下にある犬の糞……大通り沿いの煙草の匂い……

残念ながら、これといって面白い話がありません。別に面白くなくともよいのですが、せっかくパリに行ったんだから、何か強烈な印象を残す出来事があれば良かったのになあ……なんて。

まあ、今よりずっと乗り物酔いしやすかった私は、長時間のバス移動に耐えられず、1日目くらいから食事を取れなくなり、異国の水と空気による生命維持に必死だったので、身体的にも精神的にも余裕がなかったというのが正直なところですが。そう、だからこそ、リベンジしたいのです。


今度、パリに行ったら、
徒歩圏内をぶらつくような、
のんびりとした時間を過ごしたい。

ちなみに、
どうしても行きたいところは、
ふたつ。

ヴォ―ジュ広場と、
モンマルトル墓地。



画像1

映画『はなればなれに』の
アンナ・カリーナ並みのスピードで、
ルーブル美術館内を駆け抜けました。
(美術館内を全力疾走するシーンがあるのです。)




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