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今日の一言

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2016年2月の記事一覧

「一人になっても信念を貫く」特立而独行

特立して独行す
―特立而独行―

[原文](文章軌範 韓文公 與于襄陽書 / 礼記 儒行編)
特立而独行。

[書き下し文]
特立して独行す。

[原文の語訳]
一人になったとしても信念を貫く。

[解釈]
社会の風潮や雰囲気に流されず、自分の考えに確信をもって、たとえ一人になってしまっても信念を貫くということです。

特立は「周囲に比べて際立つ」という意味があります。東京スカイツリーがそんなイメ

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「益友と損友がいることを知る」益者三友、損者三友

益者三友、損者三友
―益者三友、損者三友―

[原文](論語)
孔子曰、益者三友、損者三友。友直、友諒、友多聞、益矣。友便辟、友善柔、友便佞、損矣。

[書き下し文]
孔子曰く、益者三友、損者三友。直を友とし、諒を友とし、多聞を友とするは益なり。便辟(べんぺき)を友とし、善柔を友ともとし、便佞(べんねい)を友とするは損なり

[原文の語訳]
孔子が言う、有益な友人は三種類あり、損をする友人も三種類

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「出る杭は打たれる」人者寡不死其所長

人はその長ずる所に死せざるは寡し
―人者寡不死其所長―

[原文](墨子)
人者寡不死其所長。

[書き下し文]
人はその長ずる所に死せざるは寡(すくな)し。

[原文の語訳]
人はその長所が禍して、かえって死を早めることが多い。

[解釈]
能力が優れているがゆえに、他に先んじて目をつけられ排除される危険性もあるということです。

なまじ能力があると本人の希望に関係なく上に立つことになる場合もあ

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「細かいことで目くじらを立てない」蝸牛角上之争

蝸牛角上の争い
―蝸牛角上之争―

[原文](白居易 対酒 - 荘子 則陽篇)
対酒「蝸牛角上之争何事、石火光中寄此身、随富随貧且歓楽、不開口笑是癡人。」

[書き下し文]
酒に対す「蝸牛(かぎゅう)角上(かくじょう)何事をか争ふ、石火光中此の身を寄す、富に随ひ貧に随ひ且(しば)らく歓楽せよ、口を開いて笑はざるは是れ癡人(ちじん)」

[原文の語訳]
酒に対す「かたつむりの角のような狭い所で争うと

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「周囲に徳を広げられるように」善為吏者樹徳

善く吏たる者は徳を樹う
―善為吏者樹徳―

[原文](韓非子 外儲説 左下 第三十三)
善為吏者樹徳、不能為吏者樹怨。

[書き下し文]
善く吏(り)たる者は徳を樹(う)う。能たざる吏たる者は怨みを樹う

[原文の語訳]
良識的な役人は徳を施す、悪しき役人は怨みをかう。

[解釈]
できる人は公平無私で誤りがないか慎重に検討し判断を下すので、結果的に厳しい結論に達しても相手に恨まれることはないので

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「人材は人財」為政之要惟在得人

政をなすの要はただ人を得るに在り
―為政之要惟在得人―

[原文](貞観政要 崇儒學 第二十七)
為政之要惟在得人。

[書き下し文]
政をなすの要はただ人を得(え)るに在り。

[原文の語訳]
政治の要点は人材を得ることにかかっている。

[解釈]
人材は人財、限りある貴重な財産です。

トップが優秀でも、その考え方を理解し戦略を考え戦術を組み立て、実行できる部下がいなければ強い組織は作れません

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「力勝負よりもまず心理戦で」用兵之道、攻心為上

用兵の道は心を攻むるを上となす
―用兵之道、攻心為上―

[原文](三国志 蜀書 馬謖伝)
用兵之道、攻心為上、攻城為下。心戦為上、兵戦為下。

[書き下し文]
用兵の道は心を攻むるを上となし、城を攻むるを下となす。心戦を上となし、兵戦を下となす。

[原文の語訳]
用兵の基本は心を攻めることが上策である。城を攻めるのを下策とする。心の戦を上策とし、兵による戦を下策とする。

[解釈]
兵法の基本

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「自分の力量を知る」夜郎自大

夜郎自大
―夜郎自大―

[原文](史記 西南夷伝)
夜郎自大。

[書き下し文]
夜郎自らを大なりとす。

[原文の語訳]
夜郎が(漢の強大さを知らずに)自分の勢力を誇った。

[解釈]
大勢力だった漢の使者と面会した夜郎の王が「漢孰與我大(漢と我が国とどちらが大国か)」と尋ねたという故事から「世間知らずで自信過剰」「自分の力量を知らずに威張ること」の意味の四字熟語となっています。

強気の虫と

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「全部を知っていることはない」知不知、尚矣

知りて知らずとするは尚なり
―知不知、尚矣―

[原文](老子)
知不知、尚矣。不知知、病也。

[書き下し文]
知りて知らずとするは尚なり。知らずして知るとするは病(へい)なり。

[原文の語訳]
知っていても知らないふりをするのがよい。知らないのに知っているように振舞うのは病的欠点である。

[解釈]
「分かりきってること」でも再確認することで、実は勘違いしていたことに気付けることもあるのです

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「何事も糧にする気持ちで」人須磨在事上

人はすべからく事上に在って磨くべし
―人須磨在事上―

[原文](伝習録)
人須磨在事上。

[書き下し文]
人はすべからく事上(じじょう)に在って磨くべし。

[原文の語訳]
人はどのようなことでも自己研鑚に活用する。

[解釈]
何をするにしても意味がないことはないのです。何事も自分を向上させる糧となるのですが、それを血肉にできるかは気の持ちようなのです。

「なんでも吸収する人」とは、これを

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「楽しみまで追求しない」楽不可極

楽しみは極むべからず
―楽不可極―

[原文](礼記)
敖不可長。欲不可縦。志不可満。楽不可極。

[書き下し文]
敖(おごり)は 長ずべからず。欲は縦(ほしいまま)にすべからず。志は満たすべからず。楽しみは極むべからず。

[原文の語訳]
傲りを増長させてはいけない。欲望を欲しいままにしてはいけない。志は満足させてはいけない。楽しみは極めようとしててはいけない。

[解釈]
4つの自重を促してい

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今日の一言 開始について

なるぱらブログにも掲載中の「今日の一言」をnoteにも掲載していこうと考えています。

今日の一言 | なるぱらブログhttp://www.narupara.com/modules/blog/category/todays-word/

これは守屋洋 著の「中国古典一日一言」で紹介されている一文を、自分なりに解釈しているものです。

開始から間もなく1年経過、つまり本の内容も一周するということにな

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「目先の利益に惑わされない」見小利即大事不成

小利を見れば、即ち大事成らず
―見小利即大事不成―

[原文](論語)
子夏爲莒父宰。問政。子曰。無欲速。無見小利。欲速則不達。見小利、即大事不成。

[書き下し文]
子夏爲莒の宰と為り、政ごとを問う。子曰く、速やかならんと欲すること無かれ。小利を見ること無かれ。速やかならんと欲せば、則ち達せず。小利を見れば、即ち大事成らず。

[原文の語訳]
子夏が莒父の官吏となる際に、政道について質問した。孔

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「自分のことを知ることから」知人者智、自知者明

人を知る者は智なり、自らを知る者は明なり
―知人者智、自知者明―

[原文](老子)
知人者智、自知者明。

[書き下し文]
人を知る者は智なり、自らを知る者は明なり。

[原文の語訳]
他人のことが分かるのは智者、自分を知る者は明智の人である。

[解釈]
自分のことは案外わかっていないものです。まだ先にある限界を知らずに「これでいいや」と妥協してしまうのはもったいないですよね。相手に勝つこと以

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