中魚 なおむ

中魚 なおむ

マガジン

  • 孤独な散歩者になりたかった《ワタシ》の夢想

    生活・創作・労働の為のエスキス。 《ワタシ》が日々生きていく為のアウトプット。 エッセイ形式で読み易さを意識して綴っています。 《ワタシ》の為のエスキスが《アナタ》の慰めにも繋がればいいと祈りながら書いていきます。

  • わたしの詩は、そのほとんどが 近所の緑道を散歩しているときか、 たまにする小旅行で 考えたこと・感じたこと・見たもの を基に作られています。 ですので、もしよろしければ、 のんびりとした気持ち、或いは せかせかとした気持ち、或いは しんみりとした気持ち、或いは うつうつとした気持ち、或いは なにもかんがえず それぞれの散歩のスピードで お読みいただければ幸いです。

  • Reading Diary

    読書記録です。 更新頻度は低いですが、よろしければ。

  • 随想

    ライフハック的要素のない、純粋に作品として書いたエッセイを集めたマガジンです。

  • わたしのダサいファッション通信

    お洒落が大好き! 服やアクセサリーが大好き! だけど… いまいちファッションが楽しめない! 大柄な身体に悩み、センスのなさに悩む日々を 赤裸々に語るマガジン

最近の記事

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wonderwallはどこに

ニュースアプリを閉じてヨシノは深い溜息を吐いた。 午前六時。 外は雨だ。 隣で眠っている母親を起こさないようにそっと跨ぎ越しながらキッチンへ向かう。 アルバイト先のパン屋は八時開店だがヨシノはいつも五時半には起きて半刻ほど布団の中でスマートフォンを弄る。 大抵はイヤホンをしてYouTubeでチャンネル登録してあるお笑い芸人の動画を見るのだが、今朝は久々にやってしまった。 「いい加減消さないとな」 ブツブツ言いながら室内に干しっぱなしの下着を外して手早く身に着ける。 上から

    • もしかして、わたし。

      今日、気付いたかもしれない事。 「わたし、人より体力ないのかもしれない」 否、気力も根性もないのかも…。 昨日、久しぶりに大型書店に行って列に並ぶだけでへとへとになってしまって。 今日は、洗濯物を干しにベランダに行っただけで限界でした。 夏は、私にとって本当に恐ろしい季節です。 日光過敏症があるので、陽にあたると肌が真っ赤になるし…。 大柄だし、運動部だったし! 人にも元気そう!って言われるし、 と思っていたけど、そうでもないのかもしれない。 単に活動量が極端

      • 傷。

        腕をカッターナイフで切ってしまった。 ひだりうで。 柔らかい、白いところ。 頭に悪い血がどんどん溜っていき、ぱんぱんに腫れ上がって死ぬかもしれないと思って切った。 ぬいぐるみのデルフィンがやってきて 「ままーがじぶんのうでをきるということはおれのわたをだすのとおなじことですしおしゅし」 と怒った。 冷たい水を飲ませてくれた。 傷跡が増えたら、仕事に、行かせてもらえなくなるかもしれない。 こわい。 腕に傷があるやつを、恥ずかしいと思われるだろうから。 自分がやったことだけ

        • 近況。

          午前四時に起きてしまった。 泣きながら、段ボールに要らないものを詰め 泣きながら、ガムテープでしばった ふつう、がわからない。 冷たい水、つめたいみずを飲みたい。 氷をいっぱいに満たしたグラスに震える手で水を、汲んだ。 冷たい水だけが、わたしの味方だった。 生きているだけのことが、引き裂かれるように辛い。 最近は、市販の鎮痛剤を大量にのむ。 依存している。 緑色にどろどろ光るカプセルに。 泣きながら本棚を漁る。 フェルナンド・ペソアとM.ピカートが隣同士に並

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        wonderwallはどこに

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        • 孤独な散歩者になりたかった《ワタシ》の夢想
          21本
        • 13本
        • Reading Diary
          29本
        • 随想
          6本
        • わたしのダサいファッション通信
          1本
        • 2本

        記事

          日記。

          今日は朝から雨だ。 ちょっと寝坊した。 起きたら既に夫が弁当の支度をし始めている。 えらい。 わたしも慌てて参加する。 どうにか弁当と朝食の体裁をととのえて、夫を送り出す。 朝から鬱のひどいビックバンが襲ってきそうだったので ソロソロ動く。 ソロソロ洗濯して ソロソロ皿洗いして 服薬してサッと布団にはいる 音楽を聞きながら少し寝たら ちょっとほころびが縫い合わさる感覚があったので ポストを覗くと友からの手紙が。 うれしく読む。 友からの手紙は私にとって、一番

          日記。

          なにも書けないので、日記を書きます。 今日はいつも通り朝起きた。 炊飯器のおなかを触ったら温かかった。 炊けてるな、と思った。 玉子焼き用の小さいフライパンでソーセージを焼いてお湯を沸かす。 その間にお弁当の支度。 と言っても、いつもの、同じおかずだ。 醤油鶏。 どういうものかというと、もも肉を四つに切って、大匙2杯の醤油に漬け込んで一晩おいたもの。 翌朝、両面を4分ずつチンしたら勝手に焼きあがる。 コツはめっちゃおいしい醤油を使う事。 以上。 かれこれ2年は食べているけ

          IT'S call

          絶望をえぐる、美しき旋律 行こう、行こうと呼ぶ 切羽詰まった天使のうたごえ 行くところは分かっている。 無より恐ろしい久遠の闇。 灯るのは いつも希望のひかりではなく 怒りにうち震えた血が 燃え盛る炎だった なぜこの道を選んだの なぜこの道でうまれたの   わからない どうせ死ぬのに なぜ 生まれてくる必要があるのか    誕生と死を繰り返すことに なにか真理が隠されているのか それとも無意味さの連鎖を 言祝いだり悲しんだりすることが あなたの娯楽になっているのです

          今どきの、もてはやされる自分じゃないからこそ。

          2021年現在。 いまの私は、いや、今じゃなくても。 私は、昔から 「今ふう」じゃなかった。 ナウくなかったし、イケてなかったし、エモくもない。 流行りのコンテンツには疎く、時流に乗れない。 乗ってもすぐ落ちてしまう。 溺れてしまう。 情緒面でも、全然かっこよくない。 アニメでも映画でも、クールな天才に憧れ続けた。 又は 何にも動じない無敵のヒーローや 可憐で美しく芯の強いヒロインに。 どれも私からは程遠い。 怒鳴られれば下を向いてオロオロし 家族の顔色をうかがい

          今どきの、もてはやされる自分じゃないからこそ。

          友へ。

          手紙をありがとう。 就職をされたんですね。 君が、ずっとやりたかっていた調香の仕事か。 本当におめでとう。 君なら一流の調香師になれるとおもいます。 これからこの国では、若い御婦人方に喜ばれるものこそが、市場でどんどん求められるんだろうね。 職を持ったということは、君、麗しいBetter Halfと所帯を持つ日も近いんじゃないか。 全く、君ほどの果報者を僕は知りません。 僕は、ご存知の通り、相変わらずサナトリウムに入っております。 薬の量はだいぶ減ったものの、主治医

          からっぽだ

          びっくりするくらい、自分のなかがからっぽだ 今日は仕事に行った 昼過ぎに帰宅した 掃除をした 夏服を出した インターネットをみた このからっぽは、どういうことだ 分け断つこちらとあちら SFアニメをずっとみていた 夜がふけるまで

          からっぽだ

          これからやっていこうと思う事

          この記事は、よく私のnoteを見てくれている人や、何か書いてみたいと思っているけど、尻込みしている人に向けて、お手紙を出すような気持ちで書きました。 * * * 「よく分からないことについては、やっぱり書けない」 というのが、この1か月間noteを毎日更新してきてわかった気がします。 もしくは、よく分からないことを想像力で補って書くにしても、更なるインプットが必要だな~としみじみ痛感しました。 (逆に分かっていることなら、いくらでも書けるってことです。 例えば、私は詳しく

          これからやっていこうと思う事

          「女の園の星を読んで。2年F組 〇〇田 ✕△子」

          陸上部の練習が終わると、私たちはそれまでランニングコースだった鴨川にとどまった。 そこでジャージのまま、5人、もたれ合って音楽を聴いた。 あの頃を彩るナンバーは、 小沢健二、THE BLUE HEARTS、B’z、THE YELLOW MONKEY、スピッツ…。 一曲終わるごとに誰かが 「詩人やなあ…」と嘆息し、 みんな、足を打ち鳴らしたり、噛んでいるガムを吐き出したりして同意のポーズとした。 鴨川沿いに等間隔に並んで座っているカップルを視線だけで冷やかしながら、自分た

          「女の園の星を読んで。2年F組 〇〇田 ✕△子」

          ホラーが好き

          私は、ものすごく怖がりで、ちょっと自分でも引くくらい、妄想癖が強い。 昨夜も寝ている部屋のすぐ下で物音がしたのでびびって起きてしまい、これはきっと我が家に賊が侵入したに違いないと半分寝ぼけて掃除用のモップ片手に家を巡回したところ、寝る間にまわした食洗機が最後の仕上げ(乾燥)に入ったブーーンという機械音だったという。 ほんのちょっとした物音に怯え、即、ジェイソン的ななにか、を妄想のなかで生み出してしまうビビりなので、当然、ホラーは苦手と思われがちなのだが、実は、怖い話は大好

          ホラーが好き

          Hello, egg cream

          夫がずっと食べたがるものがある。 それは、彼の小学校で給食に出てきた「たまごくりーみー」というおかず。 たまごくりーみー。 なんとも愛らしい名前である。 しかし、彼と同年代のはずの私は、たまごくりーみーなるものを食したことがない。 見たこともない。 インターネットでいろいろと卵でクリーミーなおかずを検索してみたが、どれも夫に言わせれば「似て非なるもの」らしい。 ゆで卵を潰して、タマネギと和え、塩こしょうで味付けしたたまごコロッケなんて、すごく美味しそうだなあ、と思う

          Hello, egg cream

          Mのこと。

          大学生のときに「上品な人間になりたい」と思ったのには理由があって、それは、ひとりの女の子との交流がきっかけだった。 その子を仮にMとする。 Mは、私と同じ女子高出身で、高校生の頃はさほど親しい間柄ではなかった。大学で同じ学部に進んだことから急速に距離が近くなった部類の友人だった。 Mは、おうちが工務店を経営していて、お姉さんがひとりいて、小さい頃からお茶やお花やピアノをみっちり仕込まれていた。 だから、立ち居振る舞いも美しかった。高校生のときはどちらかといういうと地味な

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          どうぶつ、まち

          どうぶつ、まち

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