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新しい"対話型鑑賞" ニコ美&図録の通販で展覧会を楽しむ夏

美術館・博物館と展覧会という"場"が大好きなもので、こんな記事を定期的に書いています。


猛暑と競技観戦も重なっているためか、わたしが7月下旬以降に出かけた展覧会は、どこも結構空いていました。
が、残念ながら大方の予想通り、日に日にお出かけをお薦めしにくい状況になっています・・・。

展示観てきたよー!とSNSでお知らせしたいところですが、正直ちょっと躊躇っています。
今回の更新日にnoteを書くにしても、一体どんな気分で何を書いたらいいのか、相当迷っていました。

で、昨年から散々いろんなところでお薦めされてきていましたが、きっとまだご存知ない方もいるはず!!!と思いまして、今回はニコ美をテーマにお届けします。

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そもそも、ニコ美 とは?

FireShot Capture 1672 - ニコニコ美術館 (ニコ美)(ニコニコ美術館) - ニコニコチャンネル_社会・言論 - ch.nicovideo.jp

正式名称は ニコニコ美術館 です。
画面に「8888888888」などの文字が流れてくる生中継でお馴染みの、ニコニコ動画の美術館・博物館版です。

注目の展覧会を解説付きで会場から生中継!どこよりも深く自由に、美術と展覧会の楽しみ方が分かる特別番組をお送りします。(公式サイトより

なんとありがたいことに、視聴は無料です。


公式サイトでも紹介されている、ニコ美の魅力といえば!

① 展覧会会場から90分~120分もの間、じっくり生中継

これ、直近だと3~4時間コースが主流ですw
展示全体、展示されている作品一つひとつを、さらにじっくり紹介・解説してくれていますし、出演者も豪華になっていると思います。

現状、多くの中継がアーカイブ映像として残っていて、タイムシフト視聴ができますので、一気見できなくてもOKです。でも、楽しくてつい一気見してしまうかもしれませんw

②出演者の徹底解説(時には知られざる裏話、こぼれ話も!)

中継時間がどんどん伸びている主な要因はこれですね。

そもそも、美術館・博物館での解説(ギャラリートーク)は、以前からよく行われている”展覧会の定番コンテンツ”です。

が、そこはニコ美w 勉強になりつつも、かなりくだけた雰囲気なんです。

展示を企画監修した学芸員の方々だけではなく、館長も登場したりして、本当に熱く熱く、かつ親しみやすく解説してくれるので、とても楽しいのです。

これによって、美術館・博物館だけではなく、学芸員という仕事も、ちょっと身近に感じる方が増えているのでは? なーんて思っています。


③本物の美術作品を見ながらコメントができる!

このリアルタイムのコメントの応酬で、ますます解説が盛り上がるんですよね。

時には驚くような"ガチ勢"によるコメントが流れたりもして、出演されている方々との双方向のやりとりが楽しく、特に生中継に参加すると、みんなでわいわい展示を楽んでいる感覚を味わえます。


ニコ美は、新しい対話型鑑賞のかたち?

対話型鑑賞とは、ものすごくざっくり言うと、みんなである一つの作品を観て、それぞれが思ったこと・感じたこと・想像したことを話して、共有し合う楽しみ方です。
何が正解とか優れているとかではなく、参加者みんなで、想像力を豊かに作品を味わうことが大切。

もともとは、1980年代にニューヨークのMoMAで生まれた手法です。
日本でもここ数年で、やーっと一般にも少しずつ知られてきたところでした。現在は、展示室内で、密も私語も厳禁になってしまってますので、しばらくは難しいでしょう・・・。

でも、わたしはニコ美を観ていて、"これはテキストの打ち合いで楽しむ、新しい対話型鑑賞のかたちなのかも"と、ひそかに思っていましたが、皆さまはどう思われますか???


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ちなみに・・・今回ご紹介するにあたって、ニコ美の歴史を改めて遡ってみたら、ものすごくびっくりしました。

なんと!2012年5月からニコニコ生放送で公式放送化していたんです。
ニコ動の黎明期から、すでに動画タグとして親しまれていたそうで、とんでもない長寿番組だったんですね。全く知らなかったです。

過去の放送回のリストをみて、えー!もっと早く知りたかったよ!と言う事間違いないでしょう。それにしても何で今まで出会えなかったんだろう。



現在のように、広く多くのユーザーに愛される人気コンテンツとなったきっかけは、昨年2020年2月26日。
最初の宣言発出で、臨時休館に見舞われた全国の美術館・博物館へ向け、公式Twitterアカウントでこんな呼びかけがなされました。

ここから、3月10日に江戸東京博物館(江戸博)で生放送が行われたのを皮切りに、現在まで定期的に放送が続いています。
(江戸博が、ニコ美59回目の放送だったんですよ、歴史を感じます・・・)

美術館・博物館の支援のため、現在も無償で取材・生放送されている・・・はず。なので、ニコ美の活動が素敵!応援したい!という方、パトロンになりましょう! ▼こちらをクリック

FireShot Capture 1679 - ニコニコ美術館_ニコニコ美術館 (ニコ美)(ニコニコ美術館) - ニコニコチャンネル_社会・言論 - ch.nicovideo.jp


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現在開催中 & 過去の名作展覧会を ニコ美で!!!

先月7月は、なんと5つもの展覧会を紹介してくれていました。
ありがたい!それだけ、魅力的な展覧会の企画がたくさんあったということですよね。

言わずもがな、展覧会や作品は、本当はぜひ現地で、展示空間の中で体感していただきたいんです。企画展の場は特に、再び全く同じ作品構成で展示することはほぼ不可能と言えるくらい、貴重なものです。

それが今、ネット環境があればどこからでも、全国津々浦々の展覧会を楽しめてしまえます。解説付きでじっくり鑑賞できるのは、本当にありがたいサービスだと思います。

また、出品された作品たちは、後から図録で振り返ることができますが、展示室内そのものは図録に載ってないことが多く、せいぜい開幕前のプレス内覧会の写真か、テレビ番組の特集映像がいいところ。

わたしは特に、学芸員課程を学び始めて以降、作品だけでなく、照明や展示ケース、壁や解説のパネルなどなど、展示空間全体がどのように設計されているか、も、ますます気になるようになったため、展示空間全体のことが記録に残りづらくて本当にもったいないなぁと、かねがね思っていました。

しかし!ニコ美によって、その展示空間が映像で残るんです。
これは結構、画期的✨

現在も、なんと半年以上前、『トーハクに初もうで!』とか、結構前の放送回の中にも、権利関係的にOK!という回は、現在もタイムシフト視聴できます!!!ニコ美、太っ腹!!!

※ニコ美のアーカイブページは、どの回がタイムシフト終了になっているかが分かりにくいのですが・・・ポチポチして探してください!

ということで、開催中の展覧会も、過去の展覧会も、ニコ美で存分に楽しみましょう!!!

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ニコ美の名言『図録は実質タダ』

ニコ美の効果効能は本当に多種多様です。
特に、美術館・博物館の"中の人"への親しみが増して、距離感が縮まったことは大きいでしょう。

そして、図録の驚くべきコスパも、毎放送、熱く話題になっています。
図録好きのわたしは、本当に嬉しいです。
そうなんですよ、図録、実質タダですよw

カラーページ満載、写真満載、文字情報も盛りだくさん、表周りの印刷も紙もデザインも凝ってるのに、その値段!?おかしくない!? という図録、本当に多いです。最近はますます拍車がかかっているように思います。

詳しくは各放送回をご覧ください。図録が欲しくなること請け合いですよ。

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贅沢の極み・図録をネットでポチって ニコ美を再視聴

展覧会によっては、会期終了後も図録が購入できます。
なんなら今すぐAmazonなどでポチれます。

え?図録、結局読まないんだよなぁ、買おうかいつも迷う って?
そんな方には、こちらの記事をぜひ!!!


展覧会をニコ美で観て図録が欲しくなったら、ぜひお早めにポチってください。(なぜ急いだほうがいいのか、も、上の記事に書いています。)

そして図録が届いたら、今度は図録をながめながら再びニコ美を視聴してみてください。
図録をじっくり観ながら、解説付きの展示をまるっと楽しめるのは、ニコ美視聴でしかできない、至極の贅沢!とわたしは思っています。お薦めです。


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で、Naomi_N の お薦め回は?

たくさんありすぎて絞りきれないんで、3つご紹介します!!!

FireShot Capture 1678 - 京都国立博物館 特別展「京(みやこ)の国宝─守り伝える日本のたから─」を巡ろう(進行:橋本麻里)【ニコニコ美術館】 - 2021_07__ - live.nicovideo.jp

京都国立博物館 特別展
「京(みやこ)の国宝─守り伝える日本のたから─」を巡ろう

現在、京都国立博物館で開催中の展覧会の回です。いろんな意味で本当に名作(迷作?)です。ついに文化庁の方も出演されています。
超絶面白かったので、ぜひぜひご覧ください。ただし4時間コースです。
文化財を守ろう!!!

図録&グッズはこちらから~


FireShot Capture 1676 - 再開した江戸東京博物館 特別展「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」から生中継 出演:橋本麻里【ニコニコ美術館】 - 2020_06_11(木_ - live.nicovideo.jp

江戸東京博物館 特別展「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」

2020年6月開催の展覧会です。
北斎さんも蘆雪さんも若冲さんも!いろんな作家のいろんな作品を一気に鑑賞できる、豪華な企画。江戸時代の絵画の入門編としてもお薦めです。
こうして映像でまだ楽しめるなんて!!!

豪華メンバー勢揃いの贅沢な図録はこちらで買えます!


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【展覧会をつくるお仕事】ピーター・ドイグ展の再放送を見ながら「企画する学芸員」と「作品の状態を確かめる保存・修復の専門家」と「記録に残す写真家」に質問しよう

こちら、展覧会を楽しめる1部と、展示を支える方々の鼎談の2部で構成されていて、普段はなかなか聞けない"裏側の話"が聴けてしまえます。
(ただし、かなり長時間です・・・。)

図録はこちらですー


ミュージアムグッズといえば、のEastさんへのインタビューも!

これまでもすでに、展覧会好きな方やミュージアムグッズ好きな方にはお馴染みでしたが、ニコ美によってすっかりメジャーになったのが、素敵なミュージアムグッズを作り続けているEastさんの存在でしょう。

おそらく、"あの展覧会のグッズ良かったわー"というグッズは、だいたいEastさんが手がけてると言っていいくらいです。

そのEastさんに、ニコ美スタッフさんがインタビューされています。こちらも合わせてぜひ!(動画ではなくテキストの記事です)


実は・・・わたし、もう10年以上前に、Eastさんのショップスタッフのバイト選考を受けたことがあります。

当時は残念ながら条件が合わず、またの機会にぜひ!となったのですが、日本橋のレトロなビル内のオフィスに伺い、社長の開さんとお話ししたことは、今でもよく覚えています。

その後も変わらず、ずーっとミュージアムグッズを作り続けているEastさん。展覧会や美術館・博物館に欠かせない存在です。

こーんなに素敵なミュージアムグッズショップをオンラインでも運営されてますので、ぜひぜひご覧ください!!!

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そしてもちろんニコ美も、新しい展覧会の楽しみ方として、これからも末永く欠かせないメディアであり続けるでしょう✨

ふむふむ、へーそうなのかー!って思っていただけたら、下の方にある♡マークをポチっていただけると、とても嬉しいです。noteアカウントがなくてログインしてなくてもポチれます。
次の記事は 8月15日(日)に公開します。


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