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哀愁の英系ポップ懐メロ(80〜90年代)

以前のポストの続きで、「ほんとうに心に響く音楽」。今回は、80年代・90年代の英系・ポップ懐メロ編。

音楽は、とてもタイム・カプセルのよう。昔よく聴いていた音楽をちょっと聴くだけで、その頃の記憶が蘇る。

90年代に、家族とともに、ポスト・サッチャー時代の英国に移住したとき、あの国は、なんとなくすすけていた。当時の首相は、ジョン・メージャー氏。このインディー系・ポップグループ Bronski Beat クリップにでてくる街並みと雰囲気、電車、すべてがその当時のすすけた様子を映し出している。この曲は、80年代のゲイ(同性愛者)の青年の実情をテーマにし、とても哀愁に満ちている。英ブルース・ポップ、といったところだろうか。

お次、(下)は、メジャー系、スティングの「ラシアンズ(ロシア人)」。80年代にヒット、その頃の「冷戦」をテーマにした曲だが、また今の時代の反戦テーマになってしまった。去年、スティングは2022年にふたたびこの曲の新しいバージョンもアップロードしている。

歌詞の一部:
どうすれば子供達を守る事が出来る?
オッペンハイマーが作り出した大量殺戮兵器から
信じている ロシアの人々も子供達を深く愛していると

あの頃の英国ポップはかなり政治的なテーマの曲も多かった。

お次は、インディー系Duo, EBTG のこれ。80年代からファンだったのだが、下のリンクは90年代に売れてきた頃の(哀愁)ダンス・トラック。当時流行っていたエレクトロ・ミックス。

80年代の EBTG によるアコースティックな曲も素晴らしい。これは、その頃よく聴いていた、英版ボサノバ調のトラック。

下は、インディー系・エレクトロ・バンド、ジャパンのデビッド・シルビアンと故坂本龍一のDuo, Forbidden Colours。これは、故坂本氏による「戦場のメリークリスマス」のボーカル版。

そして、メジャー系、あの元ワム(Wham!)!の故ジョージ・マイケルの隠れた名曲。当時は、このアーティストのファンではなかった。この曲が収録されている「リスン・ウズアウト・プレジュデス(『先入観を持たずに聴いてくれ』、という意味)」というアルバムが1990年にリリースされたとき、マイケル氏は「メジャー系・アイドル」の肩書きが嫌になったと言いだしていた。

公式ビデオさえ、ただ歌詞のみ。彼は、自己表現のできるアーティストになりたい、と主張していた。この曲、「プレイング・フォー・タイム」はシングル・リリースさえされなかったが、のちに彼の死後、「ジョン・レノン並」と賞賛されるようになった。下、このクリップの音楽と詩を語るためだけに、豪華キャストによるコメンタリー映画が作られた。

歌詞の一部(意訳):
皆、愛し合うことはとてもむつかしく、
お互い、憎しみばかりの世界だ
僕らの頭上の空から嘆きの声が聞こえる
“もう、なにもかも、遅すぎる・・・”
僕らにできるのは
時間をくださいと祈ることだけ...

お次は、アイスランド出身のビョーク/björkの広大なアイスランドのランドスケープを背景に歌われる「jóga」。80年代に英でヒットしたインディー系・バンド、アイスキューブのボーカルだった。90年代からは、売れてメジャー系になってしまったが・・・。

お次、メジャー系だが、PSB (ペット・ショップ・ボーイズ)の隠れた哀愁トラック、「キングス・クロス」。この曲のタイトルは、ロンドン北部の駅名で、90年代にはホームレスの人たちが多数たむろする危険地域だった。

しかし、その後ユーロスターのロンドン、パリ間鉄道路線が施行したのち、この地域と駅周辺全てが新しく修築された。上記のビデオを見るとそれ以前の危うい雰囲気が蘇ってきて切なくなる。

この曲のテーマは、ホームレスと貧困だった。90年代に、あの駅周辺にたむろしていた大量のホームレスの人たちは一体どこに移されたのだろう。

最後は、日本のバンドだが、80年代によく聴いていた、日本版の英系風インディーのレベッカ。売れる前の方が好きだった。


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