#小説
悪夢と現実と、(後)
男が、ゆっくりと近付いてくる。
私は、跳ね上がる心臓を抑えつけながらゆっくりと後ずさる。
そうすると、突き当たりに当たった。
男は、ナイフを突きつけながら止まった。
「何ですか…何がしたいんですか…。」
「どこかで会ったことがあるか……その疑問にお答えしましょうか。」
「え……?」
男はあくまで表情もなく、瞬きすらしなかった。
「…私の母は、私が小学2年生の時に…自殺しました。
何故だか
悪夢と現実と、(前)
男が、ゆっくりと近付いてくる。
私は、跳ね上がる心臓を抑えつけながら、ゆっくりと後ずさる。
そうすると、曲がり角に差し掛かって、私は咄嗟に右に曲がった。そして、曲がった瞬間に勢いよく走り出す。後ろは見ず、ひたすらに走った。
そうして、どこまで来たのか分からなくなった頃、私は走り疲れて立ち止まった。
後ろを見た。流石にいなかった。
はぁ、と溜息を吐いて、ふと前を向いた時。
私は、これほどまでに驚き