喫茶にて

こんな所に、喫茶店なんてあったんだ。
結構長いこと住んでるのに、初めて知った。

小さくて、ボロい喫茶店。
こんな時代じゃ、すぐに潰れてしまいそう。

中もボロかった。
机も、少しささくれだっているし。寡黙そうな店主が1人。私を一瞥して、特に何も言わずにメニュー表だけ持ってきた。

何にしよう。
無難にアイスコーヒーかな。
あと…プリン。喫茶店のプリンって、何かいいよね。


仕事を辞めた。
ブラック企業で、精神が崩壊しかけた。いや、もうしてたと思う。
折角苦労して入った所なのに。辞めるのはかなり躊躇した。
でも、もうちょっとで死にそうなほど、追い詰められてたから。これが最良の選択。

これから何するかは、まだ決めていない。
取り敢えず、バイトしようか。

コーヒーも、プリンも、特別な味では無かった。
しかし、どこか懐かしい味がした。

外は快晴。

こんなにも嬉しいことは、初めてかもしれない。

そうだ。
最近ギター買ったんだ。
まだ弾けないけど。
早く弾けるようになって、あの人とデュエットしたい。

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