57:活動報告②「体罰とプライド」
Bonjour!
まずはこちらをお読みください。
○活動2クラス目
・2024年2月7日〜2月29日(12日)
・3年生:在籍72人+先生1人
小学校巡回を終えた後、活動計画のスライドを作成しました。そのスライドを巡回時に出会った先生方にお送りし、唯一「あなたから教えてもらいたい!」という返事が来たのが今回のクラスの先生でした。
どの先生も私のことを名前で呼ぶのに対し、この先生は私のことを「先生」と呼び、拙いフランス語を話しても一生懸命聞いてくれるなど、第一印象はとても良かったです。
私が授業もいつも褒めてくれました。
しかし、「算数の授業の開始20分のみを担当させてね」と伝えていたのにも関わらず、3日目を過ぎたあたりから「私は疲れたから今日授業しないよ」と1時間半授業を任されることが増えました。
この先生は私に対しての態度は良かったのですが、算数の教え方が絶望的でした(間違っていることを教えていたり、72人いて誰一人理解できないことを言ったり…)。
その上、見ていられないほどの酷すぎる体罰。
3年生は一般的には7〜8歳ですが、ベナンでは飛び級や留年があります。
このクラスの最年長は14歳の少年でした。先生はその子に鞭を持たせ、自分の弟子のような扱いをしていました。先生の指示でその最年長の子どもが他の子どもを殴るという光景もしょっちゅうあり、私が止めに入っても、先生もその最年長の子も口を揃えて「体罰は必要」だと答えました。
教師の指示で子どもが子どもを殴るなんて…。本当に恐ろしい光景でした…。
最終日はまさかの先生が出勤せず、2時間私一人で授業せざるを得ない状況になりました。
しかし、普段から体罰で支配されている70人超えの子どもたちに、体罰をしない私の指示は通りません。物は飛び交うし、走り回るし、叫んでいる子は多いし、完全に学級崩壊です。
この日も最年長の子どもは鞭を持ち、叩きまくるという始末。
私はいても立ってもいられなくなり、その子から鞭を取り上げた後、クラス全員に「ベナンでは法律で体罰は禁止されている。だから学校でも家でも体罰をしてはいけない。」と話しました。
先生の指示で鞭を持っていたその子の精神面=プライドを考えると言うべきではなかったのかもしれませんが、感情が抑えきれず、このような話をしてしまいました。
どうしたら良かったんだろう…といまだに考えてしまいます。
在籍72人という大人数でしたが、先生が授業をしなかったり、そもそも出勤しなかったりと時間がたっぷりあったので、宿題の直しは一人一人個別で指導をしました。
個別指導のおかげで、私の活動で2×4=8が言えるようになっても「8」が書けない子どもが多数いることが発覚。流石に絶望しました。
先生に「子どもたちの学力をなんとかしたい。私は土日も働けるよ。」と伝えても「校長先生に相談するから心配するな」とのこと。はい、心配です。
どうしようもないので、毎日毎日数字を書く練習を一人一人行いました。
数の概念がない子どもも他の学校より多く、足し算の意味も分かっていないレベルの子もいました。
JICAのスタッフからは「目標のレベルを下げた方がいい。全員できるようにさせるのはこの国では難しい。」と言われていましたが、「少しでもなんとかしたい」「成功体験を味わせてあげたい」という気持ちが日に日に強くなるばかり。
でもJICAが言うように、ここでは諦めることも大切なのかなと考えるようになり、「賢い子たちができるようになったからいいか」と思うようにしました。
ベナンの他の地域より先生のレベルも子どものレベルも低過ぎて、遺伝の問題なのでは?=我が任地のヨルバ族の人たちは昔親戚同士で結婚していたのでは?と考えてしまうほどです。
アフリカには文字も紙もなかったため、日本のように歴史を紐解くこともできず…。
ま、分かったところでどうしようもないですし、自分にできることを精一杯やるしかないなという感じです。結果はちゃんと出ているので、自分を信じて今週も頑張ります。
nao
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