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55:なぜ算数にこだわるのか

 Bonjour!

 2024年1月から本格的に算数の活動を始めました。ちなみに今までは以下のように過ごしていました。

 8月:フランス語訓練
 9月:ナゴ語(現地語)訓練
 10月〜12月:小学校巡回

 10月からの3ヶ月間はベナンの学校を知るため=課題を把握するため、小学校を巡回していました。

 ベナンはアフリカの中でも教育水準が低く、留学生をサポートしている大使館の方も「他のアフリカ諸国より留学する学生が圧倒的に少ない」と仰っていました。

 日本にいた時からベナンの教育水準の低さは覚悟をしていたものの、想像を絶する毎日。

巡回初日のクラスから
授業と子どもたちのレベルの低さに絶望し
これからどうしようと不安になりました


 書きたいことはたくさんありますが、私が算数で活動することを決めた理由を話します。

①子どもたちの学力の低さ

 3年生なのに5以上の数字が書けません。

 6年生でも繰り上がりなしの足し算や九九を言うことができません。

 他のベナンの地域と比べ、圧倒的にレベルが低い私の任地。なぜ?


②教師の学力の低さ

 1時間=100分、三角柱の面は3つなど、教師の基礎学力さえ皆無です。


③生活と直結する教科

 街では買い物をするとお釣りを間違えられることが多々あります。

 この国では計算をしなくても生きていけますが、計算ができないと損する=生活がより苦しくなるなと感じました。


④活動を持続的なものにしたい

 図工や体育などの情操教育は教師が子どもの頃に教わったことがない上に教材がないので、ほとんどのクラスで授業が行われていません。

 もし、身近なモノで教材を作る方法を伝えたとしても、彼らはきっと作らないでしょう。

 作ったところで給料が上がるわけでもないんだから…。悲しいですが、彼らには日本の教員のようなモチベーションはありません。

 しかし、算数の授業はどこの学校でも行われているので、任期が終わった後も私の活動を引き継いでもらえる可能性が他の教科より高いのでは?というわずかな望みにかけて算数で活動することにしました。

活動2クラス目の子どもたち
「先生〜!」と駆け寄ってくる姿が愛おしい


 今はフランス語がなんとか通じる3年生を中心に活動しています。

 3年生でも1+8=2のような数の概念がない子たちばかり。

 よって日本の1年生の1学期で学習する内容を噛み砕いて、活動計画を立てました。

 毎日20分程度×2週間授業をし、活動の前後にはテストを行って活動の結果を数値化しています。

5の分解
10の合成
楽しく学習するために
かるた


 上記に加えて、足し算はフラッシュカードを、九九は歌を自作し覚えさせています。

 最近久々にメンタルがやられそうになりましたが、何とか地に足をつけ踏ん張っています。

 他国の同期仲間に「誰も応援してくれない環境+食べ物も娯楽がない中でよくメンタルもってると思う。中学生の時からこの道に進もうと決めたから、挫けないんだろうな。」と言われました。

 嬉しい。そうかもな…。

 「目の前の子どもたちの未来が少しでも明るいものになってほしい」

 この気持ちだけで何とか生きてます。
 日本でもベナンでも私の唯一のモチベーション。

 しんどい。最近しんどいですが、私の授業を待ってる子どもたちが沢山いるから何とか毎日活動しています。

 あとは最近送られてきた教え子たちからのメッセージを毎日読んで、パワーをもらっています。みんなありがとう!!!!!

 クラスごとの活動結果の報告は次の投稿で。

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