酉年の元カレが金縛りにあって、目覚めたら巨大な鶏がいた話
怖さ:☆☆☆
大好きな元カレが、「しょっちゅう金縛りにあっていた」という女性から伺ったお話です。
彼女が高校生のころにお付き合いしていた元カレさんは、よく金縛りにあう方だったそうです。
寝ていると体が動かなくなって、気が付くと足の上におばあさんが座っていたり、誰かが布団の横で寝ていたり、誰だかわからないけれど頭の方からじっと顔を覗き込まれていたり。
とにかく、金縛りにあう度に幽霊らしき人たちが、いろいろな角度から現れていました。
かなり頻繁に幽霊らしき人に遭遇するので、その元カレさんも慣れてしまっていたそうで、対処法も心得ていました。心の中で「関係ないから早く消えて」と強く念じると、近くに寄ってきていた幽霊らしき人たちも、自然といなくなっていたようです。
そんなある日、元カレさんが寝ていると、また金縛りにあい、体が動かなくなりました。
何か重いものが乗っているようで苦しくなって目を開けると、胸の上に大きな鶏が乗っていました。
お話してくださった方は、「『トサカがあった』と言っていたから、たぶん雄鶏だと思うけど、すごく大きかったんだって」と言っていました。
ここで話は少しそれますが、実は、私は個人的にトリと怖い話になんらかのつながりがあるように感じています。
というのも、私が子どものころ、熱を出して寝ていた時に怖い夢を見て、その話を母にしたところ「高熱の時に見る怖い夢のことを『トリ』っていうんだよ」と教わったのですが、熱が下がってから母に聞いたところ「『トリ』なんて知らないし、そんな話をした覚えはない」と言われたことがあったからです。
もしかして母との会話も夢で見たのかなあ?と思いつつ、なんとなく気になっていました。それ以来、トリ=なんか怖いもの、という構図がぼんやりとですが、私の中にできています。
なので、この話を伺った時、どうして金縛りにあった元カレさんの胸の上に乗っていたのが鶏なのかが非常に気になって、その辺を詳しく尋ねてみたのですが、理由はわかりませんでした。
ただ、その元カレさんの年齢を干支でみると酉年だったので、もしかしたら関係があるのかもしれません。
このお話をしてくださった方は、「金縛りにあったとか、そんな話でも彼が話すことはすごく嬉しく聞いてた。それくらい好きだったんだな……」とおっしゃっていました。
別れて十年以上経った今も、そんな元カレさんのことを思い出すそうです。
話し手:30代 女性
採取時期:2020年8月
採取場所:東京都内