葬儀会館の自動ドアが、誰もいないのに開いたり閉じたりする話
怖さ:★☆☆
東京近郊の葬儀社で以前働いていた方に伺ったお話です。
彼が以前、館長を務めていた葬儀会館は、その葬儀社のいくつもある会館の中でも「幽霊が出る」と噂のある斎場でした。
事務所に置いてあった公衆電話に無言電話が掛かってくると、その後すぐにお葬式の依頼が入るなど、「幽霊を見たことはないけど、不思議なことはあった」そうです。
そんな葬儀会館である日、起こった出来事です。
その日はお葬式も、お通夜の予定もなく、のんびりとした日でした。昼下がり、監視カメラのモニターで葬儀会館の中の様子をチェックしていた女性の事務員に「ちょっと、ちょっと!」と呼ばれました。
何かあったの?と行ってみると、モニターを指さしています。見ると、葬儀会館の入り口の自動ドアが、開いたり閉まったりしていました。自動ドアのセンサーに引っかかるものが落ちているのかと思いましたが、何もありません。
「なんだろうね?」と彼も不思議に思ってモニターを見ていると、ぼんやりと黒い影が浮かんでいるのが見えてきました。その黒い影が通ると、入り口の自動ドアが開いたり、閉まったりしているようです。
しかし、入り口に行って自動ドアを確認しても、異常はありません
結局、モニターに写っていたそのぼんやりとした黒い影は、自動ドアのところを出たり入ったりをしばらく繰り返し、消えました。影は「猫くらいの大きさで、ぼんやり黒く浮かんでた」そうです。
自動ドアのセンサーの仕組みをインターネットで検索すると、赤外線や電波で物体を感知してドアを開閉するそうです。また、10年くらい前までは床面の温度と、通る人との温度との差を感知して、扉を開閉する仕組みが主流だったという記述もありました。
お話してくださった方は「もう15年くらい昔のこと」とおっしゃていたので、その葬斎場の入り口の自動ドアが温度センサーによって開閉していたと仮定すると、幽霊やお化け、または魂などには、温度があるのかもしれません。
話し手:40代 男性
採取時期:2020年9月
採取場所:東京都内
「葬儀会館」と、なんか怖い話
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