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高校時代、お墓の写真を撮ったら、白い顔がいくつも写ってた話

怖さ:☆☆☆ 

以前、心霊写真を見せていただいた時の話を書いた際に、そういえば高校の時に自分で撮ったお墓の写真に、よくわからないものが写っていたことがあったことを思い出しました。せっかくなので、今回はそのことについて当時のことを振り返りながら、まとめてみます。

高校時代にお墓の写真を撮ることになった経緯

私が通っていた高校では、3年生の時に、ちょっと大きめのレポートを書いて提出するという課題がありました。テーマは自分で決めて、担当の先生も学校中から好きに選んで、交渉して依頼するというもので、卒論に似ているかもしれません。成績にも大きく関係する課題で、皆かなり真剣に取り組んでいました。

今なら、400字詰めの原稿用紙30枚以上と言われても「あ~、12,000文字ね~」くらいですが、あの当時はとんでもなく大変なことのように思えて、自分でも相当、気合が入っていたと思います。

覚えているのは、「なんで原稿用紙30枚?」と質問した時に、先生が「自分の考えていることを、日本語の文章できちんと伝えるには、最低でも原稿用紙30枚程度の文字が必要だから」とおっしゃっていたことです。以来12,000文字という文字数は、何となくですが意識しています(でも、そんなに書けないですけど)。

さて、高校生の私は何を思ったか、このレポートのテーマを「お墓の並び順に規則性はあるのか?」ということに決めました。お墓参りとかで霊園を見ると、似たような形だけど微妙に違う種類のお墓がいろいろ立っていて、何か規則性があるのかな?と。その規則性を割り出してみようということを考えたわけです。

都営霊園をめぐってお墓の写真を撮影

インターネットもない時代だったので、最初に、図書館に行ってお墓の種類を調べました。お墓の本なんてこの世にあるのか?と不安でしたが、お墓の事典みたいな分厚い本や、石塔について書いた本とかがありました。それから国道沿いの広い敷地で墓石を並べている墓石屋さんがあったので、そこでお墓について書いたパンフレットをいただきました。

何んとなく基礎知識を入れて、今度はお墓をめぐるようになりました。お墓は割とたくさんあったのですが、お寺のお墓とかは入りにくいというか、勝手に入るといけない気がしたので、青山霊園とか雑司ヶ谷霊園、多磨霊園と、公営の霊園を回ることにしました。

それぞれの霊園でどんな形の墓石が多いかを調べ、さらにそれぞれの並び順に規則性がないかを調べていったのです。順番に写真を撮って、お墓の後ろの方や墓碑に記された年代を記録して、という具合です。

墓石の近くや墓石の上に顔のようなものが写っていた

この時撮った写真の数は、相当数になりました。まだデジカメがない時代、フィルム写真で現像したのですが、ふと、お墓の横に植わっている木の中に、小さな白い顔らしきものが2つ、3つと写っている写真があることに気が付きました。墓石の模様の中に、同じようなものが紛れていることもありました。

これはもしかしたら心霊写真では?と家族に見せたのですが、取り合ってくれません。母は「手塚治虫さんが『丸の中に点が3つあったら、人の顔に見える』ってテレビで言ってた」というようなことを言って(本当に手塚治虫さんがおっしゃってたかは不明)、「見方によっては何だって顔に見える」と笑っていました。

そんな写真が5、6枚あったのですが、決定的な写真はありませんでした。家族に信じてもらうためにも、誰が見てもびっくりするようなすごい心霊写真が撮れないものかと、レポートとは違う目的で写真をさらに撮りまくるようになりましたが、やはり小さな顔らしきものしかなく、すごい「何か」が写るとことはありませんでした。

写真に不可解なものが写っていることについて、高校生なりに考えたこと

この時、私が考えたことを思い出して整理してみます(この時はそこまではっきりとは意識してなかったと思いますが、今、整理してみてそうだったんだろうな・・・ということを書いています)。

まず一番怖かったのが、調査をする中で、お墓で眠っている人に対して(無意識のうちに、悪気はないけど)何か失礼なことをしてしまっていて、呪われる(何か悪いことが起こる)ことでした。そもそも勝手にお墓の写真を撮ったり、墓碑を読んだりしているわけですから、後ろめたい気持ちはありました。

さらに、撮影した場所(墓所?お墓の区画?)が違ったり、そもそも撮影した霊園が違うのに同じような顔のようなものが写っているのを見て、「もしこれが本当に心霊写真で、幽霊とかお化けが写っているとした場合、問題は場所(撮影したお墓)ではなく、私にあるのでは?」と心配になりました。

幽霊とかは特定の場所に出るか、特定の人の前に出るか、見えるからには何らかの理由があると、私は思っていました。そして、いろんなお墓で撮影したものに写っているということは、場所に特定されないと考えました。つまり、撮影する私に問題があるということです。

もしかしたら使っていたカメラに問題があるのかもしれません。でも、レンズの傷とかだったら同じ場所に写るはずだし。家のカメラではなく「写ルンです」というレンズ付きのカメラを使ったりもしてみました。結局、「写ルンです」で撮った写真には何もありませんでしたが、そもそも、そうそう写り込むものではなくて、カメラを変えたから写らなくなったとかは言えないなあと思ったりしていました。

となると、やはりお墓の写真を撮られたことを不快に思っている幽霊が、怒って、意思表示をしてきたのかもしれません。日常生活でも、例えば犬の散歩をしている人がいたら、犬が私の方を向いてうなり声をあげてこないか?とか、鏡に変なものが映っていないか?とかが気になり始めました。

写真を見てくれたお坊さんの一言

そんな風に、怯え始めた私に、母が「祖父のお葬式でお経をあげてくれたお坊さんに聞いてみれば?」と、お寺の場所を調べてくれて、「お布施」と言って確か五千円だったと思いますが、くれました。

電車に乗ってお寺に行くと、祖父のお葬式でお経を読んでくださったお坊さんが「じゃあ、写真を見せてくださいな」と写真を見てくれました。そして、「やっぱり、若い人が来ると皆さん嬉しくなって出てきちゃいますよね~」と、一言。この時は、「信じてもらえた」という嬉しさと、「(幽霊が)嬉しくて出てきた=怒られているわけではない」という安心感で、すごくほっとしたのを覚えています。

その後「せっかくだから仏さまにもお願いしておきましょう。ネガは持ってきました?」と言われてネガもお出しすると、写真とネガを仏さまの前において、お経を読んでくれました。そして最後に私に向かって火打石で切り火を切ってくださいました。

幽霊は、嬉しかったり楽しかったりしてると出てくるのか?

大人になって思い出しても、あの時のお坊さんの言葉は本当にありがたかったと思います。もし仮にお坊さんが方便(というか適当なこと?)を言っていたのだとしても、おっしゃったことは、まさに私が欲しかった言葉でした。母から同じことを言われても信じなかっただろうなと。お坊さんの力というか、役目ってそういうところにもあるんだなあと、素直に思っています。

以前、車の中でバックミラーに知らない人の顔が写っていた話を書きましたが、そのお話をしてくださった方も、お坊さんが「車の中が楽しそうだったから、どこかのおばあさんの霊が入ってきちゃったんだね」とおっしゃっていました。これらのお坊さんの見解から推測すると、幽霊とかは、楽しかったり、嬉しかったりすると出てきてしまうものなのかもしれません。

結論

霊園に通ったり、写真を撮ったり、厄除け?お祓いをしていただいたり、いろいろやってみたのですが、残念ながら、お墓の並び順に規則性は見出せませんでした。

それでも原稿用紙30枚、霊園の端に行くほど古いお墓が増えるとか、霊園ごとに並んでいるお墓の種類がちょっと違うとか、こじつけがほとんどですが必死になっていろいろ書きました。でも、評価はC評価(単位はもらえるけど最低ライン。参加賞みたいなレベル)。

担当の先生は「何これ?」とあきれていましたが、「今度調べるときはもっと歴史のあるお墓とかで調べてみたら?」というアドバイスをくださいました。

体験者:高校時代の私
採取時期:1990年代
採取場所:東京並びに近隣県

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