Nancy@Angkor

40代で東南アジア遺跡にハマった人。アンコールワットの近くに在住し、遺跡の年パスと小さ…

Nancy@Angkor

40代で東南アジア遺跡にハマった人。アンコールワットの近くに在住し、遺跡の年パスと小さいバイクでアンコール遺跡を訪れています。ジャヤヴァルマン7世時代の遺跡が好きです。チャンパ遺跡も好きです。カンボジア日常生活の話→https://note.com/nancy_phn

マガジン

  • アンコール王朝1 (8-9世紀) ジャヤヴァルマン2世

  • アンコール王朝3(12-13世紀前半) ジャヤヴァルマン7世

    アンコール文化の最盛期、陥落直前の時代です

  • アンコールトム内の遺跡

    巨大な城塞都市アンコールトム。バイヨン以外にも魅力的な遺跡がたくさんあります。

  • アンコール陥落以降の遺跡

    アンコール城が陥落、滅亡(1432年)以降の時代の遺跡。

  • アンコール王朝2(10-11世紀) スールヤヴァルマン2世

最近の記事

【遺跡探訪91】バコンはやっぱり王者の風格(Bakong 881年)

この日はアンコールワットの日の出を見にいく予定でしたが、雨の予報が出ていたため、街灯無しで明け方は真っ暗なアンコールワットは、念の為やめておきました。 出発時点ではギリギリ雨は降っていなかったので、もしも雨が降っても雨宿りしやすい国道沿いのバコンに急遽変更しました。 バコンには朝ちょっと早すぎたかなと思い(家を5:00過ぎに出ました)そういえばラリタバスのバス停にカフェができた、という話を思い出して行ってみました。さすが夜行もあるラリタバス、朝5時台でもコーヒー淹れていま

    • 【遺跡探訪90】雨季限定、苔寺となったプラサットチュルン北東(Prasat Chrung NE, 13世紀)

      ガイドブックの記載もなく、正直期待していなかった今回のプラサットチュルン北東、想像以上に良かったです。さらに立ち寄ったスピアントゥモーも美しかったです(前回の投稿です)。 雨季は大雨で遺跡自体行けなかったり、足元が悪かったりして観光には向いていません。が、今回のように乾季には見ることができない落ち着いた美しさを垣間見ることができて、雨季も好きです。 今日は既に朝日が昇っていました。 4つのプラサットチュルンプラサットチュルンはアンコールトムの四隅にあり、①南東(23年5月

      • 【遺跡探訪89】意外と穴場だったスピアントゥモー(Spean Thma, 12-13世紀/17世紀)

        今日の目的はアンコール・トムの四隅にあるプラサット・チュルンだったのですが、途中で通ったスピアン・トゥモー(橋)が非常によかったので記録しようと思いました。 本日のマップ12世紀?13世紀?はたまた17世紀?ガイドブック"Focusing on the Angkor Temples"を見ると、おそらく12世紀の後半か13世紀前半に建設されたと書かれています。ところが、遺跡近くのアプサラファウンデーションの石碑を見ると、何と17世紀と書かれています。ガイドブック情報とは500

        • 【遺跡探訪88】裏からプリヤ・カーン、東半分を独り占め(Preah Khan, 1191年)

          5:00に家を出て、暗い中をアンコールワット方向へ北上しました。アンコールワット環濠に着いた時には、東の空がほんのり赤く染まり、息を飲むような美しさでした。 今日はプラサットクラヴァン経由で、スラ・スランに向かいました。着いた時にはピッタリ日の出の時間でした。勘が冴えている。 本日のマップシェムリアップを5:00amに出発、アンコールワット環濠に5:30、スラ・スランには5:50頃に到着。スラ・スランのカフェでガイドブックを読みながらラテを飲んで、プリヤ・カーン東門に7:

        【遺跡探訪91】バコンはやっぱり王者の風格(Bakong 881年)

        • 【遺跡探訪90】雨季限定、苔寺となったプラサットチュルン北東(Prasat Chrung NE, 13世紀)

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        • 【遺跡探訪88】裏からプリヤ・カーン、東半分を独り占め(Preah Khan, 1191年)

        マガジン

        • アンコール王朝1 (8-9世紀) ジャヤヴァルマン2世
          6本
        • アンコールトム内の遺跡
          18本
        • アンコール王朝3(12-13世紀前半) ジャヤヴァルマン7世
          30本
        • アンコール陥落以降の遺跡
          1本
        • アンコール王朝2(10-11世紀) スールヤヴァルマン2世
          35本
        • アンコール文化関連の博物館
          6本

        記事

          【遺跡探訪87】中世ベトナムとカンボジアの戦いを想起させるバイヨン(Bayon 13c)

          ベトナムに5年間住んだ経験から、チャンパ王朝(18世紀に滅亡したベトナム中部〜南部の王朝)とアンコール王朝の関係性には並々ならぬ関心があります。 メインのnoteアカウント(カンボジア生活記)で詳しく書いていますが、2013年から2018年まではベトナム南部のホーチミンで暮らしました。 その後カンボジアの「ベトナムに対する反感」を知らずにプノンペンへ飛び込み、すっかりベトナムローカライズされていた私は、露骨に嫌がられたり反感を持たれたという苦い思い出があります。 その後、

          【遺跡探訪87】中世ベトナムとカンボジアの戦いを想起させるバイヨン(Bayon 13c)

          【遺跡探訪86】番外編・タイ国境バンテアイチュマール(Banteay Chhmar 12-13c)

          長い間行きたかった、バンテアイチュマールにツアーを使って行くことができました。 こんなに日本語ガイドブックと英語ガイドブックの評価が分かれている遺跡はありません。 「地球の歩き方」を読むと、事故・地雷・治安の悪さなどでシソポン経由でバンテアイチュマールへ行ってはいけない、バンテアイチュマール周辺も地雷が相当数あり、治安が悪いと書いてあります。読むと普通の人が行くのは無理だなと思います。 一方で、Focusing on the Angkor Templesをはじめ、英語のガ

          【遺跡探訪86】番外編・タイ国境バンテアイチュマール(Banteay Chhmar 12-13c)

          【遺跡探訪85】アンコールトム内の穴場遺跡、プレア・ピトゥ(Preah Pitu 12-13c)

          一時帰国から戻り、最初の遺跡は雨の影響を受けにくい場所へと思いました。嵐でアンコールトム南大門の巨木がトゥクトゥクの上へ倒れ一人亡くなったというニュースを戻る直前に聞いたからです。 その後クメール語のレッスンの際に、先生とそのニュースについて話して、今はあまりアンコールトムに近づかない方がいいのか聞きました。しかしシェムリアップ出身の先生によると、亡くなった方には申し訳ないが非常に稀なケースだったとのことです。そしてニュースを受けて倒木対策として南大門周辺の巨木が何本も切ら

          【遺跡探訪85】アンコールトム内の穴場遺跡、プレア・ピトゥ(Preah Pitu 12-13c)

          【遺跡探訪84】ワットアトヴィアで旅の安全を祈る(Wat Athvear 12世紀)

          もうすぐ一時帰国します。おそらく7月最後になる今回の遺跡訪問は、地元の人がよくお祓いに行くというワットアトヴィアにしました。シェムリアップを北上したアンコール遺跡群ではなく、市街地から南下した遺跡です。 ワットアトヴィアは、他のアンコール遺跡群とロリュオス遺跡群からは離れていて、トンレサップ湖からアンコールワットに巡礼するときに途中立ち寄った宿場的な役割だったのではと言われています。 プサークラオム(クラオム市場)市街地から南下し、クラオム市場を通りました。家からは一番近

          【遺跡探訪84】ワットアトヴィアで旅の安全を祈る(Wat Athvear 12世紀)

          【遺跡探訪83】48.5mのマハーバーラタ(アンコールワット第一回廊)

          先日、アンコールワット第一回廊のレリーフだけを解説するという本をお借りする機会がありました。写真も非常に美しく、東西南北全てのレリーフに詳細な解説があります。 どうやったらこんなに綺麗にレリーフの写真が撮れるのだろうと思ったら、最後のページに種明かしがあり、レールや足場を組んで照明もかなり強く当て、個人では不可能な撮影方法でした。研究向けのようでした。 今まで第一回廊を訪れると、わかりやすいテーマの(ヒンドゥー教創世記である)乳海攪拌、(死後の世界を表した)天国と地獄、また

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          アンコール時代から続く影絵、スバエクトムを寺院で鑑賞

          今回は遺跡ではないですが、2008年にユネスコの無形文化遺産に登録されたスバエクトム(ココナツの殻を燃やした明かりで行う牛革影絵)の、観光目的ではない儀式的な上演を鑑賞することができました。シェムリアップに来て二回目です。 2023年1月の前回は当日の午後に公演を知り、今回は前日のお知らせでした。 道は分かりやすかったものの街灯なし前回はパゴダにたどり着くまでが大変で、街灯のない道を延々走り、本当にこれでいいのかと不安になる頃に爆音のテクノが聞こえて、クラブ状態のパゴダに到

          アンコール時代から続く影絵、スバエクトムを寺院で鑑賞

          【遺跡探訪 82】 800年前の日常が描かれるバイヨン第一回廊レリーフ (Bayon, 13世紀)

          6月になり、本格的に雨季に入りました。道路舗装のない秘境系の遺跡は冠水で危険なため、これから半年くらいはお預けです。今日は、アンコールワットの次くらいに有名な遺跡、アンコールトム内のバイヨンの南面レリーフを見に行きました。 本日のマップスラ・スランで朝日を見てからと思ったのですが、6月は日の出が早く、6時には既にだいぶ高いところまで日が登っていました。 スラスラン横のカフェでガイドブックを読んでから、バイヨン遺跡オープンの7:30に合わせて向かいました。 アンコールワッ

          【遺跡探訪 82】 800年前の日常が描かれるバイヨン第一回廊レリーフ (Bayon, 13世紀)

          【遺跡探訪81】雨季は不可能、乾季も難しい秘境バンテアイ・トム(Banteay Thom, Late 12th)

          ほとんどのガイドブックには載っていないものの、お気に入りガイドブック"Focusing on the Angkor Temples"には載っている遺跡というものがあります。 大抵は着くまでの道が舗装がされておらず、ジャングルの中の小道を通っていくタイプです。クロル・ロメアス、プレイ・モンティなどがそうでした。このバンテアイ・トムも本で見て気になっていましたが、Google Mapsで見たところ、幹線道路からぐちゃぐちゃした小さい道が繋がっていたので覚悟をしました。 結論と

          【遺跡探訪81】雨季は不可能、乾季も難しい秘境バンテアイ・トム(Banteay Thom, Late 12th)

          【遺跡探訪80】プレ・ループで夕日鑑賞…のはずだった(Pre Rup, 961年)

          クメール語の先生に「次はどこの遺跡行きますか?」と聞かれて口走った「プレ・ループ」。元々はピラミッド型の寺院の頂上からジャングルの中に夕日が沈むのを見ることができる隠れ夕日スポットでしたが、2021年以降夕日の時間にはクローズとなっていたのでした。 先週ニュースを見ていたら、プレ・ループのクローズ時間が以前の6:30pmに戻り、改めて夕日が楽しめる場所になったという記事を見つけて、チャンスがあれば訪れたいと思っていたのです。 記事を読むと、修復が完了したこともあり、夕方の時

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          【遺跡探訪79】廃墟系遺跡の最高峰、チャウスレイヴィボル(Chau Srey Vibol, 11世紀後半)

          私の中では勝手に廃墟系遺跡と呼んでいますが、こんな感じのカテゴリーです。 1. タ・ネイ 2. ベンメリア 3. タ・プローム 今回行ったチャウスレイヴィボルは、ほとんどのガイドブックに載っていないマイナー遺跡のためノーマークでした。 ちょっと遠い(シェムリアップから24km)5月に入って多少涼しくなったものの、この日は朝から暑い日でした。朝7時で28度くらいありました。 ロリュオス遺跡群のバコン遺跡のあたりから北上します。バコンがシェムリアップから17kmなので、さらに

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          【遺跡探訪78】あえて早朝のプノンバケン(Phnom Bakeng, 9世紀)

          カンボジア人友人が最近プノンバケンに登って朝日を見たと言っていました。「え?夕日じゃないの?」と聞いても朝日だと言うのです。ネットにも7:00オープンと載っていたのでノーマークでした。夕日の時間帯以外にもプノンバケンも見たたかったのとオープン時間確認のために行ってみました。 4:50 出発早起きしました。この時間のシヴォタ通りは遺跡の朝日鑑賞グループと、クラブ化したパブストリートでオールで飲んでいるグループが混じり合ってカオスになっています。 5:30 暗闇の山道を歩くア

          【遺跡探訪78】あえて早朝のプノンバケン(Phnom Bakeng, 9世紀)

          【遺跡探訪77】バイヨンの地下にあった仏像が祀られる、ヴィヒア・プランピー・ロヴェーン

          熱波が来ているシェムリアップ、最高気温40度超が既に一週間以上続いています。この中で遺跡に行くかは迷いました。考えた結果、早く行って早く帰ってくることにしました。 朝5時で29度朝起きて外に出て、爽やかじゃなかったのは初めてです。4月の上旬の時点では早朝に限っては涼しいと思っていましたが、今日(4月28日)は朝5時少し前の時点で既に29度ありました。 それでも最初のチケットコントロールを通過してアンコールの森に入る頃には心持ち気温が下がった気がしました。緑のありがたさを感

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