【遺跡探訪90】雨季限定、苔寺となったプラサットチュルン北東(Prasat Chrung NE, 13世紀)
ガイドブックの記載もなく、正直期待していなかった今回のプラサットチュルン北東、想像以上に良かったです。さらに立ち寄ったスピアントゥモーも美しかったです(前回の投稿です)。
雨季は大雨で遺跡自体行けなかったり、足元が悪かったりして観光には向いていません。が、今回のように乾季には見ることができない落ち着いた美しさを垣間見ることができて、雨季も好きです。
今日は既に朝日が昇っていました。
4つのプラサットチュルン
プラサットチュルンはアンコールトムの四隅にあり、①南東(23年5月)、②南西(24年2月)と二回訪れた後の、今回三回目としての③北東(24年8月)でした。
門をよじ登り(スロープもあります)城壁をひたすら歩くので、往復3kmは歩かないとプラサットチュルンは行けません。ある時ふと気づいたのは、東側の「勝利の門」は中心より500mほど北へずれているため、プラサットチュルン北東は他の3つに比べて門から近いのでは?ということでした。
①の南東の投稿です。
②の南西の投稿です。
勝利の門を登る
アンコールトムの5つの門では、南大門の次くらいによく使う門です。小回りコースで通るため、タ・プロムなどに行く場合必ず通ります。
でも、ここに登るのは初めてでした。
ラテライトの石段があるので、気をつけて登っていきます。(歩行者・自転車用スロープもあるので、そちらの方が安全かもしれません)
上まで着きました。今、バイヨンの第三回廊が修復で入れないので、こんなに近くで四面仏を見ることができるのは珍しいです。
どの位置から見てもかっこいい門。
さて、門を背にして城壁の上を歩きます。
思ったより幅が広く、余裕で歩けます。何となく、南側より広いかも?(景色は南大門から左右への道の方がいいです)
なんと、下にも道ができていました。どうやって環濠の横のあの道へ行くのでしょうか。いつか下の道も歩いてみたいです。
少しずつ見えてきました。プラサットチュルンは長い間歩いた後に祠堂が出てくるので、ワクワクします。
近づいてきました。
ប្រាសាទプラサットជ្រុងチュルン (ឦសានアイサン)
期待していなかった分、大きな感動
実はこの北東は、全然期待していませんでした。Google Mapsでも4つのプラサットチュルンのうち唯一、星もレビューもなく、おそらく酷暑期に撮られた参考写真は砂漠のようだったからです。
プラサットチュルンは好きですが結構歩く→でも勝利の門から北に行くならそこまで歩かないんじゃないか、と思いつきで北東に来ただけでしたが、雨季という季節が良かったです。
全体が苔に覆われていて、しっとりとした美しさがあります。とは言ってもそこまでジメジメした感じではありません。
テラスの入り口の門だけが残り、ペディメントが少しだけ見えます。
この北東と北西はそこまで歴史的価値はないのか、あるいは南東と南西の反転だからか、ガイドブックにも載っていません。ということで、多くの人にとってノーマークの遺跡だと思いました。往復で、一回だけ「アンコールトム城壁を一周している」というカップルに会いました。私も一周12kmを挑戦してみたいです。
瞑想の帰り道
勝利の門からプラサットチュルン北東まで1kmでした。暇かなと思ってポッドキャストを用意していたのですが、この門からプラサットチュルンの往復は何かを聞くのも勿体無いくらい、ヒーリング状態になりました。結局何も聞かず、門と祠堂を往復しました。
自分以外が全て自然で、鳥のさえずりと木の葉が風にそよぐ音しかしません。この北東へ向かう道は、バイクの音も人の話し声もせず、不思議な感覚に包まれます。
おまけ:ファーマーズマーケット
今日もファーマーズマーケットをやっていました。私は最近、このファーマーズマーケットと近所で私立学校が経営しているコミュニティストアで野菜を買うのが好きです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?