見出し画像

【遺跡探訪70】この時期限定の朝日鑑賞の穴場スポット(Prasat Chrung SW 13世紀)

ずっと行きたかったものの、タイミングが合わなかった、アンコールトム城壁上のプラサットチュルン(南西)に行くことができました。


今日のマップ

南大門でバイクを降り、徒歩で南西の角まで城壁上を歩きました(紫の線)
帰りにベントム(大きい池)へちょっと寄り道
復路は往路と同じ道でした。

アンコールワットで自転車を乗り捨てた人々

アンコールワット環濠に着いたのは6:30頃でした。今は日の出が遅いです。空は白んでいるものの、まだ日の出の気配はありません。

F値を小さくして手前をぼやかしてみた

今日は絶対プラサットチュルンに行く(城壁を往復3km歩く)と決めたので、お借りした重い一眼レフカメラではなくFujifilm X10にしました。F値をいじって遊んでいます。

F値を大きくしてみた

日の出まで暇なので環濠をウロウロすると、ふと環濠の角(南西)が川になっていることに気づきました。環濠の水は入れっぱなしなのではなく、循環していたのですね。

右へ水が流れている

全然日が登らないので、もういいかな、アンコールトムに行っちゃえと進んだところで、向こうからやってくる筋骨隆々の自転車集団が「うおー」と声を出しながら自転車を乗り捨てて、環濠の方へと走って行きました。

この写真の時は既に自転車を回収した人もいたのですが、5台くらい乗り捨てられていました

何だあれは…と思いながらふと環濠の方に目をやると、綺麗な朝日が出たばかりだったのです。全然気づきませんでした。

アンコールトム南大門

南大門に着いた頃には太陽がだいぶ登り、空は明るくなっていました。

今日は全然観光客がいません。大渋滞の日もあるのですが、日によって違います。
いつもと違う、ナーガの根元から撮ってみました。
アンコールトムの環濠も美しいです。この階段、スラスランなどでも感じるのですが、インド・バラナシのガンジス川沿いの階段を思い起こさせます。ヒンドゥー教の聖地ですし、本当に関係があるのかもしれません。
橋の欄干の阿修羅の顔

南大門の内側に入ると、道の両脇は丘のようになっていて、その上を何となく登ると城壁の上に出ます。向かって左側は登ったことがありましたが、向かって右側は初めてです。

左奥に見えるのが南大門

一応「プラサットチュルンはこちら」の看板もあります。ここ2年くらいで看板があちらこちらに設置されるようになって、マイナー遺跡へのアクセスがとても楽になりました。

プラサットトップ西(3750m) は城壁から歩いては行かないだろう…相当遠回りである。たまに看板が親切なのかわからない。

日の出の穴場かも

南大門の西側を登ると、そこが日の出スポットであることに気づきました。「なんだこれー」と誰もいない城壁で声が出ました。

アンコールトム環濠と、南大門と橋が朝日に照らされて作り出す景色。
なんてものを800年前の人々は作ったんだ…

もしかすると、この太陽を背にする南大門と橋の景色は、かなり南側から日が登る今(冬至に近い季節)だけ見られる景色かもしれません。

さて、城壁の上を西へ進みます。

プラサットバイが見えました。

前回のプラサットチュルン(南東)に行った時よりも、景色が楽しいのは、環濠の向かい側にいくつか遺跡があり、プノンバケンもあるからかもしれません。

道は蜘蛛の巣がたまにありますが、前回行った時に知っていたので大丈夫。あの時は巨大アリの群れも多かったです。今回はほとんど見かけなかったのは、季節が違うからでしょうか。

自然初心者に優しいアンコールトムの城壁。この道大好きです。
一人だけ、ランニング中の高齢の西洋人男性とすれ違いました。Helloとあいさつしたものの相当しんどかったのか、そのまま駆け抜けて行きました。一周12km走っているんだろうな…

プノンバケン
お掃除中の方。毎日ありがとうございます。

南西方面は、向かいの遺跡や山など目印が多かったので、「あとどれだけ歩けば着くのだろう…」という不安感はほとんどなかったです。

環濠の水草も美しいです。

着きました。ガイドブックには13世紀とありましたが、石碑には12世紀後半と書かれています。そういう「統一された見解がない(わからないことが多い)」感じも中世の遺跡に惹かれる理由です。

ただ、実際寺院を見ると、ジャヤヴァルマン7世時代のものであることは明白です。前回見たプラサットチュルンの南東とほぼ対称になった建物と彫刻、下1/4くらいで彫刻が終わっている連子窓。

他にも上部が完成していない連子窓を持つ遺跡はいくつかあったので気になっていました。先日友人が来た時に、「あれが気になる。ネットを探しても理由がわからなかった」と言っていました。個人的にリスト化してみようと思います。

角地からはアンコールバルーン(気球)も見えました。

連子窓だけでなく、他の部分も建物上部は未完成だったようです。

ジャヤヴァルマン7世の急進的な仏教の時代に出来たこの寺院、後のヒンドゥー教の揺り戻しでリンテルの仏像がリンガに彫り直されたそうです。確かに、不自然なリンガです。
これが、ガイドブックには象のメダリオンと書いてあったのですが、どこが象なのか分かりませんでした。

謎の階段

プラサットチュルンの横に、新しそうな階段がありました。

多分安全だろうと思い、降りてみます。

おお、船着場です。そういえば、アンコールトムの環濠を手漕ぎボートに乗って観光するツアーがあると聞いたことがあります。

プラサットバイに行った時に、船に乗る場所が見えました。その時の記事です。

あそこで乗って、ここで降りて、南大門まで歩くコースなのですね、きっと。

桟橋に出てみると、環濠が一望できます。これはすごい
なんて穏やかな眺め

水生植物なんて今まで興味なかったのに、思わずしゃがんで写真を撮ってしまいます。生命力ある深緑の葉が重なり合っています。

さて、来た道を戻ります。実際に歩いた時には気づきませんでしたが、後から写真を見ると、階段状の段があります。南大門周辺だけでなく、環濠ぐるっと一周階段のようになっていたのかもしれません。

城壁は結構高いです。5mくらい?

これを進むと、今度は西大門に出るのですが、次回に。
来た道を戻ります。
大きな池に行く道を発見。看板が準備中なので間違いありません
すぐ池に着きました。
多分、更に向こうまで行けるはずなのですが、無理をしないで引き返します。
遠くにプノンバケン。美しいです。
プラサットバイの向かいの船乗り場、見えました!

南大門に戻ったら、今度は観光客だらけでした。今日はツアー客が多いようです。ちょうどアンコールワットの朝日を見た次の観光スポットなのかもしれません。

Sister Srey Cafe 朝ごはん

朝9時にはシェムリアップに戻れたので、久々にオールドマーケット横のSister Sray Cafeで朝ごはんを食べました。

F値を下げてボケを作ることにハマっている
F値開放 
菊の花は日本だと仏花ですが、カンボジアだと華やかなんですよね
ちなみにカンボジアの仏花は蓮の花です
スクランブルエッグ&ペストソース美味しかったです。お皿も素敵

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?