ナナ
あぁ、つわりがない、とかほとんど気づかない人って本当に羨ましい...。私は妊娠5週目から早速つわりが始まった。起きている間はずっと吐き気がして、胸にずっと重たーい石を乗せられているみたい。お腹が空くとさらに気分が悪くなる食べづわりだ。家に閉じこもっていると気持ち悪いことで頭がいっぱいになるから、梅干しおにぎりを何個も持ってなんとか出歩いた。 あるときは真夜中に急に気持ち悪くなってがばっと起き、「うどんを茹でてくれ〜」と夫を起こしたり、普段欲しがらないような「ジャージャー麺と
産後、入院中にもう一つ印象的な出会いがあった。 部屋で生まれたばかりの小鳥ちゃんと過ごしていたら、可愛いお嬢さんが「これどうぞ」と手作りのシフォンケーキを持って、小鳥ちゃんの着替えを部屋まで持ってきてくれた。なんと助産院にお手伝いに来ている子供らしい。 小学5年生?嘘でしょ?この佇まい、すごく落ち着いててしかもめちゃくちゃべっぴんさん...。お世辞じゃなく天使みたい。(ケーキもすごく上手だし...)思わず見とれてしまった。 妹さんの出産のときにこの助産院が大好きになった
ついに子育てが始まった。30数年自分のことばっかりしてきた自由な女に、常に気にかけなければならない大きな存在ができた。どうしよう、小鳥ちゃんは今不快じゃないか、気になって落ち着かない。ずーっとこれが続くんだ...。こんなに不安な気持ちは、小学校入学のときに引っ越しをしたとき以来だ。部屋に飾られたクリムトの絵『母と子』をぼんやり眺める。こんな女神みたいな母になれるかな私...。 不安でいっぱいの中、助産師さん達の存在が本当に心強かった。いつもは静かな院内も、お産や入院で忙しく
〜つづき〜 初めてのお産。通い慣れた先生のお家でということもあったし、お産の途中で先生が家事をしていたり(その間は他の助産師さんが付き添ってくれた)、家族がそばで見守ってくれていたり、産み出す痛みは壮絶だけど、自分でも安心して出産できたと思う。授かるまで苦労して、出産なんて人生の超一大イベント!って感じで気合入ってたけれど、お産っていつも通りの暮らしの中で迎える普通の出来事なんだな...。そんなあったかい環境で産めて本当によかった。 お部屋に移動して、家族水入らずの時間。
助産院に実家から母もやってきて、「ついにきたねー」なんて言い合って、ちょっとした親戚の集まりみたいだ。先生は夫に、ウィダーインゼリーとチョコレート、とにかくカロリーの高いものを買ってきてと頼んだ。出産の時、血糖値をガンガンにあげるといいそうだけど、大好きな甘いものも、何もかも今とても食べれる状態じゃない。助産院を調べてるとき、旦那さんにしがみついたりして陣痛を耐える写真を結構見たけど、私は陣痛の時男の人に離れてほしかった。先生ともう一人の助産師さんと母、3人で時間を過ごす。産
痛い。猛烈に、お腹から腰にかけて。これが陣痛か。痛過ぎて体がガタガタ震える。今までよりもっともっと強い痛み。ほとんど眠れていない。陣痛の間隔を計ると、もう5分を切っている。夫を起こし、準備してもらう。 私は着替えるのも顔を洗う余裕もなく、超微妙なユ○クロのパジャマ姿だ。この格好で出産か...。気持ちばっかり焦ってた割に準備が甘いなぁ私。 夫は意外にも落ち着いていて、いつものように焦らず歯を磨き仕事着に着替えてから車を出してくれた。この落ち着きがありがたかった。しかし痛すぎ
海外旅行中の妹から、また見事な虹アーチの写真が送られてきた。本当に希望を感じる!胸のあたりがスーッとクリアになるような。 家族内では「虹=小鳥ちゃん」が共通認識されていて、そろそろ産まれるサインかな!?とみんなソワソワ。事実、1日中前駆陣痛に悩まされてて、定期的に腰回りがギューーンと痛い。散歩中も何度も膝に手をついて立ち止まった。これは、本当に近そうだ。 夕方、先生に電話を入れ、日曜だったので夫と一緒に助産院へ向かう。あぁ痛い...。このまま一気に出産まで進みたいところ。
朝、「おしるし」に気づく。キタ!!!これが例のお知らせか〜。その日に陣痛が来る人もいれば、1週間かかる人もいるらしい。急にドキドキしてきたので、いつも通り散歩に出かけて落ち着くことにする。 準備はできるだけやってきたつもり。イメトレも充分!穏やかな出産がしたくて、さらにいうと「オーガズミックバース(気持ちのいいお産)」ができたら...☆陣痛が来たらとにかく息をゆっくり長く吐いて、体をゆるませること、これはヨガや瞑想もやっていたし多分大丈夫そう。一緒に頑張ろうね小鳥ちゃん!
とうとう出産予定日が来た。 眠気と食欲がものすごいのと、もともと敏感な嗅覚がより過敏になり、いつもの洗濯洗剤の匂いにムカムカ。すごい野生化してる感じ。 友達が「どう!?」と次々に連絡をくれる。予定日を覚えててくれて嬉しい。出産も近く気が立っていたけど、友達の一言でいつも通りの自分を取り戻せる。小鳥ちゃん、みんな待ってるよー!
検診の日。小鳥ちゃんは現在推定2900gほど。「子宮口が硬い。まだまだや。毎日3時間、4時間歩いてな。」と先生に言われる。う〜キツい!ていうか毎日こんなに歩いて頑張ってるのに、まだまだなのぉ??涙) おい小鳥、生まれてくる気はあるんか!早くも子供にイラついている自分に気づく。あぁなんと自分勝手。今からこれじゃあ、自分の都合でぶちギレる母親になってしまう! 自分が思い描いていた出産にならないかもしれない。こんなに沢山準備したのに結局病院で産むことになるかも。そう思うと一気に気
あと1ヶ月で出産予定日。お腹もかなり大きくなってきて、胃とかいろんなものが圧迫されて苦しい〜!夜寝る前は毎日夫と小鳥ちゃんをじっくり感じる時間。胎動はダイナミックで、「今足さわったー!膝かな?」「もう小鳥って感じじゃない、龍のよう!」結婚して何年も経つけど、こんな過ごし方は初めてでとっても新鮮。今日はなに食べようかな?と考えたり、ご飯の支度をしているときに小鳥ちゃんは待ってました!と言わんばかりにボッコボコ動いた。この子絶対食いしん坊...。 子供を持つことをずっと待ってて
妊娠した頃から、たまたま縁あって通っていたヒーリングサロンがある。妊婦さんにも安全なアロマオイルで、大きなお腹を支えて疲れた体をゆっくり全身マッサージしてもらう。ウットリ、、、そしてヒーラーのリエさんは、いろんな神様とか天使とか宇宙人とか亡くなった人とか、目には見えないあらゆる存在と繋がれるのだ。(世の中にはいろんな不思議な力を持った人がいますね☆) リエさんがチャネリングして受け取ったメッセージを伝えてくれて、その後、至福のアロマトリートメント。身も心も癒され、毎回やわら
「赤ちゃん、頭が逆になってるなぁ」 うそ!まだ逆なんだ! もう8ヶ月だけど、逆子になったままだった。毎日すごいグルグル動いてるのは感じるけど、検診の時にたまたま逆さまなだけ?お願い小鳥ちゃん、ひっくり返って〜!逆子だと助産院で産めないんだよ...。 先生に言われたように毎日逆子体操をして、二人で小鳥ちゃんに「頭はこっちだよ〜」と話しかける。妊娠前から通っていた鍼灸治療院にも行って、逆子治療をしてもらった。 「臨月でもくるっと回る赤ちゃんもいるから、まだまだ心配しなくて
ようやくつわりも治ってきたころ、温泉旅行を兼ねた安産祈願へ、夫と伊勢に向かった。近所の神社にももちろん行くけど、伊勢神宮ならさらに強力に祓えそうだ!お腹もだんだんぽこっと目立ってきて、初めて胎動をはっきり感じたのもこの旅行中。小鳥ちゃんも嬉しいのかな〜? 伊勢神宮の内宮で、腹帯を持って安産祈願をしてもらう。無事、安産で産まれますように。もう今の願いはそれだけ!平日で空いていたけど、あ、他にも妊婦さんだー☆新しい命が次々と産まれようとしてる。新しい未来だ。私たちとは全然違う時
〜つづき 先生のお叱りの言葉が頭でリフレインする。しっかりしなきゃ。太ってしまって困るのは先生でもなく、私と小鳥ちゃんなんだ。先生からの宿題は他にも色々あって、まず体は絶対冷やさない。(アイスなんて食ってる場合じゃないよな...)真夏も膝丈のスカートは短いと怒られた。そして毎日赤ちゃんとお話しして、親子の信頼関係を今から育んでおく。あとは毎日歩く!何時間でもひたすら、しかも早歩き・買い物の時間はノーカウント。これは後期、キツかった!体力がついてきてるのは実感したけど、毎日何
毎月の助産院での診察は夫婦の楽しみだった。病院と違って待ち時間もないし、じっくりエコーで診察してもらえて、小鳥ちゃんの様子を実際に見られる幸せな時間だった。ただ、ちょっと厳しい先生なんだよな〜...! 「あんたら夫婦喧嘩してないか?赤ちゃん全部聞いてるで。喧嘩してると赤ちゃんは自己肯定感が薄くなるねん」 「赤ちゃんと毎日話してるか?今なんて言ってる?」 と毎回チェックが沢山が入った。長いつわりが終わった頃、私が短期間で体重を増やし過ぎたことがあった。先生の顔つきが一気に