いよいよ会えるね 出産当日
痛い。猛烈に、お腹から腰にかけて。これが陣痛か。痛過ぎて体がガタガタ震える。今までよりもっともっと強い痛み。ほとんど眠れていない。陣痛の間隔を計ると、もう5分を切っている。夫を起こし、準備してもらう。
私は着替えるのも顔を洗う余裕もなく、超微妙なユ○クロのパジャマ姿だ。この格好で出産か...。気持ちばっかり焦ってた割に準備が甘いなぁ私。
夫は意外にも落ち着いていて、いつものように焦らず歯を磨き仕事着に着替えてから車を出してくれた。この落ち着きがありがたかった。しかし痛すぎて動けん!この状態で自分で歩かないといけないなんて。超スローペースで車に乗り込む。私は荒い息づかいで後部座席でずっと四つ這い状態。まるで獣!お願い、一刻も早く産院についてくれ...。
這いずりながら「先生きましたぁ〜...」と扉を叩く。内診してもらうと
「子宮口4cmってとこかな。今日中に出てきてくれたらええな!」
いよいよ、やっと出産の日みたいだ。
そういえば昨日までの咳はなんとか治まったみたいだ。もしかしたら小鳥ちゃん、ママの風邪が良くなるのを待っててくれたのかもしれない...。
自然とあぐらをかき、ふぅーっと呼吸をゆっくり吐いて、押し寄せる陣痛の波を越えていく。
「ヨガしてんの?ポーズカッコええなぁ」
「それまつエク??綺麗やん!」(マツパーです)
先生がいつも通り、普通に話してくれるから自然と笑顔が出る。
先生はずーっと腰を優しくさすってくれたりトントン叩いてくれたり、足を温めてくれたり、つきっきりでケアしてくれて、どれだけ安心したか...!今までに経験したことのない痛みの恐怖も和らいだ。先生がいるから絶対大丈夫だ。
「お産は命がけや。だからこっちも命がけで診る。」
先生が言ってくれたことを思い出す。
本当にここで産んでよかった、早くもそう思った。
〜つづく〜
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