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生と死のはざまで…天国へ行く途中の友人に届けた『時代』

少し前に97歳の叔母が亡くなったとの知らせを受けた。葬儀場が込み合っているため、葬儀はだいぶ先らしい。今年に入り二人目だ。身近な人の死は…

今年1月、高校時代の男の友人が末期がんで危ないらしいという知らせを受けた。卒業後も何かと集まる時の中心人物だったし、音源の編集などをお願いしたりと付き合いは続いていた。コロナで2年も延期になった同窓会がそのうち行われたら、その時再会できるものと思っていたのに。

亡くなる前日、何故だかわからないが「今聞かないと」と思い立ち、初めてlineをして「辛い時、聴きたい応援ソングは何?」と尋ねた。

その答えは思った通り、高校時代の同級生みんなの思い出の歌、文化祭で使ったテーマソングだった。その答えを聞いてやっぱり、時は流れても思いはあの頃と変わっていないのだなと妙に嬉しかった。                 

    その答えの返事に既読はつかず、翌日彼は亡くなった。

亡くなった次の日の午前中、悲しい知らせはグループlineで友人たちに届けられたが、その知らせを受ける前、出勤時にいつもと違う道を通ったら、「え、こんなところに教会があったんだ」と気づいた。その教会は今の仕事と繋がりがあると知ってはいたものの、どこにあるのか知らなかった。  

昼休みにlineで訃報を知り、仕事帰りにその教会に寄ることにした。   彼はクリスチャンで、教会で皆とお別れすることになるのだろうと思えた。      

教会に向かう道を歩きながら、彼が言っていた「辛い時に聴きたい応援ソング」をスマホで聴いて心の中で一緒に歌っていたが、信号を渡り教会が見えてきたところでスマホが全く動かなくなりフリーズしてしまった。電源は切れていない・・・

コロナの為礼拝堂は閉鎖されていて入れなかったけど、教会の外で彼の冥福を祈り、今までの感謝を伝えた。

教会を後にして、黄昏ていく街の夕焼け雲を見上げて、今までの友情の歴史を思い出しながら、

「もし魂が飛んでこれるのなら、なにか目印、気づきをちょうだい」とお願いした。「手を触るとか、頭をなでるとか」

以前雑誌の投稿で、親友同士がどちらかが先に亡くなったら、足の裏をなでるという約束をしていて、夜中に足の裏をなでられたら親友の片方が亡くなっていた、という記事があった。そんなこともあるのかもしれないと思っていたから何となくお願いしてみた。それを頼むのは、今しかない気がして…

思ったような反応はなかったが、心模様を聞いてくれている気がして、今まで冷たくしたこともあったけど、根暗な私にいろいろな気遣いをしてくれたり、優しくしてくれたこと、心の中ではホントは感謝していたと、道すがらずっと伝え続けていた。          

スマホは、自宅に戻り再起動するまで全く動かなかった。電車の周りにいる乗客は皆、スマホが使えていたというのに。

4日後は友人たちとのZOOMでの音楽会。公民館では始めていたものの、ZOOMでやるのはその時が初めてだった。私は自宅でキーボードを弾き、友人たち数名と歌を歌った。彼への最初で最後のlineでも、この会を行うことは伝えていた。                        

そしていずれ、病気や介護で悩んでいる人たちに その方の好きな歌を届けて歌ってもらいたい思いがあることも一緒にlineしていた。             

私はキーボードを弾きながら歌い、他のみんなにはミュートにしてもらい、各自聴きながら歌ってもらっていた。何曲か歌い進め、中島みゆきさんの『時代』を歌い終わった後、一人から問いかけがあった。

「『時代』を歌っていた時、 2番のあたりで急にボリュームが上がり雑音が入って、音声が乱れたけど、なんで?」と。

別に他の曲の時と何も変えていない、同じ状況で歌っただけ。ただ、この歌を知っている人はわかると思うが、生まれ変わりについて触れている歌詞があり、この曲だけ彼への思いを込めて歌っていた事が他と違っていた。

人は奇妙に思うかもしれないが、この時私は、            「亡くなった友人が聴きに来てくれたんだと思う。」とパソコンのZOOMの向こうの友人に伝えた。霊は、電気系統に出るという。義母が亡くなり夫の実家に駆け付けた時も、つけていたテレビがいきなり消えたことがある。

それから、霊感の強い森久美子さんの話のような不思議なことが次々と起こるようになったけれど、それは怖くもなく、不快でもなかった。

たとえば、『ゴーストバスターズ』の映画をテレビで観ていたら、突然テレビが消えて、暫くしてからまたついたりとか、葬式の日の朝、絶対に外れるはずのない肩から下げるスマホケースの金具が外れて、スマホが地面に落ちたりとか、誰かが金具に手をかけ引っ張ったとしか思えなかった。

周囲に誰もいなかったのに。

  「リクエストの答え、目印・気づきだよ」と示してくれたようだった。


今までも不思議なことが沢山あったことを思い出し、昔の日記や手紙や手帳を読み返してみたら、それを誰かに伝えたくなり、その手段としてnoteを始めたのだった。

人生を振り返ってみたら、人とうまく交流できなかった昔の自分が、相談業務に就き長年にわたり人の話を聴き、人の支援をし続けて来れたこと、成長した自分に改めて気がつくことができた。

振り返りは、素敵な人生のターニングポイントになり、自分の人生に自信が持てるようになった。そんなきっかけをくれてありがとう。       いつかまた生まれ変わって戻ってくるのでしょう?

だから寂しくないよ。     

               天国の君へ



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