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【全文無料】Crossfaith AЯK Japan Tour 2024@奈良 EVANS CASTLE HALL 2024.08.09(Fri)

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"やったーーー!!!"

暗くなったフロアに怒号を響かせる一人の観客。裸繪札、Knosisとバトンを繋いで遂にステージへ降り立つCrossfaithへ、期待を込めた雄叫びだ。
しかしその可愛らしい発言に相応しくないドスの効いた声に、思わず笑いが溢れてしまう。

その雄叫びを皮切りに、「The Final Call」と共に次々とステージに現れるCrossfaithのメンバー達。雄大に旗を掲げたKoie(Vo.)が最後に姿を見せると、本アルバム「AЯK」よりリード曲、「ZERO」から幕が開けた。

観客は各々一糸乱れぬヘドバンをまき散らし、その光景に魅了される。と思いきや続けて「HEADSHOT!」を投入し、先ほどまでの統率力はどこへやら。体を四方八方に投げ出しぶつかり合う観客。その光景はまさしく"Fire up yourself"である。

"今日初めての奈良なんですけど、みんなでジャンプできますか!?"
と煽りを入れ、「L.A.M.N」へスイッチする。まだ三曲目なのにも関わらず、ジャンプのしすぎ、頭の振りすぎでフロアは既に酸素不足だったことを覚えている。

あまりに息が切れぎれだったので、(あ~そろそろJägerbombとかでサークル作って、酸素供給してくれないかなあ…)とぼんやり考えていたら、マジのマジでこのタイミングで「Jägerbomb」が来たものだからめちゃくちゃ笑ってしまった。Jägerbombで生み出されるサークルは本当に物凄い速さで、いわば人間扇風機なのだ。ガチで。
といいつつ、観客もこの曲が来れば体を動かさずにはいられないので、結局は再び酸欠に戻ってしまうのだが。

ぜぇぜぇ息を切らしている観客を目の前に、Koieがマイクを握る。本日対バンで呼んだ裸繪札に言及する。
"裸繪札やばかった?見てたんやけど、(フロアの)前の方で「えぇ…」て戸惑いながらも「うおぉー!」って盛り上がってるの見ると、もうなんかオーガズムを感じんのよ!"

少し光景が想像できるので笑ってしまう。著者も裸繪札のライブには今回を含め三度ほど参加しているのだが、毎度音圧が凄すぎて、途中からマチコ(Vo.)が何を言っているのかわからなくなるタイミングがある。しかし彼のフロントマンとしてのカリスマ性がすべての疑問を吹っ飛ばし、彼らのライブに身を委ね、音楽に引き込まれることしかできなくなるのだ。

そうして対バン相手の話を挟みつつ、今宵もKoieの酒缶が気持ちの良い音を立てる。これぞCrossfaithのライブ。
酒でオーガズムも感じつつ、(Teruが粗相をして曲順を間違えつつ、)ライブは後半戦に突入。MCで落ち着いた空気に、「Rx Overdrive」で再度火を点ける。

ここからは再度AЯKから続けざまに二曲を披露。「My Own Salvation」で心地の良いシンガロングをフロアから引き出す。そして皆大好き、「DV;MM¥ SY5T3M…」を投下。今作で最もヘビーと言っても過言ではない、腹を打つサウンドに興奮を隠しきれない。
ミラーボールが美しくフロアを照らして、さながら銀河のような光景を生み出した瞬間にフッと放たれる "気持ち悪い" で地獄のようなブレイクダウン。この落差にシビれる!あこがれるぅ!

何かが憑依したかのように、虚ろな目をしたKoieの背から響くは「Countdown To Hell」。地獄を形容するかのように、はたまた血しぶきを形容するかのように、深紅に染まったフロアに人の渦を作り上げた。

そしてここからは再度MCタイムに突入する。
奈良でのライブは今回初めてということだが、奈良はCrossfaithの楽曲制作を行うスタジオがあるようで、もう十年以上の付き合いだとか。実際、今回のアルバム「AЯK」も奈良で合宿をし、制作をしたという。

そして各メンバーもそれぞれトークを振られる。

Teru(Prog, Vision)は対バンのKnosisと裸繪札に触れ、"あいつらバキバキやん?俺らもバキバキでいくから!" とフロアを沸かし、コンパクトにトークをまとめる。

Koie曰く "MCにも慣れて、俺並みによく喋るから気をつけろ" というTatsu(Dr.)は、自身の幼少期の奈良での体験(ゴダイゴの奈良・東大寺公演)に触れ、
"ゴダイゴのライブの時、東大寺の大仏の顔が、ぱっかーんて開いてさ…"
"(以前日光山輪王寺でライブをしたことから)俺らもそのうち東大寺で…" 
と完全に観客の笑いのツボを刺激するトークを展開した。

Daiki(Gt.)は奈良でのAЯK制作時を振り返る。
Crossfaithの加入を提案されたタイミングが、アルバム制作も終盤に差し掛かり皆でご飯を食べている時で、突然Teruから切り出されたらしい。
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Daiki:Teruが、"Daiki、Crossfaith加入してくれない?" って…。俺、ブフッてなってさあ。
Koie:俺らも、"え、Teru今!?" ってなって…。
Teru:いや、プロポーズとかもさあ、さりげないときに言うっていうじゃん。
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こんなやり取りがステージ上で巻き起こり、フロアに笑いがもたらされる。
また、このAЯKツアーで頻繁に披露しているAЯKポーズに話題が移り変わる。
"そういえば、奈良ってことで鹿にもAЯKポーズをしてみたんだけど、何も反応なかったんだよね。まあ、「しか」たないってね"
と綺麗なオチをつけて、自身のギターをジャーンとかき鳴らす。それに対し即座にツッコむKoie。
"いやギターずるいな!俺もスベった時用にみょみょ〜んみたいな効果音ほしいわ"
延々と見ていたいCrossfaithの漫才。これだけ見ると、もしかしたらCrossfaithってトークライブできるんじゃないか?と思わされる。

そしてMCのラストを締めくくるのはKazu(Gt.)。
"初めましてーCrossfaithです"
いつも通りカジュアルにトークが始まる。このゆるさがKazuの魅力だ。
"Crossfaithと鹿といえば?"
と呟き、懐から取り出したるはイエガーマイスターの小瓶。そう、イエガーマイスターの小瓶には鹿の絵がプリントされているのだ。
その小瓶をおもむろに開け一気飲みをし、観客からは歓声と拍手が上がる。
これにはKoieも "ちゃんと用意してるやん、俺今日何話せばいいかなあ~って本番前に言ってたのに" とにっこりだ。

そんなほんわかMCに別れを惜しみつつ、ライブはラストへのカウントダウンを刻み始める。
キラーチューン「Omen」を挟み、場の仕切り直しをする。MC中にHPを回復したものだから、観客のまあ動くこと動くこと。すぐにまた酸素が追い付かなくなる。

続けざまに「God Speed」で更にライブの勢いを最後に向けて加速させていく。奈良ということで、お茶目に鹿の角を頭に装着したDaikiとKoieも登場し、ここでも観客の笑顔を引き出す。

アンコールではSEからフロアを沸かす。「IF YOU WANT TO WAKE UP?」の美麗な音色が会場全体に響き渡ると同時に、怒号のような歓声が轟く。
それにつられるかのように、Tatsuがステージダイブをかまし真のクライマックスがスタートした!

アルバム「The Artificial Theory For The Dramatic Beauty」から「MIRROR」で燃料を投下した。著者のライブキッズ魂に燃え移り、理性とかいろんなものを投げ出してフロアの中心に殴り込みに行ってしまったことだけ覚えている。

ライブを締める前に、ひとまずめちゃくちゃになったフロアを整理するお時間をくれるKoie。
"Koie!!" と大声で叫ぶ観客に対して、"声でかいな!ボーカルやった方がいい" とツッコミを入れつつ、"俺が叫んだろうか?" と煽り、マイクを手放し素の声で ”こいえー!!” と叫ぶKoie。謎タイムである。
実際まじでKoieの素の声は比にならないほどでかく、"俺、メンバーからも声でかいって言われるからな" と再び一笑いを起こす。

そして、アンコール最後の曲を迎える前に、AЯKの制作や、新メンバーDaikiとの思い出を振り返るKoie。
一時期は解散も考えたというCrossfaith。しかし、そんな葛藤の時期を乗り越えて今この瞬間がある。もう誰にも、この場所を奪われたくないと訴える。

そんなバンドとしての思いの丈を紡いだのちに、力強くこう宣言した。
"来年の2月の1日と2日、バンド史上最大のフェスとワンマンやります。日本の他のバンドにはできないくらいのものにします。絶対にみんな、来てください。よろしくお願いします!"

観客の拍手と温かい声に囲まれながら、"照らしてくれ!" との掛け声で、スマートフォンの光と共に始まる「Afterglow」。
"お前らの光が幕張への道標になるから!"

残光に別れを告げ、幕張という未来を見据えているCrossfaith。
スマートフォンの光が消えていくのと入れ替わるように、ステージのKoieを照らすまばゆい照明の光。それと共にKoieから放たれる "飛んで来い!!"
スマートフォンの光が幕張への道標と彼が言ったように、今度はKoieを照らす光が観客にとっての道標になってくれる。
その光をめがけて、ラストの曲「Canopus」で多くの観客が人々の頭を跳躍していった。

全曲終了後、鳴りやまない拍手。
ステージ上では、Daikiも入った五人体制でのお辞儀エンドで、CrossfaithはAЯKツアー奈良公演の幕を閉じた。

<セットリスト>
1. The Final Call
2. ZERO
3. HEADSHOT!
4. L.A.M.N
5. jägerbomb
6. Rx Overdrive
7. My Own Salvation
8. DV;MM¥ SY5T3M…
9. Countdown To Hell
10. Omen
11. God Speed
12. IF YOU WANT TO WAKE UP?
13. MIRROR
14. Afterglow
15. Canopus


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