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小説《魂の織りなす旅路》

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光たちからのメッセージ小説。魂とは?時間とは?自分とは?人生におけるタイミングや波、脳と魂の差異。少年は己の時間を止めた。目覚めた胎児が生まれ出づる。不毛の地に現れた僕は何者なの…
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#僕

連載小説 魂の織りなす旅路#14/7年分の涙⑴

連載小説 魂の織りなす旅路#14/7年分の涙⑴

【7年分の涙⑴】

 「こんにちは。」

 大学図書館の裏庭で本を読んでいた僕は、頭上から降ってきた突然の聞き慣れない声に驚き、体をビクリと痙攣させた。

 「驚かせてごめんね。あなた、いつもここで本を読んでいるでしょ? ずっと気になっていて。思い切って声かけちゃった。」

 本から目を外した僕は、彼女の人懐っこい笑顔にどぎまぎしながら、ぎこちなく答える。

 「ここは人気がなくて静かだから。」

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連載小説 魂の織りなす旅路#15/7年分の涙⑵

連載小説 魂の織りなす旅路#15/7年分の涙⑵

【7年分の涙⑵】

 陽が傾き空が赤く染まり始めたころ、折り畳み椅子を閉じた彼女は

 「ああ、ほんと! ここでの読書は気持ちがいいね。私もハマりそう。」

と背伸びをした。そうして折り畳み椅子を畳むと、また来るねと手を振り去っていった。

 以来、彼女は週に2回ほどのペースでここに来ている。初日に持ってきた簡易の小さな折り畳み椅子は、早々に、座り心地が良さそうな背もたれのある折り畳み椅子に代わり

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連載小説 魂の織りなす旅路#52/目覚め⑴

連載小説 魂の織りなす旅路#52/目覚め⑴

【目覚め⑴】

 《目を開けて》

 僕は閉じていた瞼をゆっくりと開く。眼下に見渡す限りどこまでも続く乾いた赤土と、葉もまばらな低木が点在する不毛の地が広がっている。あれからどれくらい経ったのだろう。ほんの一瞬前のようにも思えるし、何時間も前だったようにも思える。
 僕は洞窟で目を閉じた。今はどこかの高台にいるようだ。遥か下方に360度見渡す限り不毛の地が広がっている。

 なんだろう。何かがおか

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連載小説 魂の織りなす旅路#53/目覚め⑵

連載小説 魂の織りなす旅路#53/目覚め⑵

【目覚め⑵】

 《目を開けて》

 ほどなく脳裏に柔らかな声が沁み渡った。僕は両腕を緩めると、その隙間から怖々と周囲をうかがう。足はもう宙には浮いていない。直径50センチほどの丸みを帯びた光が赤土の上に鎮座し、僕の目の前で大きくなったり小さくなったりしながらホワンホワンと光っている。これはさっき遥か彼方に見えた光だろうか。どうやら僕は瞬間移動したらしい。

 《触れてごらん》

 《触れてごらん

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