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小説《魂の織りなす旅路》

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光たちからのメッセージ小説。魂とは?時間とは?自分とは?人生におけるタイミングや波、脳と魂の差異。少年は己の時間を止めた。目覚めた胎児が生まれ出づる。不毛の地に現れた僕は何者なの…
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#焦燥感

連載小説 魂の織りなす旅路#36/時間⑴

連載小説 魂の織りなす旅路#36/時間⑴

【時間⑴】

 炎の変幻自在な動きに、魂の波動が共鳴する。この波動が身体のあらゆる組織を振動させると、私は物質世界からの解放を感じて恍惚となる。
 本当は、休日のたびにひとりキャンプがしたいのだけれど、女性のひとりキャンプは危険がつきものだ。危険を回避するために、キャンプ場で人の多い場所を選ぶなど本末転倒なので、休日のたびにとはいかないけれど、私はグランピングを利用している。

 「これは夜にお勧

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連載小説 魂の織りなす旅路#37/時間⑵

連載小説 魂の織りなす旅路#37/時間⑵

【時間⑵】

 「私も焦燥感に駆られることはあるけれど、周りの人を見ることはないなー。」

 「えー、そうなの? 気にならない? 耀(ひかり)の仕事なんて、すごい人がたくさんいそうじゃない。」

 「だからかな。すごい人がたくさんいすぎて、そんなのいちいち見てたら、何にも手につかなくなっちゃうよ。」

 焚火がパチパチと心地よい音を立てる。

 「同じくらいのレベルの人もたくさんいるけれど、そんな

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連載小説 魂の織りなす旅路#39/時間⑷

連載小説 魂の織りなす旅路#39/時間⑷

【時間⑷】

 「この世界の仕組みねぇ。宇宙の時間も?」

 栞はよくわからないという風に首を傾けた。

 「うん。人間が関わる限り、そこには刻まれた時間があるんじゃないかな。宇宙ロケットにしたって刻まれた時間がなければ、きっと飛ばせないよね。
 宇宙に限らず、人間社会に必要なさまざまな技術は、刻まれた時間というツールを使って生み出されているんだろうから、道具としてはね、刻まれた時間は必要なんだ

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連載小説 魂の織りなす旅路#40/時間⑸

連載小説 魂の織りなす旅路#40/時間⑸

【時間⑸】

 「刻まれた時間から自分を守るって、大切なことだよね。」

 私がぼそっと小さく呟くと、栞が

 「自分を守る?」

と身を乗り出してきた。

 「うん。刻まれた時間に身を任せていると、自分が自分じゃなくなっていく気がしてこない? もちろん、刻まれた時間に合わせなければならないこともあるけれど、それだけに始終しているとね。」

 栞は大きく目を見開くと、こくりと深く頷き、早口で喋り始

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