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ボイトレ講座2017中期

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声楽、合唱、ボイストレーニングについて書いています。
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#オペラ

(才能と基礎の基準)
声楽の教授と同じやり方では上達しません。声の成長段階の基礎部分が1~10まである場合、教授は才能が多めなのでスタートラインが8や9です。1~7の部分でどのような操作・作業・制御が必要なのかを知識と実践で習得する必要があります。天才は凡才の気持ちを知りません。

(軟口蓋の開き)
軟口蓋は開けません。また閉じるでもありません。両方を同時に同量行います。基本的に声道を狭く感じながら練習し、少しずつ最適な狭さを探します。この最適な狭さは、母音・子音と母音の組み合わせ・音程・言語などの状況に応じて変化します。開けるとは最適な狭さを探す調整です。

(直線的な声)
続き…などは、様々な角度から喉頭を鍛えます。きれいな発声練習の延長線上にきれいな声はありません。あるとしたら息で逃がした脆弱な声です。発声練習では段階に応じた「汚い声」の練習が良い結果につながります。

(自然と不自然)
アッポッジョは楽器作り。発声の基礎はある意味で表現との隔たりがある。無機質であり、無感情な作業を経過する必要がある。感情が声になるという発想は段階によるので慎重に判断するべき。発声に自然を求めると基礎に不安要素が残る。発声は不自然であり、建築物の基礎といえる。

(口からか鼻からか)
ブレスは口と鼻どちらでも良い。音と音の間で時間が無いときは口からで、それ以外は鼻で行うみたいな感じで良い。ブレスで大切なことは口とか鼻では無く、空気を一瞬でつかむという意識。口や鼻の直近の空気は”吸う”意識を持つと深く吸えない。吸うではなく、つかむと良い。

アッポッジョは”相互支持”。”支える”という発想は一方に力が流れる可能性があるのでやや不適切。

(呼吸と声の支え)
声の多くは呼吸が決めるが、特に重要なのは吐く息(呼気)といえる。息を吸う段階での差もそれなりにあるが、息を吸ったあとに止める力を使えるかが大切であり、支えとは”止め(呼吸の停止)”を含ませるための技術。発声時の吸気筋は吸気よりも呼気による発声時に活躍する。

(にわとりの首を絞めた声)
喉に力の入った声を”にわとりの首を絞めたような声”という感じで否定する人は多い。しかし、この声は部分的に正しい。発声の練習では様々な角度から締め付けた声が必要。緩めるのではなく、固く締める。この締め加減を偏りなく鍛えると発声に最適な喉頭になる。