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ボイトレ講座2017中期

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声楽、合唱、ボイストレーニングについて書いています。
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2017年7月の記事一覧

(口からか鼻からか)
ブレスは口と鼻どちらでも良い。音と音の間で時間が無いときは口からで、それ以外は鼻で行うみたいな感じで良い。ブレスで大切なことは口とか鼻では無く、空気を一瞬でつかむという意識。口や鼻の直近の空気は”吸う”意識を持つと深く吸えない。吸うではなく、つかむと良い。

アッポッジョは”相互支持”。”支える”という発想は一方に力が流れる可能性があるのでやや不適切。

(性格と高い声)
高い声を出すためには性格が大切。狂気を引用する性格が高い声を可能にする。常識的な感覚のままだと喉を保護するために最高音の手前の手前ぐらいで、自分から無意識的に出すことをやめてしまう。喉の保護は声道全体と首の筋肉で行う。高声は”出せない”より”出さない”人が多い。

(呼吸と声の支え)
声の多くは呼吸が決めるが、特に重要なのは吐く息(呼気)といえる。息を吸う段階での差もそれなりにあるが、息を吸ったあとに止める力を使えるかが大切であり、支えとは”止め(呼吸の停止)”を含ませるための技術。発声時の吸気筋は吸気よりも呼気による発声時に活躍する。

(にわとりの首を絞めた声)
喉に力の入った声を”にわとりの首を絞めたような声”という感じで否定する人は多い。しかし、この声は部分的に正しい。発声の練習では様々な角度から締め付けた声が必要。緩めるのではなく、固く締める。この締め加減を偏りなく鍛えると発声に最適な喉頭になる。

(声と息)
発声時の吐く息(呼気)を減らせば減らすほど圧縮は高まり、声は楽器的になります。クラシックの発声は息の圧縮及び最少化という技術が必要になります。ポップスの発声では、呼気は適度に増やす必要があります。呼気による余白の部分が言葉の表現になり、息づかいが歌手の個性になります。

(発声とブレス音)
発声練習では意図的にブレス音をたてて練習してみると良い。ブレスのときに音(喉の雑音)が発生しないということは、喉に隙間がある、または開き過ぎている可能性がある。発声は最適な狭さが大切。この狭さを確認する方法がブレス音であり、喉の雑音。

(声の成長と時間短縮)
(続き3)それでも5~6年の時間がかかるのが声の成長といえる。本を読んでレッスンを受けるための素直さが大切。自分の力にこだわる時期に他人のアドバイスを素直さで受け入れ声を磨く必要がある。歌の才能とは素直さだと思う。

(声の成長と時間短縮)
(続き2)声の成長時期を失うことになる。成功者の中には独力を強調する人も多いが、それは成功者のみが言っているだけのこと。失敗者は独力について語らない。歌や声は時間をかけない方が良い。効率化を目指し、時間短縮する必要がある。それでも(続く)

(声の成長と時間短縮)
前にテレビで高校生が「自分の力のみで声に磨きをかけたいので他人から歌は教わりたくない」といっていた。気持ちは分かるし、そのように考える人は多い。日本人の特徴のようにも感じる。他人から教わらない、自分の努力のみで歌を追求する姿勢は人生の中で大切な声の(続く)

(第一パッサッジョの消失)
声質の軽い方は第一パッサッジョが消える、あるいは感じなくなる時があります。中音域から高音域に至る際の圧力が高まる過程と感じてしまう場合があり、その場合は第二パッサッジョで急に呼気圧を高めようとしてしまいます。重さ与えた発声練習の方が丁寧に鍛えられます。

(姿勢と声)
姿勢と声はあまり関係が無い。しかし日本人は姿勢に精神的な態度や気合いなどを求めるために不必要な姿勢で歌う場合が多い。特に合唱のきれいな姿勢は声に良いか疑わしい。
発声の姿勢で大切な人体の筋肉の部位は、胸・首・脇腹・背中。手足や腹直筋は自然にして良い。

声の個性を追求すると歌の習得は遅れる。声の練習は楽器を作るように地道さと正確さで行うと良い。声に対して何か特殊な現象や神秘、奇跡を期待すると下手になる。声は物理と体育の複合。非常に現実的な技。