本日11/16発行「いちばんやさしいEC担当者の教本」~人気講師が教える新任1年目に身につけたい実務と知識~
株式会社インプレスより、人気の「いちばんやさしい教本」シリーズとしてECの基本知識と基本的な考え方の書籍「いちばんやさしいEC担当者の教本 人気講師が教える新任1年目に身につけたい実務と知識」 単行本(ソフトカバー)を、株式会社フラクタの南茂理恵さんと共著で出版いたしました。
■書籍のご案内 11/16出版:
「いちばんやさしいEC担当者の教本」
~人気講師が教える新任1年目に身につけたい実務と知識~
株式会社インプレス https://www.amazon.co.jp/gp/product/4295015202
★新任者が業務を一通り把握・理解するため、中堅担当者が業務を再確認したり守備範囲を広げるため、そして事業担当者や経営企画がECをビジネスとして始めるためなど。
★フレームワークから、業務と業務をつなげてECを有機的に理解し、成長するために役に立つ内容を網羅しています。
いちばんやさしい、という名前を持ちながら、共著者と編集さんの当惑をよそに、書き進めた結果、おそらく一番詳しいECの本になったのではと言われています。
表向き、新任者向けではありますが、EC担当になってから数年たった人・中堅、これからビジネスとしてECを始める人までの対象となっています。以前、インプレス社のネットショップ担当者フォーラムで連載していた「EC部長が担当者に読んでもらいたいこと」シリーズの内容もさらに詳しく入っています。
おそらくですが、社内研修の教本の定番になるとおもっています。私も来年の大学の講義で教科書として使おうかと考えています。
ご興味、ニーズのある方に、ぜひ、一読いただければ幸いです。
どのような意図かということは、本書の「はじめに」に書いていますが、その原稿を下記に掲載いたします。
■はじめに■
ECはキャリアップに役に立つ・位置づけはあがる
ECに関して不安そうな方に著者がいつもお話しているのが、「他のビジネスと違って歴史の短いECでは、業務は割と早く身に付きます」ということです。そして、「本人たちには自覚がなくても数か月、長くても1年やっていれば、EC業界では標準的な業務レベルに達しますよ」とも。
EC未経験の多くの方は、次のように思っているようです。
・システムが絡むのでよくわからない。
・経験がない、経験者がいないのでうまくいかない。
・特殊用語が沢山あるのでわからない。
しかし、関わってみると、やることは多いけれど、一つ一つは言われるほど難しくはありません。そして、EC業務を経験すると次のような恩恵もあります。
「EC経験者の就職は売り手市場。それも、少しでも経験があれば」
そう、自身の市場価値を上げる分野でもあるのです。そして、外部からの採用が難しいということは、今いる社内で位置づけは上がってくるはずです。さて、ECを勉強して、実務を始めるモチベーションは湧いたでしょうか。
誰に一番効く本なのか
本書は、EC全体をとりあえず知っておこうという人、EC部門にこれから配属される予定の方、配属された方、そして、ECをこれから始めようと思っている人を対象に、実務に基づいた解説をしています。EC業務について、何が何だかわからないといった方は、まず、本書を通読してみてください。
また、ベテランのECの責任者が、メンバーに知っておいて欲しいといった内容の多くもカバーされているはずです。
そして、よくあるのが、EC実務をある程度経験してきた人も、自分のやっていることに対してなんだか不安げということです。歴史も浅く、普及した教育も、業務の標準化も十分でない分野のため、EC界隈ではよくあることです。そんなときの疑問や課題に共感したり、腑に落ちるような解説も本書できっと発見できます。
基本と実務から網羅された本書の内容は、これらの皆さんに間違いなく役に立つことでしょう。
なぜECの知識が重要になっているのか
既にECは人々の暮らしの中でなくてはならないものになっています。社会の情勢もECの成長を後押ししていますし、人々がECを使わざるをえない状況を生み出しています。結果として、利用者としてだけでなく、まだまだ不十分とはいえ、仕事としてECに関わる人も速いスピードで増えています。そのために、なんらかのEC教育は必要ですし、知識は身に着けていかねばなりません。
また、ECに関する耳障りのいい話があふれています。始めれば簡単にうまくいくと思われていますし、また、そう考え始めた会社も数多くあります。果たして、本当にそうなのでしょうか。そのようなあいまいな情報の判断のためにも、知識は必要となっています。
なぜ本書が書かれたのか?
社会でのECのニーズが高まる中、ECに関する書籍は、全般を網羅したものというよりも、ちょっと変化球的なものが多いようです。ECの業務をトピックス的に取り上げた書籍はあっても、その間を埋めるような考えや流れを解説していたものは少ないといえます。
ECの業務といっても、ECのシステム、ECのMD、ECの物流、ECの制作など多くが存在ます。ビジネスのファンクションに「ECのための」という言葉をつけると、ほとんどの役割がEC業務になるといってもよいでしょう。そのため、ECをマーケティングなどのように、単一の機能と考えている人には、非常にわかりにくくなっているようです。本書は、それらの基本を解きほぐし、流れに沿って一つ一つ解説してしているため、「いちばんやさしいシリーズ」と言いながら、内容が多いものとなりました。
そして、「基本知識」に加え、「基本的な考え方」をできるだけ解説しています。例えば、サッカーなどの球技での、単にルールの説明ではなく、より高いパフォーマンスが出すために、常に重心を低くしていつでも動けるように、といった考え方です。
つまり、本書は、「基本」が身に着けば、ECは、もっとうまくいく、もっと成長できるという考えを意図しています。
事業者側の実務経験者によって書かれている
このような意図の根底には、ECの本もさまざまな種類のものが出版されていますが、EC事業者経験で書かれたものが少ないということもあります。本書は、長く複数のECに事業者側としてかかわってきた中島と事業者に寄り添った支援をしてきた南茂さんが、それぞれの経験をベースに、EC担当者の助けとなればという思いで書いたものです。内容として、実際のEC事業の実務経験してきた視点から、ECの基本的な知識と考え方、ECにおける業務と役割、各業務の詳細、特に企画や集客、構築、そして、運用業務、更にEC界隈の新しい考え方などを解説しています。
変化の激しい、不確実なビジネスだから基本が役に立つ
急成長して目立つ分野なので、華々しいところばかりに注目してしまい、本来の成長の基盤となる業務や基本の考え方がおろそかになっているEC事業者をよく見かけます。
一言にECと言っても、商材の種類、メーカー直販なのか小売なのか、現状の規模はどのくらいなのか、目指す規模はどのくらいなのか、スタートしてすぐなのか数年経っているのか、EC専業の会社なのか、既存事業のある会社のECなのか、既存事業との売上規模の比率などで、取り組み方、成長のさせ方が大きく違います。そのすべての方法をケースごとに詳細に解説していくことはできません。そして、そのようなものがあったとしても、変化の激しい分野では、状況がかわれば具体的に書かれているものは、すぐに意味をなさなくなります。そのため、まずは変わらない「基本的な知識と考え方」を身に着けることが状況にあったパフォーマンスを発揮できるし、その上で、新しい事案に取り組むことができるということです。
改めて、本書のベースにあるのは、基本をしっかり身に着ければ、目先のことに手を付けるよりも、うまくいく、大きく成長できる。その上で、新しい状況、ツール、トレンドをしっかり判断して、取り入れて、成長に結び付けていけるということです。要は、変化の激しい、VUCA(不確実性が高く将来の予測が困難な状況)の時代のなかで、海図ではなく、コンパスとなるECの最低限の基本が重要なのです。
ECの専門家であることに加え、共著者の二人ともが、新しいことの立ち上げ、急成長の実現のプロということもあり、その視点が織り込まれた内容が、ECを学ぶ上で少し奥行きを感じていただけるのではと思います。
著者としては、本書を手に取った皆さんのお役に少しでも立て、不安を乗り越え、不確実な状況を切り開き、ECビジネスをリードし、大きな成長に向けて活躍されていくことを心より期待しています。
最後に、私の不手際で長丁場の執筆となってしまいましたが、共著の南茂さんとインプレスの編集の方とでなんとか本書を皆さんのお届けできることをうれしく思っています。あとは、どこまで、皆さんのお役に立てるかが楽しみです。
2022年11月
中島郁
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