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私が地方移住・地方転職を決めたときのこと①

最近地方を目指す若い人が増えているのを感じます。

もともと私がマーケティングリサーチの仕事をしていたこともあり、

移住後に、地方移住関係の調査事業を副業としてやらせていただいた経験があるのですが(副業の話はまた今度)

地方を目指す若者は増えているし、住まい方も働き方も多様化しているなあと。

しかし、地方移住といってもそれを実現させるには家族、仕事、収入・・・と越えなければならないハードルがたくさんあります。

わたしも

「移住後の仕事どうしよう?」

「収入が減ってしまう不安」

「このまま会社で働いたほうが将来安定」

「出産育休もしっかりとってから、3年後くらいに移住したほうがマイホーム貯金もできる。あと3年は耐えるべき?」

「家族はついてきてくれるのか?」

「大手メーカーの肩書きを捨てるのってもったいない」

などたくさんの悩みがあり、考え、悩みました。

私が地方移住を決めるまでのこと、決めたあとのこと。

それぞれの段階において、私がどんな風に考えて、どのように決めてきたのかを書くことで、

いま都会で働き暮らしながらも、地方に飛び込むかどうかを迷っている同年代の人たちを、ほんの少しだけでも応援できれば、何かのヒントになればと思います。


はじまり:地方移住を最初に意識したときのお話

地方移住、地元にUターンをしようと思ったのはもうかれこれ大学4年生の時。祖母の具合が悪く、大学の単位はほぼとっていたので残すは卒論だけだった私は2ヶ月くらい地元に帰り、祖母の看病をしていました。

お盆と正月の短い帰省とは違い、数ヶ月地元で暮らすことで気づいたのが、びっくりするくらいに閑散とした町のシャッター商店街でした。よく見ると、町のど真ん中のメインストリートに人っこひとり歩いちゃいません。

「あれ、こんなに寂しい町だったっけ?」

そうか、私のふるさとも過疎化しているのか。と町の課題を自分ごととして初めて捉えたのがこの時でした。

では、どうして過疎化しているのか?

それはとても単純で、町を出て行く若い人たちが多いから。私も町を出て行く若者のひとりでしたし、私の友人もみんな町をでていました。

そうか、私(のような若者)が�出て行くから、町は過疎化していくのか。

不思議と町を過疎化させる加害者のような気持ちになってしまいました。

そして同時に、

「いつか地元に帰ってこよう。そうして私の同世代の人たちが戻れる町にしよう」

と思いました。

これが地域・地元を意識した最初のきっかけ。

しかし、すでに自動車メーカーの商品企画部門の内定もでていたし、地元に戻って何かをするならまずは力をつけなければと考え、2009年の春に自動車メーカーに就職しました。



地方移住の準備フェーズ:東京でできることから始めてみる

「いつか地元に帰ろう」と思いながらも、日々の仕事に熱中し、忙殺されてあっという間に4年が経過。

「あれ?私地元に帰りたいと思っていたはずなのに、何もしていない。何も決めていない。」

とただただ日々に流されている自分。

そして、おそらく何もしなければこのまま流されてさらに3年5年と経ってしまいそうな予感。そんな危機感を感じ始めていたころ、Microsoft主催の47都道府県DAYというイベントを知りました。自分の地元というとさすがに小さな町すぎるので、都道府県くらいの広さで、東京にいながらできることをはじめてみようかなと軽い気持ちで参加。

そこで同じく北海道から上京した道産子のひとたちと知り合い、彼らが企画する北海道関係のイベントにボランティアとして参加するように。受付のようなライトなものから、北海道の自治体の観光モニターなど踏み込んだお仕事までをお手伝いさせていただきました。

後に振り返るとここで非常によかったことを以下にまとめます。


・地元、地域のために何かをしたいと考える似た志を持つ仲間ができたこと

中心になって何かをいきなり始めるのは正直しんどいし不安も大きい。まずはボランティアとか小さくお手伝いするところから始めるので十分


・実際に移住していく人たちを間近で見ることができた

その北海道コミュニティの中では、中心人物があれよあれよとUターンしていきました。私が「いつか地元に帰りたいです~」なんてふんふんとぼやいている間に周りの人がどんどんUターンに向かっていくのを見ていると本当に羨ましかった。そんな羨ましがってる自分に気づいた時に、

「ああ、自分はやっぱり地元で働きたいし、そろそろ帰りたいんだな。」

と感じました。facebookで移住した人たちの移住後のライフスタイルを見ては「いいなあ〜」と羨む日々。笑 身近なひとたちが移住していく様子を見ることで、自身の移住したい願望も高まっていったように思います。


・「今の私でも地域に貢献できる」という自信が得られた

これは多くのひとが持っていそうな感覚だと思うのですが、

「今地域に飛び込んで、自分は役に立つのだろうか」という不安。

都会を離れるからには、もっとスキル・知識を高めなければという焦り、そしてそれらを地域に持って帰って、地域に貢献したいという夢。

しかし、これらの不安や焦りはただの幻想だと思うのです。

そもそも、どのスキルをどのレベルまで高められれば、地域に飛び込む準備が整う=readyな状態になるのでしょう?どこまでいけば満足できるのか、その基準をちゃんと決めていないひとがほとんど。過去の私もそうでした。

なんとなく

「学ばなければ」

「スキルを高めなければ」

と思っているだけで、それって実はすごく曖昧なものなのではないでしょうか?でも、そこが曖昧だと、いつまでもずるずると都会に居続けてしまいます。

私のターニングポイントは、東京にいながら地元北海道の自治体の観光モニターのお手伝いをしたこと。観光のコンテンツ開発、情報発信の方法、リサーチの極意・・それらどれをとっても、今地域で活動している人たちに負ける気はしなかった。(超失礼ですみません)

でもそれって真実だと思うのです。みなさんは都会で競争の激しい環境に身を置いて、ビジネスで切磋琢磨しているわけです。どんどん経験を積んで、専門性を磨いている。スキルも知識も十分あります。地域でも素晴らしい人はたくさんいますが、みなさんは負けていません。地方に行けば重宝される人材です。

だから、今のあなたで十分、地域に貢献できます。

ものすっごいハイスキルの何者かになんてならなくていい。

あなたが地域に来てくれるだけで、地域にとっては十分大きな力だと思います。都会で学べなかったスキルは、新たに学べば良い。かくいう私も、これまでマーケティングリサーチや分析業務ばかりしていましたが、地域に入ると圧倒的に人材不足なので、マルチプレイヤー化することが求められます。

ウェブ制作のディレクション、取材、執筆、撮影、物流管理、カスタマーサービス、顧客データシステム構築・・・

前職時代にはどれもやったことなんてない領域です。

でも、必要であればちゃんと学ぶ。勉強します。

でも上記のスキルが必要だなんて、地域に入る前はわからなかったし、

そもそも上記のスキルを都会で磨こうとしたら私は何社転職すればよいのだろうか。何十年かかるのだろうか。

そんなことを考えてモヤモヤするならば、まずは地域に飛びこんでみることをお勧めします。



最後のポイントにやたらと熱がこもって長文になってしまったw

とにかく、いきなり地方に飛び込むのが怖いなら、まずは今住んでいる場所でできる活動(オススメの活動を今度まとめてみたいと思います)から始めましょう。きっと、少しずつ見えてくるものがあるはずです。


次回は、「私が地方移住・地方転職を決めたときのこと②」として実際に移住を決意したときのことを書きたいと思います。


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