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世界の中の日本③フィリピンの「親日」の理由に迫る!

いつも記事をご覧下さり、本当にありがとうございます!

「世界の中の日本」は、世界の国と日本の関係について、国ごとにご紹介していく企画です。

3回目の本日、ご紹介するのが、フィリピンです!

フィリピンの親日ぶりは、多くの方が知るところではないかと思います。

ある調査によると、フィリピン人の80%以上が日本に好印象を持っているそうです。

でも、なぜフィリピンで日本人が人気があるの?
その理由について考えたことがある方は少ないかもしれませんね。

今回はフィリピンと日本の関係について、迫っていこうと思います!


フィリピンってどんな国?

(引用:Wikipedia

フィリピンは、北部にあるルソン島、南部にあるミンダナオ島、観光リゾートとして人気のセブ島をはじめ、7109もの大小さまざまな島から成り立つ国です。

首都はマニラ

言語はフィリピノ語と英語。

宗教は90%以上がキリスト教、そのうち8割がカトリックだと言われています。

アジアなのにキリスト教が多いのは、元々スペインの支配下にあったことが影響しているそうです。

最近ではオンライン英会話もフィリピンの方が多く、日本で働かれている日本人の方も多い印象です。


日本人がとにかくモテるフィリピン

フィリピンでは、日本人というだけで、男性もモテモテだとか。

日本国内でモテた経験の少ない男性でも、フィリピンに行くとモテモテなんだそうです。

確かに、私の身の回りでも、フィリピンに旅行にいった途端、現地でモテモテになり、自信をつけて帰国した男友達がいたのを覚えています。

このような現象を、「フィリピン・マジック」と言うそうです。

フィリピンで日本人がモテる理由には、

・日本人であるというと
・経済的に余裕があるということ。
・誠実であるということ。
・色白であること。

などが挙げられています。

やはり、同じアジア系の先進国として、日本人というのは憧れの国の一つのようです。

ただ、日本で出稼ぎしたいがために、わざと日本人に近づくフィリピン人もいるそうなので、一定の注意は必要です。


なぜ「日本人である」ことがモテる理由なのか?

フィリピンで日本人がモテる理由に、「日本人であること」という理由にならない理由が入っていましたが(笑)、これは一体なぜでしょうか?

それには、アジアの先進国である日本への信頼感と、戦前の日本統治下での印象が良かった、という理由があります。

(詳しくは以前の記事もご参照ください!)

特に日本人男性の人気の秘訣として

真面目で誠実。
東洋のリーダー。
忍耐力・向上心がある。
責任感がある。
経済力がある。

このあたりが入ってくるそうです。

基本的には、この印象は戦後だけではなく、戦前の日本統治下や、戦時中の対応において、日本人の印象が良かったために築かれた印象です。

当時の日本人への尊敬の念が残っているために、親日国になっている国が多い
ということが分かります。


親日の理由①日本文化の流行

近年は、日本の漫画やアニメの世界的流行によって、日本人への親近感が増加しているのは間違いありません。

日本アニメのクオリティは世界的にも高いと言われていますが、日本のコンテンツがそのままテレビ放送されていることもあります。

フィリピンでもドラえもんスラムダンクなどは当たり前のように人気の作品となっているそうです。

また、寿司やラーメン、天ぷらなどの日本食も人気で、現地でも多くの日本料理屋があります。


親日の理由②日本がフィリピンを経済援助してきた

日本は第二次世界大戦後、統治下にあったフィリピンを手放し、1900億円の賠償金を支払うと共に、政府開発援助(ODA)を開始。

1974年からは、国際協力機構JICA(ジャイカ)を通して、フィリピンへの支援を拡大しています。

これまでにフィリピンのインフラ(高速道路、空港、鉄道、港、道路など)の改善や、衣食住の整備、人材育成などさまざまな援助を行ってきました。

そのため、日本というと、「同じくアジア圏にありながら経済的力のある、面倒見の良い兄」、のような印象を持っているのかもしれません。


親日の理由③外国人労働者としての受け入れ

最近では、日本が外国人労働者として多くのフィリピン人の受け入れを行っていることも、親日国となっている理由の一つと言えそうです。

厚生労働省によると、外国人労働者の受け入れ数の中で、フィリピンの占める割合は約11%と、ベトナム、中国に続いて3番目に多く受け入れているそうです。

フィリピンの人にとって日本は、高い賃金で稼げる理想的な場所と言えます。


フィリピンと日本の歴史

そもそも、第二次世界大戦中にフィリピンが日本の統治下にあったことを知らない方も多いかもしれませんね。

フィリピンと日本の関係のはじまりは、16世紀以前にまでさかのぼります。


豊臣秀吉の時代の日本とフィリピン

当時、スペインの占領下に置かれていたフィリピン。

1591年、豊臣秀吉が使いを派遣したことがきっかけで、貢物を送ったり、日本人がマニラに移住したりと、交流が始まりました。

1592年からは朱印船貿易も始まり、さらに貿易が発展。

しかし、徳川時代の1633年、鎖国令が出ます。

日本の鎖国によって、フィリピンとの国交は惜しくも一時断絶。

米西戦争

明治維新後の1898年、米西戦争(アメリカvsスペイン)が勃発。

アメリカは、「協力をすればスペインから独立させる」とフィリピンに約束します。

フィリピンはアメリカに協力し、アメリカが米西戦争に勝利。

フィリピンはスペインから独立を宣言し、フィリピン第一共和国が誕生しました。


アメリカ占領下のフィリピン、独立支援へ

ところが、フィリピンの独立宣言はあくまでも表面的なもので、アメリカはフィリピンを実質的に占領します。

このアメリカの仕打ちに反発したフィリピン人たちが、独立運動を開始。

10年以上に渡る抵抗活動がはじまり、日本はこのフィリピンの独立運動を支援します。

具体的には、武器購入や、革命将軍の亡命を受け入れたりしました。

同じ頃、日本人が労働者としてフィリピンに移り住むようになり、マニラでは日本人街ができ、日本人学校も開かれます。

1916年には、日本移民の人口は1万人を超えていたそうです。

マニラとバキオを結ぶベンゲット道路の建設も、日本人労働者の大きな功績となっています。

また、農場経営においても日本企業が進出。

重要産業の一つであったダバオのマニラ麻栽培の人手不足を解消し、産業を大きく成長させました。


日本の占領下、そして独立へ

1939年、第二次世界大戦がはじまると、日本軍は東南アジアに進出。

1941年にはフィリピンに上陸し、わずか数か月で全土を制圧します。

日本はアメリカ支配下にあった政治体制を解体し、フィリピン第二共和国という独立国家を樹立させました。

当初、日本軍はアメリカ支配から解放してくれる存在として歓迎されました。

しかし、時間が経つにつれ、日本軍に対抗する勢力も広がります。

1945年に日本が敗北すると、日本軍はフィリピンから撤退し、フィリピン第二共和国も解体。

1946年、フィリピンは正式な独立を果たしました。

日本はフィリピンに対して1900億円の賠償金を支払うと共に、政府開発援助(ODA)を開始。これまでインフラや衣食住の整備、人材育成などさまざまな援助を行ってきています。

現在日本は、フィリピンにとって最大の輸出相手国であり、中国に次いで第2位の輸入相手国になっています。


アメリカによる占領を終わらせた…日本統治時代を肯定する声も

日本の歴史の授業の中では、第二次世界大戦時に、日本が東南アジアの国々を占領したことが、他の国に対する侵略の罪を犯したように習うことも多いです。

ただ、かつての日本による統治が、アメリカ支配を終わらせたとするフィリピン人もいます。

日本肯定説をとるフィリピンの方の多くが、

・いつの時代も強い国に植民地化される運命にあったから、別に日本だけじゃない
・スペイン、アメリカに比べたら人権も尊重してくれるし、経済支援もしてくれて全然マシ
・どうせならアジアの兄貴分的な日本人の統治下に置かれた方がよかった

という意見を持っています。

やはり、白人国家での統治時代に比べて、「人種差別がなかった」というのが一番うれしかったようです。

もちろん、戦時下において予期せぬトラブルや、戦争に巻き込まれた方、一部日本軍による被害を被った方がいるのは事実でしょう。

ただ、それに対し、日本側は戦争終結時に賠償金を支払っていますし、その後のODA支援も継続して行っていますので、時効といえるのではないでしょうか。

日本はフィリピンにとって最大の経済援助国

現在では随一の親日国となったフィリピン

何より親日感情がここまで高いというのは、決して戦後の努力だけでなく、戦前の日本人の印象も影響している、と考えるのが普通ではないかと思います。


<まとめ>

いかがでしたでしょうか?
今回のポイントをまとめておきますね!

フィリピンでは日本人がとにかくモテる!

<モテる理由>

・日本人であるというと
・経済的に余裕があるということ。
・誠実であるということ。
・色白であること。

<日本人男性が人気の理由>
真面目で誠実。
東洋のリーダー。
忍耐力・向上心がある。
責任感がある。
経済力がある。

※戦前の日本統治下での日本男子のイメージを引き継ぐがゆえの好印象も。

<親日の理由>
①日本文化の流行
②日本がフィリピンを経済援助してきた
③外国人労働者の受け入れ

☆フィリピンと日本の歴史

【フィリピン】
スペイン統治下→アメリカ統治下→日本統治下→独立
※日本はアメリカからの独立を支援した

【日本】
16世紀、豊臣秀吉時代からフィリピンと交流
第二次世界大戦時、フィリピンを統治下に置き、インフラ整備などを支援
フィリピン独立後も、ODAなどで経済支援を続ける

フィリピンは統治されたり、戦争の犠牲者が出るなど色々あったが、現在では一番の親日国に!


戦争によって、関係性がこじれてしまう国がある一方で、紆余曲折があったにせよ、それを乗り越えて、一番親愛の情を持てる国になる、というのは素晴らしい事ですね!

戦争があるからすべての国がいがみ合うわけではない、ということを今後の勇気としていけたら幸いです。

最後までお読み下さり、ありがとうございました!


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