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300円雑記【水のような言葉】

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#日記

空にヒシャクを【日記】

空にヒシャクを【日記】

私は、、

家の敷地内にそびえ立つ電柱を眺めていた。

正確には電柱に設置された外灯をだ。夜、明るく照らしてくれる外灯は生活には便利だ。設置される前は帰宅時に玄関扉の鍵穴を探すことさえ苦労するくらい暗かったので、たいへん助かってはいるが、、

眩しいのだ。

スターウォッチングするにはその明るさがアダになっている。星空を眺めるのが最近の私の楽しみなのに自宅の庭が明るいという煩わしさを私はおぼえてい

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指先にキズテープ【エッセイ】

指先にキズテープ【エッセイ】

パリン、、

今朝の話なんだけどマグカップの割れた破片で妻の指先が薄っすら切れた。急いで傷口を水でゆすぐ妻の姿を見て、私はキズテープを探しに行った。

キズテープ、キズテープ、指先に巻けるくらいの小さめの絆創膏、どこにあったかな。

ようやくキズテープを見つけた私はキッチンへ駆け寄り、妻の指先に小さな絆創膏を巻きつけるように貼り付けた。

なんだろうこの感じは?

そこで分かったことは、なんだか妙

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息子よ、ホウキで空を飛べ【エッセイ】

息子よ、ホウキで空を飛べ【エッセイ】

幼いこどもがそのちっちゃな背中を丸めてうなだれている姿、それは人の心を締めつける。それが自分の息子となればなおさらのことなのだが、その傷心の理由は実に様々である。

この日、彼はホウキにまたがり空を飛ぶ練習に取り組んでいたのだが、やがてホウキなんかで空は飛べないことに気付いてしまい、地べたに座り込んでしまった。ご覧の有様である。

ついには傍にあったアスファルトの粒を指につまみ、投げるでもなくその

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庭先で流しそうめんシステムを組んだらみんな笑顔になった【ポンプ循環式を自作】

庭先で流しそうめんシステムを組んだらみんな笑顔になった【ポンプ循環式を自作】

どこから話したら良いだろうか。
ひょんなことから家で『流しそうめん機』を作ることになった。
おもちゃではない。そのサイズ全長4m、ポンプ循環式の本気のやつである。

湯掻いたら手軽に食べられるのがそうめんの特徴だと思うんだけど、これが『流しそうめん』となると途端に手間暇がかかることになる。

今回は少しだけ大規模な流しそうめんシステムの作り方を紹介したいと思う。

まずはアイデアを絵に描いてみる。

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志摩の横山展望台【日記】

志摩の横山展望台【日記】

真珠の養殖で有名な三重県は志摩のまち、ここは複雑に入り組んだ湾岸と森のコントラストが美しい。
この美しさは地道を車で走っているだけでは分からない。高台から見渡して初めてその全貌がみえるのだ。昨日は横山展望台に行ってきた。

GWで渋滞していたが何とか駐車場に車を停めて、いざ展望台へ向けてウッドデッキの道を歩く。

結構、虫が多い。手すりでしゃくとり虫、トンボが出迎えてくれた。

5分ほど登ると広め

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明日香村は美しかった【日記】

明日香村は美しかった【日記】

先々週は家族で明日香村に出掛けた。
ここは自然豊かな奈良県の村である。橿原市よりも少し南に位置する明日香村はとにかく美しい村だ。子供の時にはよく分からなかったが、歩くだけでも元気が出てくる。そんな豊かさがここにはある。

どうしても観光となると石舞台古墳や亀石に目が向きがちだが、今回はイチゴ狩りをメインに行ってきた。

訪れたのは橘寺の近くの奥田農園。
下の画像は橘寺。立派なお寺だ。駐車場には大き

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視力検査が理解できない3歳半の子供の為に動画をつくったんだ

視力検査が理解できない3歳半の子供の為に動画をつくったんだ

ウチのかわいい息子の話なんですが言葉の発達がちょっと遅くてですね、三歳半の検診で視力検査に引っ掛かってしまいました。

言葉が視力に何の関係あるのかと訝しむ方もいらっしゃるかと思うんですが、それがですね、目が見えている見えていない以前に視力検査の内容があまり理解できていないんですね。右も左も多分よく分かっていないし、あのCの文字(ランドルト環)を見せて、『開いている向きはどっち?』と聞いてもいまい

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そこに太陽が二つあったから【エッセイ】

そこに太陽が二つあったから【エッセイ】

幼稚園児たちの絵画展がいま開催されている。実はそこに娘の絵が飾られてるということなので一時間ほどの距離にある文化会館まで車を走らせた。

ドライブ中、娘の顔は少し誇らしげだった。
何せ自分の絵が選ばれたのである。5歳半の女の子とはいえ意気揚々にもなる。

ばあちゃんを含め、家族でぞろぞろと会場入りする。3歳半の息子も一緒だ。
毎年のことだが沢山の絵が飾られていて、こどもの作品とはいえ圧倒される。県

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絵本を閉じた息子と発達相談【エッセイ】

絵本を閉じた息子と発達相談【エッセイ】

言葉の発達が遅いかもしれない。妻からそう心配されることの多い3歳半の息子。実は絵本が大好きである。よく床の上でペタンと座り絵本のページをぺらぺらとめくって笑っている。その姿はとても楽しそうだ。

でも彼はほとんど喋らない。いや絵本を見ながらその中のセリフっぽいことを口に出すことはあるのだが、言葉のキャッチボールがどうも上手くできない。
全く出来ないというわけではないのだが、そのリアクションの回数が

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スンスン、、と涙の声が聴こえる【日記】

スンスン、、と涙の声が聴こえる【日記】

寒いね。部屋の中でも厚着しないと凍えちゃうんじゃないかと思うほど寒い。

そんな朝でも3歳半の息子は元気だ。オムツを脱いだ姿で仁王立ちしていたりする。寒くないのかな?後ろから見るとお尻は丸出しだし、前から見るともちろんもろちんである。

詳しくは説明しないが『もろちん』とはちんちんが丸見えということである。そんな姿はみっともないので教育しなければならない。
「ちんちんが見えてるからパンツをはきなさ

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息子の感想に笑った【日記】

息子の感想に笑った【日記】

このお正月は遠くの種子島と鹿児島から親戚が奈良の地までやって来るということで連日連夜ずっと宴会、大勢でご馳走をたらふく食べた。

こんなことは子どもたちにとっても初めての経験だったと思う。

そんなわけで、この数日は3歳半の息子には一体どう映ったのだろうかと気になり、試しに「お正月どうだった?」って聞いてみたところこんな回答が返ってきた。

息子:「ご飯食べてー、歯みがいてー、
ご飯食べてー、歯み

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5歳の娘が漫画を描いた【日記】

5歳の娘が漫画を描いた【日記】

純粋さはとっても単純であわや真理に近しい存在だとあらためて思い知らされた。

ホワイトボードに日々描かれる娘のイラスト。彼女は5歳になるが、昨晩はストーリーを付けてお話してくれた。おぼつかないながらもそれは立派な人生譚だった。
ちょっと紹介しようと思う。

◇◇◇

私が生まれる前にパパとママが結婚した。

一緒に暮らして、、

私が産まれた。きっとこんな感じで抱かれてたんだ。

今は幼稚園だけど

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あの小さな窓からは月が見えない【エッセイ】

あの小さな窓からは月が見えない【エッセイ】

寒暖差はげしく冷え込む夜に遅めの帰宅。
家族が寝静まっているのを確認すると私は風呂に入る準備をした。

バスタブの湯を温め直す。ちゃぷんと浸かる。気持ちいい。そしてこうした遅い時間に湯船に入るときに私は小さな贅沢をする。

バスルームの小窓を開けて入浴を楽しむのだ。

冷たい空気が浴室に入り込み私の頬に触れる。この感じはアレだ。露天風呂の感覚を即席で味わっていると言っても良い。最後の入浴者にのみ許

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ピコ太郎の果てに何があるのか

ピコ太郎の果てに何があるのか

先日流れてきたとあるブログを今あらためて眺めている。
ちいさな子を持つ一人の父親として。
微力ながらも文章を書き始めた一人の人間として。

やっぱり涙がこぼれ落ちるよね。

読み終わる前に古坂さんの肩を抱きしめたくなる。
たまにあるんだ、こういう文章が。
「全部言わなくても伝わっているよ」
こう声をかけたくなった人も多いんじゃないかな。

そのブログには人生のにがさの機微が閉じ込められていた。

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