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会社の看板を下ろして、初めて自力で稼いだ25歳の時

リクルートを辞めてからは、忙しかった日々の反動でしばらくぼーーーっと過ごしていた。
とにかく休むことを徹底したのだけれど、暇すぎる日々は1ヶ月も持たなかった。専業主婦は向いてないことを痛感した

そこから私は、会社の看板を下ろした自分がどこまで稼げるのかのゲームを始めた。養ってくれる旦那様がいたのが幸運だった。

いつの世も副収入や不労所得や投資の話は人気だけれど、当時はアフィリエイトという手法が出始めの時で、本屋に行くと「アフィリエイトで稼ぐには」といった本が平積みされていた。

インターネット関連の知識は、リクルートでバナー広告を売っていたくらいで、ほぼ何も知らない状態。とにかく良く遭遇したアフィリエイトという言葉をググると、たくさんの"稼ぐための手法"がヒットした。

アフィリエイトの王道は、ブログを始めて記事内にアフィリエイトのコードが埋め込まれたリンクを貼り、商品やサービスを紹介すればいいらしい。さっそくアフィリエイトのサービスを提供しているサイトに登録し、ブログも始めた。

最初どんなブログを始めたのか覚えてないけれど、多い時では7つくらいのブログを更新していた。レシピ紹介のブログ、雑貨紹介、アーティスティックな画像と言葉のもの、書評、SEO対策用のブログ、ここには書けないえげつない内容のもの。それぞれ全てブログサービスも運営者名も変えて動かしていた。

メインで運営していたのはレシピ紹介のブログで、テーマは「旦那の手料理」だった。2005年当時は男性の料理研究家がまだ少なくて、ケンタロウさんの一人勝ち状態だった。元夫は料理が好きで、独創的だけど簡単で美味しいものをよく作ってくれていたので、そのレシピを載せていた。

このレシピブログは結構な人気ブログに成長して、海外の方が英語でコメントしてくれたり、テレビ局から取材の問い合わせが来たりした。収益にはほとんど繋がらなかったけれど、自分が「時流に合ったテーマを先取りする」という勘は鋭いのかも、と感じるようになっていた。ご存知の通り、その後男性の料理研究家は、色々な切り口でたくさんの方が活躍するようになった。


毎日ブログを更新し、朝8時からデイトレードをして、トレードの合間に本を読むという生活だった。これで月10万円前後の収入と、週3〜4冊の読書のための時間が手に入った。自分だけで生活していたらすぐに破綻していただろうこの生活形態は、1年間続いた。

この生活が終わることになったのは、また雷に打たれたような感動の経験をしたからだった。

それは「ウェブ進化論」という、当時ベストセラーだった本がもたらしてくれた。2006年時点での「インターネットは人類に何をもたらしたのか」をわかりやすく解説している本だ。今ではずいぶん古臭く感じられるけれど、Googleによる集合知の形成やAmazonのロングテール戦略などは、当時信じられないくらいの斬新さを感じさせたものだった。

毎日のルーティーンの中にあった読書のなかで「ウェブ進化論」に出会い、「私はインターネットの世界をもっと知らなければいけない」と強烈にそう感じた。天啓を受ける、という感じに近かった。毎日しているデイトレードもアフィリエイトもインターネットの一部なのに、私はこんな面白い世界が広がっていることを全く知らなかった。

本を読み終わってすぐに転職サイトに登録し、エージェントに申し込んで翌日には話をしに行った。まったく再就職する気がなかったのに、1冊本を読んだだけで「インターネットの世界をもっと知りたい」「インターネットのことを良く知るためには、転職するのが一番だ」と思ったのだった。

インターネット業界で、自分ができることは営業だけだったので、その掛け合わせで何社か面接に行った。
そしてまた一番最初に内定を出してくれた(これに弱いらしい)、富士山マガジンサービスという会社に転職が決まった。

富士山マガジンサービス(Fujisan.co.jp)は、雑誌の定期購読をオンラインで販売するECサイトだ。結局また出版の周辺の仕事をすることになった。2002年創業の会社で、当時はまだ40名程度の社員数だったベンチャー企業だった。社長の西野さんはAmazonを日本に持ってきた人で、FujisanもAmazon流の仕事のやり方で超合理主義だと感じた。

営業として入社した私は、すぐにマーケティングの仕事をするようになる。
リクルートでは売上を創り出す人は営業だったが、Fujisanではマーケティングだった。
ここからどっぷり、マーケティングの世界にハマることになる。

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