8/11イベント報告【その①】「怪談(KWAIDAN)ストーリーテリング」満席御礼にて終了
やっとご報告ができます!
朗読イベント@文喫栄(中日ビル) KWAIDANバイリンガル・ストーリーテリング「アイルランドを身近に感じる本との出逢い~小泉八雲の怪談を聴く~」。盛会のうちに終了いたしました。お暑い中、足をお運びいただきました方々には、ご参加誠にありがとうございました。
なお、この記事は長くなりますので3つのパートに分かれます。
【その①】 読む本の説明
【その②】 ストーリー前半からお知らせまで
【その③】 ストーリー後半以降
イベント内容の詳細説明はこちらのブログをご覧ください。
プログラムは盛りだくさん!
当日のプログラムはこのように進行しました。
『怪談』を読むための基礎知識、という感じで説明からスタート。
そもそも『KWAIDAN』とは?
小泉八雲の「怪談」は、彼がもともと日本語で書いた物語だと思われていた方も多いのでは?これは、英語で書かれた『KWAIDAN』だったのです。
どの翻訳本を読もうかと探していた時に出会ったのが、円城塔 訳『怪談』(KADOKAWA)。八雲が書いた英語の雰囲気を日本語で再現しようとする新しい切り口の翻訳本でした。
そのきっかけとなった訳者のインタビュー記事はこちらで、ここが始まりでした。
(朝日新聞社 好書好日サイトより)
円城訳『怪談』では、今までの訳本と異なり、英語で書かれた『KWAIDAN』が、その書かれたような状態を日本語訳で展開するという試みをされている書籍で、そこが斬新。つまり、120年前アメリカで出版された時に、英語ネイティブが初めてこの本に出会った時の、日本語がそのままアルファベット読みの音で出てくるという、まるで東洋の神秘的な呪文にさえも見えたかもしれない文字の感覚をカタカナ表記で表す、という形になっています。地名、人名、さらには和歌、漢詩などもすべてカタカナ。(「日本の言葉はただのアルファベットの連なりで得体のしれない音」:訳者あとがきより)
例えば、これは和歌の冒頭ですが、
Tadzunetsuru Hana ka tote koso
タヅネツル ハナ カ トテ コソ
これだけで見ると、日本語でさえも分からない感じですが、
(たづねつる 花かとてこそ)
と見ると、スーッと理解できます。
目で見るとそれがとても分かりやすいのですが、これを声に出して「読む」ことで音だけでどうやって表現するのか、というのが今回とてもチャレンジングな部分でした。
その部分に少し英語のような抑揚をつけたカタカナことばの読みの響き、正にこれこそが、120年前の英語読者が感じた感覚なのかも、と思いつつちょっと不思議な空気感を醸し出していたような気がします。
今回、この著作の使用を許可していただきました円城塔氏およびKADOKAWA様に深く御礼申し上げます。
ストーリーテラーたちをご紹介します
そして、今回のストーリーテラーとして、スペシャルゲストが助っ人に来てくれました。英語担当は、日本在住歴33年で、アイルランドのウィックロー州出身のBrian Cullen。大学で教鞭をとる傍ら、ミュージシャン、ライターのほか多彩な才能で名古屋でのライブ活動を行なっています。当日ご参加いただいた方のご感想では「とても耳触りが良く英語も聞き取りやすかった」「和歌の読みがまたいい味わい」というお声をいただきました。今回の企画は彼なしではあり得なく、本当に感謝しています。
当日は歌を聴くチャンスがありませんでしたが、こちらのサイトでぜひ聴いてみてください。
そして日本語担当は、当会メンバーで企画・広報担当のCooni。英語講師をしながら、日英バイリンガル・ストーリーテラーとして活動を始めたところで元ラジオパーソナリティ。ワークショップファシリテイターでもあり、当日のご感想では「美しい声で、昔の言葉で読む怪談にぴったり」「解説ナレーションと和訳のおかげでちゃんと理解して聴くことができ、物語の世界に引き込まれた」といううれしいお声をいただきました。
Cooniのプロフィールは、研究会公式ページのメンバー紹介でご覧いただけます。
どんな人たちなの?、と思われた方に、二人の写真は【その③】の中で、イベントが終わってホッとしたショットがご覧になれます。
さぁこれで、お話を聞く準備が整いましたので、この後は、ストーリーテリングが始まる【その②】へ
その次のストーリー後半【その③】はこちら
(A)&(C)
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