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ゲームの歴史から学ぶ未来のゲームの形とは

アップル社が2024年にリリースするヘッドマウントディスプレイ・ヘッドセット型のデバイス、Vision Proの注目度が高まっています。

Vision Proは、ゲーム機ではなく次世代コンピュータとして発表されたため、ゲーム機としてどこまで発展するのか・しないのかはわかりませんが、その先進的な機能と性能によってゲーム業界に大きな影響を与える可能性は十分ありそうだなと感じています。

ゲームの歴史を振り返ると、昔にはファミリーコンピュータ、プレイステーションの登場、モバイルゲームの登場など、様々なハードが登場することでゲーム体験が多様になってきました。

今回発表されたApple Vision Proで、今後ゲーム業界にどのような変化がもたらされるかは注目です。

ゲーム業界に12年以上もいる私でさえ、技術革新に驚かされるばかりです。ぜひとも読者さんにもこの進歩の速さを実感してもらうために、今回はゲームの歴史についてお伝えしていきますね。

そもそもゲームの起源がどこからなのか、意外と知らない人も多いです。ゲームの歴史を知ることは、これまでの技術進歩の速さがわかるきっかけになるので、興味深い内容になりますよ。


日本のゲームの始まり:任天堂

任天堂は、1889年に日本の京都で創業された会社で、初めは花札という日本の伝統的なカードゲームを製造していました。創業者の山内房治郎は、高品質な花札を作ることで評判を得て、任天堂は徐々に成長していきます。

1960年代に任天堂は玩具業界に注力し、1970年代には電子ゲームに進出しました。ゲーム&ウォッチという携帯ゲーム機をリリース。これが大ヒットし、任天堂の名前は世界中で知られるようになりました。

1983年には、誰しもが知っている家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」(通称「ファミコン」)を日本で発売。2年後の1985年には、北米でも「Nintendo Entertainment System」(NES)としてリリースされました。これにより、任天堂は世界的なゲーム産業のリーダーとなったのは、読者さんもご存じですよね。

その後も革新的な製品を開発し続け、ゲームボーイ、ニンテンドー64、ニンテンドーDS、Wiiなど、多くの人気ゲーム機を生み出してきました。また、マリオ、ゼルダ、ポケットモンスターなど、世界的に人気のあるゲームフランチャイズも生み出しています。

3Dゲームの誕生によりゲームのリアリティが一気に加速!

1990年代は、ゲーム業界にとって大きく進化した時期になります。なぜなら、3Dの時代が到来したからです。なんといってもグラフィックは2Dから3Dへと変遷し、音声も当時としては非常にリアルで洗練されたものになりました。3Dゲームはプレイヤーがゲーム世界を360度見渡し、より自由に探索することができるゲームプレイが可能です。これらのコンソールは、それまでのゲーム機に比べて高性能で、より高度なグラフィックスと音声出力により、リアルなゲーム体験が実現しています。

ゲームのジャンルも、アクション、RPG、シューティング、パズル、レーシングなど、様々なジャンルのゲームが開発され、、プレイヤーは自分の好みに合わせて幅広い選択肢からゲームを選ぶことができ、それぞれのゲームが持つ独自の世界観やストーリーを楽しむことができるのも大きな進歩です。

当時はスーパーファミコンやPlayStationなどのゲームコンソールが大変な人気を博しました。スーパーファミコンは任天堂によって1990年にリリースされ、そのハードウェア能力と幅広いゲームラインナップにより世界中の家庭で親しまれました。また、ソニーのPlayStationは1994年に登場し、CD-ROMをゲームメディアとすることで大容量のデータを扱え、より大規模かつ複雑なゲームを提供しています。

家庭用ゲーム機を超えるスマホゲーム市場の誕生

2000年代以降、インターネット技術とモバイルデバイスの急速な進化は、ゲーム業界にさらなる革命的な変化をもたらしました。特にスマートフォンとタブレットの普及は、新たなゲームプラットフォームとしてのモバイルゲーム市場を急速に拡大させていきます。

その規模は、21年では家庭用のゲーム機の市場規模が5705億円と比べて、スマホゲームは1兆3001億円で全体の3分の2を占めています。10年間で3倍以上になり、スマホがあればどこでも遊べる手軽さがあり、13年には家庭用ゲーム機の市場を超えました。

これらのデバイスの処理能力やグラフィック性能が向上するにつれて、かつての家庭用ゲーム機並みの高品質なゲームがモバイルデバイス上で遊べるようになりました。

スマートフォンやタブレットは携帯性が高く、いつでもどこでもゲームを楽しむことができるため、ゲーム体験が日常生活の一部となるように変わりました。また、これらのデバイス上で動作するゲームは、ダウンロードやアップデートが容易で、ユーザーは常に新しいゲーム体験を追求することができます。

スマートフォンの普及に伴い、ソーシャルメディアとの統合が進み、ゲーム内の成果を共有したり、友人と繋がったりする新たな体験も生まれました。

(データ参照元)
・ゲーム市場スポットライト2022:モバイルがPCとコンソールにリードを広げ、ゲーム市場の消費支出は2220億ドルに到達:data.ai

さらに、2000年代以降は、フリーミアム(無料で始められ、追加機能やアイテムを有料で購入できる)というビジネスモデルが一般化しました。このモデルは、低リスクでゲームを試せることから多くのプレイヤーを引きつけ、モバイルゲーム市場を拡大させていきます。

日常生活を大きく変化させる未来のゲームの形

ここまで花札からスマホゲームの軌道を説明してきましたが、これから登場するゲーム機もものすごく注目されているのをご存じでしょうか?技術進歩によって、多種多様なゲームが誕生しています。

1. 仮想現実(VR)や拡張現実(AR

仮想現実(VR)と拡張現実(AR)は、私たちの生活に影響を与える技術です。特にゲーム業界において新しい遊び方を提供しています。

VRはユーザーに新しい、人工的な環境に没頭させる技術です。全く新しいレベルのリアリズムと没入感をゲーム体験に提供します。VRヘッドセットを通して、ユーザーは自分がゲームの世界に直接存在しているかのような感覚を得ることができます。これは、従来の2Dスクリーンに固定されたゲームプレイから一歩進んだもので、ユーザーにより深い感情的な繋がりを提供します。

一方で、ARは現実世界をデジタルのレイヤーで拡張します。この技術は、モバイルデバイスのカメラと連動して、現実世界のイメージにデジタルのオブジェクトや情報を重ねることができます。例えば、ポケモンGOのようなARゲームは、プレイヤーが現実の世界を探索し、デジタルキャラクターを見つけて捕まえるという体験を可能にしました。これにより、ゲームはリビングルームから外の世界へと広がり、新しい体験の可能性を開拓しました。

VRとARはそれぞれ異なる体験ができ、ゲーム体験はよりリアルで、よりゲームに没頭することができます。

2. クラウドゲーミングの普及

クラウドゲーミングでは、ゲーム機を利用せずに遠隔のサーバー(クラウド)でゲームを稼働させて、インターネット通信を介してゲームをプレイします。

クラウドゲーミングが注目されている理由は、プレイヤーが高額なゲーム機を購入する必要がなく、スマホやタブレット、PCなどのデバイスさえあればゲームをプレイできることです。一方で、プレイ時には安定したネット環境が必要になります。

近年、クラウドゲーミングは、ゲーム業界でもめまぐるしい成長を遂げていて、クラウドゲーミングの市場は立ち上がったばかりで、GAFAMだけでなく、ソニーや任天堂などの大手企業がぞくぞくと参入していることから、競争の激しい分野になりつつあります。

その中でもGoogleのStadiaは、Googleの強力なインフラストラクチャと技術力を背景に、ゲームを自身のデバイスにダウンロードすることなく、インターネット経由で直接プレイできるというコンセプトを提供したことで、ユーザーだけでなく、業界人からも期待値が高かったです。

しかし、2021年にGoogleは惜しくもStadiaの事業から撤退を決定します。この撤退は、特に日本でのサービス開始を待ち望んでいたユーザーにとって大きなショックでした。

クラウドゲーミングは、一般的に高速なインターネット接続と強力なサーバーインフラストラクチャを必要とし、さらにユーザーからの厳しいパフォーマンスと体験の期待に応える必要があります。これらの要素を適切にバランスさせることは、多くの企業が直面する難題であり、現在でもこの業界で成功している企業は少ないのが現状です。

現時点では、クラウドゲーミングは浸透していない原因がいくつもありますが、クラウドゲーミング市場の成長は疑いようはありません。今後の技術進歩によっては、安定的にゲームを提供できる環境が整えば、さらに市場が成長していくので、今後も目が離せません。

3. AIを絡めたゲーム

ゲーム体験を新たな次元へと引き上げるための最前線に位置しているのが、AI(人工知能)を活用したゲームです。一部のゲームでは、AIはゲーム内のキャラクターの行動を制御するために使用されていました。

ChatGPTの登場により、大規模言語モデルを活用したゲームがインディーゲーム界隈で急速に広がってきています。現在、様々な個人開発者たちがChatGPTやStable Diffusionを活用してAIゲームを発表し始めています。

まだ検証段階のものが多いためキラーコンテンツはまだ登場していないですが、自動生成されたストーリーやキャラクターを楽しむようなものが多いようです。

たくさん検証された先に、個性的なゲームが生まれる可能性も十分考えられます。まだ見ぬ新しいゲーム体験が登場するのが楽しみです。

4. ブロックチェーンゲーム

ブロックチェーンゲームは、仮想通貨を活用するゲームです。いわゆるゲームをしながらお金を稼ぐことができるのが、ブロックチェーンゲームの特徴です。

ブロックチェーンを用いたゲームでは、プレイヤーはゲーム内のアイテムやキャラクターを所有し、それらをゲームの外で売買することができます。売買で大きく稼ぐプレイヤーもいるほど。

これらのデジタル資産は、ブロックチェーン上のトークンとして存在し、それぞれが独自の所有権と価値を持ちます。これにより、ゲーム内の活動が単なる娯楽から、具体的な経済的価値を生み出す活動へと変わる可能性があります。

有名なタイトルだと「Axie Infinity」や「STEPN」があります。日本でも非常に盛り上がりを見せました。

ブロックチェーンゲームはまだ新しい領域ですが、今後のゲーム業界の発展に大きく貢献するとして注目されています。

5. eSports

eSports(電子スポーツ)は、ビデオゲームの競技化を指し、近年のエンターテイメント業界の大きなトレンドとなっています。一部のゲームは競技的な要素を強く持っており、プロのプレイヤー、リーグ、トーナメント、そして何百万人もの観客が注目する大規模なイベントを生み出しています。オリンピックの正式種目になるという噂もあるくらいです。

大規模な競技イベントは世界中で開催され、ライブストリーミングプラットフォームを通じて何百万人もの観客に視聴されています。プロのeSportsプレイヤーは、高度なスキルと戦略を持ち、従来のスポーツ選手と同じくらいのトレーニングと専門知識が必要です。

さらに、eSportsはゲーム業界に多大な経済的影響を与えています。観客、スポンサー、広告主からの収益が発生し、開発者、プレイヤー、イベント主催者など新しい職業が生まれているほど。eSportsの人気と収益性は増加しており、日本でもeSportsの専門学校があるくらい今後の発展が期待されています。

eSportsは、ゲーム業界の成長とイノベーションを引き続き推進するでしょう。

6. オンラインコミュニティの台頭:Discord

近年、オンラインコミュニケーションツールの中でDiscordという名前を聞く機会がとても増えているのではないでしょうか。

Discordは、特にゲーマー向けに開発された、音声・テキスト・ビデオコミュニケーションプラットフォームです。ユーザーは、自分自身でサーバーを作成したり、他のユーザーが作成したサーバーに参加したりできます。

サーバー内では、特定のトピックや活動について話し合うためのチャンネルを設けることが可能で、ユーザー間のコミュニケーションや情報共有の場となります。

初めは主にゲーマー向けのプラットフォームとして認知され、ゲーム内での連携や戦術の立て直し、プレイの共有など、多くのプレイヤーがDiscord上でコミュニティを形成しています。

Discordコミュニティは正式にゲームの運営が主導で運営しているものと、有志が運営しているものまで多種多様です。また、近年では、プレイヤーと運営の間の存在である「モデレーター」の活躍も増えてきました。

Twitterなどで他の人より活躍しているプレイヤーを運営がスカウトし、運営と一般ユーザーを繋ぐ架け橋としてDiscordで活躍する事例が急速に増えています。

また、Discordの利用はゲームに限定されていません。様々な趣味や興味、専門分野など、あらゆるコミュニティがDiscord上に存在し、メンバー間で情報を共有したり、ディスカッションを行ったりしています。また、ビジネスや教育の分野でも、リモートコミュニケーションツールとして利用されていることから、ゲーム以外でも利用率は高いです。

7. ゲームのエンターテイメント以外の応用

ゲームはエンターテインメントの一環として広く利用されていますが、それにとどまらず、教育、健康、訓練、研究など、様々な分野での活用が拡がっています。

たとえば、教育分野では、学習をゲーム化することで子供たちの興味を引きつけ、理解を深めるための「エデュゲーム(知育ゲーム)」が活用されています。これらのゲームは数学、科学、歴史、プログラミングなどの学習を支援しています。

他にも、社会的問題にゲーミフィケーションを取り入れる事例もあります。環境問題を解決するための仕組みにゲームの考え方を活用し、楽しく環境問題を解決しようというものです。

このように、ゲームは単なるエンターテインメントを超えて、社会の多くの側面で価値を提供しています。

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以上が今回お伝えしたかったゲームの歴史からひも解く未来のゲームについてでした。ゲームの歴史に触れる機会はなかなかないと思いますので、とても有意義な記事を提供できたのではないでしょうか?

この記事をきっかけに読者さんがもっとゲームについて興味をもってもらえると嬉しいです。

次回もお楽しみに!

追伸:

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