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私のおもい4:臆病だった私の夢を動かそうとする運命と火事・全てを失ったとき人は何を思うのか


私の小学校時代、将来の夢は
『絶対、倒産しないような大企業に就職して、定年まで勤めたい』
でした。

でも、大人の反応を見て、
それは言ってはいけないことだと気づいたので、
それ以来、言わないようにしていました。

大阪府というのは、確かに倒産しにくい大組織だと言えるのでしょう。

本当は、65歳までは、公立特別支援学校の教師を続けるつもりでした。

私は、この仕事が本当に大好きだったし、天職だと信じていたから。

でも、本音の部分では、
リスクを取りたくなかったというのも少しはあったのかも知れない。

私は、極端な憂鬱質で、神経質で、臆病で、小心者でした。


でも、段々、多忙とストレスに体が耐えきれなくなってきていたのです。

それに加えて、母の認知症、そしてがんで入院。

この看病が一体いつまで続くのか?

もう、あらゆることが限界だと感じて、2013年退職を決心しました。


自分の頭の中で考えていた『人生設計』から
どんどん色んなことがズレていくのを
自分ではもう、止めようもなく感じていました。


その年の3月には、
『シュタイナー美術教員養成コース』の研修が控えていました。

でも、入院中の母を置いて、
関東まで長期の研修に参加することはできない。

修了目前だというのに、すごく悔しいし、残念。

退職後の仕事にも関わることなのに。

せめて大阪での研修だったら良かったのに・・・・。

そう思ったときに同じ日に
『エクストラレッスン・プラクティショナー養成コース』
が始まることを思い出したんです。

気がついたら、エクストラレッスンのコースに申し込んでいました。

母は3月に、あまりにも呆気なく他界しました。

母の入院があり、何年も看病が続くことを想定して

仕事を辞め、美術教員養成コースを諦めたというのに・・・・。

そして、将来が全く見えない暗闇の中で、
エクストラレッスンのコースに参加していたのです。

私にとって、エクストラレッスンと出会えたこと自体が、
ちょっと遅すぎた運命の大転換地点だったのですが、

そのエクストラレッスンのコースに向かうきっかけ自体がなんだか奇妙で、巧妙に仕組まれたような不思議な感じがします。

エクササイズを続けていると、
自分自身の発達の偏りから来る辛さが
どんどん消え去って行くのを実感しました。


そして目の前にいる子ども達もどんどん変わって行きます。


私は、ずっと求め続けて、
でももう、それは自分の手には入らないものと諦めていたものと
出会えたことにただただ、驚くばかりでした。


有り難いことに『シュタイナー美術教員養成コース』も、
無事、修了することができました。


これからはアトリエで、
子ども達に絵を教えたり、幼児教室をしたり、研修会をしたり、

そして、『苦手が良くなったよ』という噂を聞いて、
訪ねてきてくれる子ども達のエクササイズを細々としながら、
ひっそりと暮らしていく未来を新たに描き始めたのです。


また自分でも絵を描き続けたいという思いは非常に強く、
グループ展に向かって制作をしているところでした。


もし、あの火事が無ければ、
きっとそんな感じでのんびりと生きていたのだろうと思います。


私は自分の家が燃えるのを目にした時に、

『どうしても療育がしたい。それ以外は、全て止めよう!』

と、強く強く思ったのです。


自宅は4時間半燃え続けました。


レッスンを受けてくれた子ども達の貴重な成長の記録も
全て灰になったものと思っていました。

でも信じられないことに、ファイルは無事でした。

ただ放水でびしょ濡れだったので、
アトリエの二階一面ににブルーシートを敷いて、
1枚1枚、くっつかないように広げなから乾かし続けました。

今から思うと、全く馬鹿げたことのようにも思いますが、
焼けた自宅の隣のアトリエで仮住まいをしつつ、
1週間後には、そこでレッスンを再開していたのです。


美術関係のものはことごとく灰になりました。

それと3000枚以上あったCD、大切にしていたギターと楽譜、
ちょっと見当もつかない数の本、
料理の道具、食器、服や帽子。アンティークのコレクション。

そういったものも同じです。

私は、一つのことにのめり込むと果てしなく拘ってしまうところがあって、
コレクション的なものが沢山あった方だと思います。

それら全て消え去ってしまったことが、
私の決心をより堅いものにしてくれたんでしょう。

これから残りの人生は療育に専念して生きよう。

苦手のある子ども達がどのような道筋でこんなに良くなっていくのか?

それをより確かなものとして見極めていこう。

そう思ったのです。

思いがけない、苦しみに出会ったとき、
沸き上がってくる思いに間違いはないのかも知れないです。


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