漫画「風流江戸雀」杉浦日向子 ★4
1991年 杉浦日向子
本の感想
構成は、1話各4ページで2句の古川柳に合わせた漫画となっている。江戸時代の庶民の生活が、端的にあらわされてるようで、短いながらも、味わい深い。「風流江戸雀」では、雪見や花見、行水や花火など風流なネタを、1年12話。「古川柳つま楊枝」では、夫婦喧嘩や恋模様、吉原にスネかじりにおちゃっぴい、などなど。31話、多様な庶民のドラマがある。微笑ましかったり、切なかったり、色っぽかったり。情緒溢れる江戸の世界が身近に感じられて、ほっこり。。。
Ⅰ 風流江戸雀 12話
正月 夫婦、二日の夜。初湯。
如月 雪見、雪の風流わび、炬燵に湯豆腐に酒。
弥生 娘、縁談。
卯月 花見、松、足、大根。
皐月 口、質草、鰹。
水無月 雨宿り、寺の鐘。
文月 一人屁、蚊帳。
葉月 行水、雷の真似、子供に腹がけ。
長月 花火、恋、女。
神無月 紅葉見、吉原。
霜月 炬燵、間違い、母の手。
師走 寒い時の河豚。
用語
おちゃっぴい→おしゃべり、はねっかえり、ませてたりする女。
粋筋→粋な方面。花柳界。男女の情事。色恋沙汰。
好事魔多し→良いことはとかく邪魔が入りやすいということ。
御免勧化→幕府の許可を得て、僧侶などが寄付を募ること。
Ⅱ 古川柳つま楊枝 10話
1,夫遅く帰る、妻寝てる、猫。
2,若旦那のスネかじり、女中くどく。
3,吉原朝帰り、女郎、細見、嫉妬。
4,朝寝、息子、猫。
5,夜そば切り、雪、寒参り。
6,いい女、狸猫、煙管。
7,かかり人、花の留守、大の字。
8,夫遅く帰る、妻ヤキモチ、ホトトギス、初鳴き、テッペンカケタカー。
9,馬子唄、デート、隠れる。
10,おちゃっぴい、へそ、鏡見る。
用語
細見→遊女名鑑。
寒参り→寒詣,裸参りとも。信心・祈願のために寒の30日間、毎夜参拝。
かかり人→居候。
馬子唄→馬子が馬を曳いて歩き移動する時の唄の総称。
Ⅲ 古川柳つま楊枝 10話
1,相傘、デート、手を握る。土弓、麦湯。
2,夏、男女、いちゃつく、暑気見舞来る、逃げる。
3,水茶屋、男女、煙草の煙。輪。
4,酔って草中で寝る、朝帰り、女怒り涙ぐむ。
5,女、隠れて文を出す、男来ず、枕に八つ当たり。
6,幼馴染の娘、男の服直し、怒って投げ返す。
7,冬、無心下手の男。
8,あやうい恋、樽ひろい。
9,おしゃべり女客、帰らない。
10,夫婦、妻の隠した文、怒る夫、が母の文。
用語
土弓→弓で射る遊戯。
麦湯→江戸前期から庶民の飲み物だったよう。
樽ひろい→酒屋が得意先の空き樽を集めて歩くこと。 また、その小僧。
Ⅳ 古川柳つま楊枝 11話
1,好きな娘と話したいが、子供が離れない。来りや
2,女房の留守、吉原、朝帰り。
3,すさをむしりながら実話。不心得。
4,夕涼み、周りからやかましく言われる年の娘。
5,珍しい男来る、一人で寝ると気をもませ。
6,息子、吉原帰り、親に叱られる。耳は馬、面は蛙。
7,炬燵から首が生え、女を口説く。
8,夜そば売り、一人ボロ家に盗人来る。
9,藪医者の頼もしさ、結句うどんで引っかぶり。
10,艶書、おれももらったと、自惚れ仕合。
11,風呂上りに死にたい、昔の女、女でなし。
用語
すさ→土壁の中の藁など。
不心得→心掛けがよくないこと。
猪牙→吉原通いの小舟。
艶書→恋文。
☆\(^^)/★
この記事が参加している募集
Jah よ! へるぷみ~ (T人T) ナムナム アーメン タスケテ・・ ☆彡(-人- ) 星に願いを・・・ らぶみーてんだー ♡♡♡ <3