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「ヤバい経営学」を読む5 ー経営者をスーパースター扱いする私たちへの警告(経営者はなぜうぬぼれるのか)ー

「第三章前の記事」の続きから最後まで。「良い戦略、悪い戦略の裏ヴァージョンだ」という感想に確信を持てた章でした。

70%から80%の買収はこの二つ(過大にシナジーを見込み過大な買収金額を提示する、組織を軽視する)の意味で失敗に終わる。

とはいえ成功例もある。すべての買収が悪いわけではない。ハイネケンの例を挙げる。ハイネケンは買収する企業を慎重に選び、組織文化の浸透に注意を払い、自分達自身で成長する代わりに買収するのではなく、自分達自身で成長するためのツールとして企業を買収している。私たちは最大になろうとは考えていない。ベストになりたいだけだ。

経営者は価値のない企業を価値のある企業に変えることができるとうぬぼれている。そしてこのうぬぼれは私たちが産み出している。私たちは経営者賞賛し、写真を新聞や雑誌に掲載し、決断力やビジョンを崇め、スーパースターのように扱う。そして困ったことに経営者はそれを真にうけてしまうのだ。

この章の最後は私たちへの警告も含まれている。経営者をスーパースターか何かのように扱う。それ自体が経営者を歪ませているのではないかと。

この本は「良い戦略、悪い戦略の裏ヴァージョンだ」という最初の目次を見た時の感想

は間違っていなかったと確信した。

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