クリエイティブマネジメントのススメ6
ブランディングとクリエイティブはどんな関係?
■お客様の頭の中で生き残る
ブランディング・・・よくブランドはお客様の頭の中にある・・・と
よく言われますがウィキペディアでは、
「ブランディング、またはブランドマネジメント は、
ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を
高めていく、企業と組織のマーケティング戦略。
ターゲット市場におけるブランドの現状認識の分析から始まり、
ブランドがどのように認識されるべきか計画し、計画どおりに認識される
ようにすることが目的である。」と書かれてありました。
“ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を
高めていく”この部分がお客様の頭の中と言われる所以かなと思います。
さらに、
ブランディングというと、どうしても欧米の高級品やアップルやナイキなど
ビックな企業ブランドをイメージしがちかと思います。
しかし、お客様の頭の中にあることは同じなので、日用品であっても
重要なマーケティング活動の一だと考えます。
もちろん、知られているというのが大前提ですが、全国での、全世界での
ブランディングと考えると壮大すぎて尻込みしてしまいますが
お客様の頭の中にいかに生き残るかで、なんら変わりがないのです。
その欧米ブランドであっても、そのブランドイメージ・価値を永続的に
維持するためにはさまざまな活動・挑戦を行っていて、
高級なブランドとて何もしなければイメージ・価値は
お客様の頭の中で、少しずつ消えていくことになります。
そのブランドイメージが強く大きければ大きいほど、その維持・継続する
ためにかかるコストはそのまま大きくなります。
多くのメーカーは、ブランド、ブランドと良く言葉にされますが、
そのブランドにちゃんと水を、栄養を与えているでしょうか?
■多様なブランディング手法の中における広告・デザインとは
現在は、“共感や信頼などを通じて”という点においては、
さまざまな手法が存在し、
最近は特に商品・サービスそのものの“体験”に注目が集まっていますが、
日用品などの消費財となると直接的なお客様とのイベント開催にしても
限界があるので、どうしても広告がその一翼を担うことになります。
広告は、その販売を促進するためのキャンペーンに勢いを付ける役割を
もって、その時期のマーケットの状況や、競合とのシェア状況を
踏まえながら計画・制作されオンエアされます。
つまり、
その時に計画された戦略に乗っ取り、戦術としての武器に仕立てるので、
そこに集中するのは当然のことになります。
その時期の市場・社会状況を色濃く反映した広告の映像になっていきます。
広告の役割が販売促進である以上、それでいいのですが、運が良いのは
日本の主流であるタレント広告は、多少なりとも数年継続される傾向に
あるので、イメージの拡散を防いでいると言っていいでしょう。
まさに、拡散の防止はメーカー自身が念入りに計画したものではなく、
偶然に維持されているだけで、その事が理解・認識されていなければ
いつでもイメージの拡散を招く危険をはらんでいると考えられます。
どうしてもメーカーは、自分の言いたいことばかりにフォーカスが行き、
その行方ばかりをチェックしたがります。
しかし、逆に自分がどの様に見られているのか?
どんなイメージがついているのか、気にしているでしょうか?
コーポレートブランドレベルと商品・サービスブランドのレベルで
定期的にチェックしているでしょうか?
自分が会社に勤めていた時は、コーポレートブランドレベルの
チェックは自部署の仕事でも在り、その調査結果を見る事は
出来ましたが、商品・サービスブランドは、マーケッターが必要と
思われるその都度調べで、その結果はマーケティングプランの
資料としても使われていましたが、
確か・・・定期的な調査はされていなかったように記憶しています。
こんな例があります。
改訂を計画している商品のパッケージデザインを進める前に
行われるパッケージデザインの現在を確認する調査があります。
お客様に、まっさらな白い紙に、その改訂を計画している商品を
書いてもらうのです。
お客様は、現在認識しているパッケージデザインを描くのですが
要は印象に残っているコトしか描けません。しかし、それが
改訂してよい部分と改訂してはいけない部分をあぶり出すという
もので、お客様がどの様にデザインを認識しているのか、
つぶさに知ることが出来ます。
積み重ねられた記憶・イメージがどんなモノであるかを
ちゃんと把握することで、どの様に広げる・変える・付け加えるなど
デザインだけでなく、ブランディングにもつながる、とても重要な
マネジメントの指標となります。
商品のブランドであれ、コーポレートブランドであれ、お客様の頭の中に
位置づけられる、覚えられたとすれば、ウィキペディアが言う
「共感や信頼など」を獲得したことになります。
そうなれば日用品であれば、スーパーマーケットで大量陳列された商品が
値段を確認することなく買い物カゴにすっと入れてしまうその行為は、
「共感や信頼など」を獲得した行為そのものであり、
皆さんの行動にも思い当たることがあるのではないかと思います。
特にお客様と直接的にふれあう商品は、その商品そのものが提供する
機能価値を何度となく体験する積み重ねが、さらにお客様との関係性を
深くします。
そこにパッケージデザインが印象と記憶に働きかけて頭の中に
定着させる機能を発揮してくれるので、パッケージデザインの
デレクションとマネジメントも重要となります。
■クリエイティブの積み重ねはブランディングに通じる
では、最後に
偶発的にタレント広告がイメージの拡散を防いできたと書きましたが
日本独特のタレント広告であれ、その広告を積み重ねることで
そのブランドのイメージを構築してきた事には変わりがありません。
一つの広告を作りオンエアすれば、お客様は一度ならず、二度・三度、
もしかしたらそれ以上、また人によってはYou Tubeにわざわざ
見に行く方もいますよね?そう、どんどん積み重なるのです。
ウィキペディアの最初の分に戻りますが「ブランディング、
またはブランドマネジメント」とありましたが、
このブランドマネジメントですが、ブランドにもマネジメントが必要ですし
タレント広告であってもクリエイティブにもマネジメントが必要です。
偶然に任せるのではなくしっかりとメーカー自らが操らないと
自分の手の中から飛び出てしまいます。広告会社に広告の企画・制作
は依頼できますが、マネジメントは受け付けてくれません。
■ブランディング・・・
あなたは、知っている人であれば、まず少なからず信用しますよね?
さらに教養がついてきて、時間経過で信頼が出来て深まり、
尊敬するようになったら、どんな関係になりますか?
そうこの関係・・・
簡単に出来るモノではなく、時間もかかるモノで
自らが行い、自らの身につけるモノなのです。
人任せには出来ません。大変だ~!
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