『転機』は “終わり”から
「キャリア支援」に携わるみなさまには定番のウィリアム・ブリッジズ先生の『トランジション』。
生涯キャリア(life career)には、何回ものトランジション(移行期/転機)があります。
ブリッジズ先生が捉えるトランジションの三段階→「終わり〜ニュートラルゾーン〜新たな始まり」。
👉第一段階:終わり(Ending)
人生のステージが切り替わる時期が来て、「何かが終わる」段階。
これまで慣れ親しんできた環境・人間関係・役割等が変化することにより、混乱したり空虚感を感じる。
👉第二段階:ニュートラルゾーン(The Neutral Zone)
「終わり」から「始まり」への移行段階。「過去」の自分に執着したり、来る「未来」の自分を受け入れられなかったり、葛藤が生じる。(ブリッジズ先生は、この時期の過ごし方にこだわり🐜)
👉第三段階:新たな始まり
(The New Begining)
「ニュートラル・ゾーン」での葛藤をくぐり抜け、過去と決別し、真の意味で「新たな始まり」を受け入れる段階。
ブリッジズ先生の研究を座右におきながら、『転機』を会社勤務時代(35年間)の「人事異動」と会社退職後の「転職」から振り返ってみると。
👉トランジション・ポイント
【会社勤務時代】①〜⑫
新卒入社(半年研修)
↓
医薬営業(①クリニック担当→ 組織内担当変更で中小病院担当→②新任地で国公立病院担当)
↓
③人事部(社内公募で留学)
↓
④人材企画室(企業理念の浸透)
↓
⑤人材開発センター企画室(新入社員研修含む全社研修企画)
↓
⑥名古屋支店業務部(支店数値計画管理、エリアマーケティング)この辺から管理職
↓
⑦鹿島事業所(原薬の研究開発・生産拠点)総務室(教育研修担当)
↓
⑧広報部(広報・IR)
↓
⑨東京エリア企画部(エリアマーケティング)
↓
⑩総務部(防災、事業継続計画、株主総会運営他)
↓
⑪出向(業務サポート子会社の本体営業支援チーム統轄部長)
↓
定期健康診断後の再検査(MRI)で腫瘍発見!! 😢
↓
⑫退職
再検査の年に導入された「早期退職制度」で翌年3月に退職(58歳)
👉トランジション・ポイント
【会社退職後】①〜③
手術(東大病院脳外科で12時間!の腫瘍摘出オペ、ICU3日間、入院4週間→退院後リハビリ1か月→完治😂)
↓
CDA(Career Development Adviser)取得
↓
①都内私立大学 キャリア支援センター
職員(キャリアカウンセラー)
ここで還暦到達
↓
②国立大学 高度教養教育・学生支援機構
特任准教授(キャリア支援分野担当)
↓
③公共機関(新卒・既卒3年目までのキャリア支援担当)
①〜③は公募にエントリー
振り返ってみれば、『転機』の連続。「終わり〜ニュートラルゾーン〜新たな始まり」を何回も繰り返してきました。
今から思うと、ブリッジズ先生の『転機への処し方』を予め学んでいれば、その衝撃をもっと前向きに受け止めたり、より深く学んだり、別の方向付けができたかもしれません。
先生がこだわる『ニュートラルゾーンの過ごし方』については、それぞれの転機のリアルな経験に即して、今後の稿で考察してみたいと思います。
『転機』の研究では、全米キャリア開発協会(NCDA)の会長を務められたナンシー・シュロスバーグ先生も著名です。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!!
(続く)
写真:ノルウェー/世界最高の眺めとも賞されるフロム鉄道/ショース滝(駅)/海抜630m・滝の落差225m/2014.7.15
📕『Transitions ー Making Sense of Life's Changes』
William Bridges先生
Da Capo Lifelong Books/DA CAPO PR INC/Little Brown他
(1980〜2020)
📙『トランジション ―人生の転機/人生の転機を活かすために 』
ウィリアム・ブリッジズ 先生
創元社 (1994/11/1)
パンローリング (2014/3/15)
📗 『「選職社会」転機を活かせ―自己分析手法と転機成功事例33』
ナンシー・K. シュロスバーグ先生
日本マンパワー出版 (2000/4/1)