ショートショート_ツール
紫陽花をよく見かける季節になった。紫陽花は、梅雨時に咲く。あの、花のように見えるのは萼にあたるところで、中心部の小さいのが花らしい。ほんとうは。
でもどうしても萼に目が行く。萼を愛でてしまう。
最近目にした紫陽花で、可愛い星形のがあって。去年の母の日には、それを丹波篠山市で一人暮らしをしている義母に贈った。
花好きの義母は喜んで受け取ってくれて。庭に植え替えると言っていたが、今年も星形の綺麗な紫陽花が咲いているのだろうか。
なんだかんだ言って、義母のところに里帰りしていないなぁ、なんて、ぼんやりと反省していたりする。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「紫陽花を」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【復習Tシャツ】で。裏のお題が【隔週警察】ということだ。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し前から出る。
「スキャンダル」というお題で、小説、エッセイ、音声配信、などの記事を投稿してみませんか?ということで。
さらに、こう注釈がある。
今回は、文中にお題を入れることとした。
お3人の企画はすべて、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。
また、今回は、なぎさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として述べてみる。
心が揺れる、良い作品だと思った。
文面、きちんと行終わりが揃っているところに、なんだか共感を覚える。しかも、それでいて中身が乱れず整然と、淡々としているところがいい。
単衣ときて、平安時代の装束を思い出し、これはひょっとしたら古の話かと思いつつ読んだ。
ふたりの恋心。もう、離れてしまっているのだろうか。なんとも切ない。こういう瞬間が訪れるのは、私としては、少し残念だと思ってしまう質で。別れというのは苦手なのである。
紫陽花の季節。しとしとそぼ降る雨。梅雨。その季節感に、なぎさんの詩が、溶け込んでいるように思った。
切ない恋。そんな恋は経験は、私には無いでのだが、こうした感情は文学の中でこそ経験する心持ちで。新たな経験をすることができる。私には。
心落ち着かせて、淡々と今日を生きたいと思った。
生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
そしてそしてさらに。今日は、石元みとんさんの、初企画にも参加する。
スタジアムに入場するときの登場曲はなんだろう、それを披露しようという企画だ。
スタジアムに登場する。格闘技のリング入り。野球などでの打席入り。そういうときの、登場テーマ。最初は、「ロッキーのテーマ」だろうと思ったのだが、ここで、心の中のkojuroが、ボソリと、呟いたのだ。
いや。コジ。エージェントコジの、ミッションコンプリートのテーマ曲が、いつもの登場テーマなんじゃない?
これに従うことにした。心の声に、素直に従う、というやつだ。
私の登場テーマは、意外にも昔のでは無くて。今のテーマ曲、ということになる。
それを今回は、ショートショートnoteカードゲームの作品として、下述の本編に、財前のテーマ曲として使う。
ちなみに、私と財前の共通点は、ただ一点、ドラえもん好きの変わり者、というところだけだが。
心の中の、リトルkojuroが、またもやボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、さらには石元みとんさんの企画、4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。
これで、荒技。何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、悪ガキだな。
まあな。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、またコミカルな内容になってしまった感じだ。せっかく先週、シリアスモードに入ったかと思ったのに…。
なんのはなしです過。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ツール」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
紫陽花を愛でる財前を本部で目撃したのは、蛹を冷凍保存してから1週間ほどが過ぎた頃だった。
彼は昆虫学者ではあるが、オールマイティな分野の博学者だ。
怪人化の前兆である蛹化現象を解決したい秘密警察は、彼を研究本部に招聘し、彼は固辞したもの隔週でミッションに加わることを渋々承諾した。
彼は紫陽花を愛で終わるなり研究室に三日三晩隠った。
ある朝ドアが開き。彼は得意げに少し厚手の衣類を手に持ち、やおらスマホを取り出して秘密道具のテーマ曲をかけてお披露目した。
てってれ〜っ♪
復習Tシャツゥ〜!
面食らうスタッフ一同に彼は説明した。
これを着せると一月前の姿を復習して完全再現するという。
失踪した教授の時空移動装置を特殊繊維に組み入れて編み込んだらしい。
彼は最後に言った。
「私が無類のドラえもん好きだという事実は即座に忘れてほしい。世間に知られればスキャンダルにならないとも限らないから」
天才とは実に変わった生き物だと、涼はにこりと笑った。
☆ ☆ ☆
■追記■
以前、私も参加していた、ヤスさんの企画の66日ライティングランニング。実は、第二弾が発動することが決定した。
66日続ければ、それはその人の習慣となるらしい。
今回の企画は、ちょっと変更点がある。スタート日とゴール日が決まっている。途中参加は不可なのである。だから、事前に広く告知が必要だということで。私もヤスさんの片棒を担ぐことにした。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
コジ、参加するかどうかわからないけれどね。「追放」って、コジ、ビビりだもんね。笑
概要は、以下の通り。
無事完走したら、完走者しか入れないマガジンへの招待がくるはずだ。さあ、みんなでこの、66日ライランに参加してみよう。
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