「シベリアケーキは何故シベリアケーキ?」
「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ223枚目
シベリアケーキは羊羹、もしくは餡子をカステラで挟んだ和製洋菓子。
三角形のものと四角のものがある。
誕生は明治後期から大正とされるがはっきりとした記録はない。
このお菓子、昭和の初期には子どもたちが食べたいお菓子No.1だったというが、僕の子供の頃、つまり昭和30年代では既にこのお菓子はどこかレトロなお菓子という印象だった。
誰かのお土産でこのケーキを貰うと、お袋は言ったものだ。
「あれ、懐かしい。シベリアやね!」
と。
シベリアケーキの語源*
昭和初期のコメディアン古川ロッパは彼の「ロッパの悲食記」で、シベリアケーキに触れている。
「ミルクホール*の硝子器に入っているケーキは、シベリヤと称する、カステラの間に白い羊羹を挿んだ、三角形のもの。(黒い羊羹のもあった)」
と。
ロッパの話を始め様々な資料から、シベリアケーキの発祥は首都圏の都市部であると考えられている。関西発祥の記録はない。どちらでも構わないが、要するにシベリアケーキはどう転んでもロシア発祥ではない(笑)
では、何故シベリアケーキというのだろう
それが、調べてみても実に全く分からない。
日露戦争に従軍した菓子職人の考案だからとか、ロシアの永久凍土を餡に見立てて等諸説あるが、どれも確たるものは無い(笑)
近年、ヒットアニメーション映画「風立ちぬ」のなかでこのシベルアが登場し再び注目を集めているという。
僕にとってこのケーキは、第三次フォークブームで活躍した「あがた森魚」の知る人ぞ知る名曲「最后のダンスステップ」の思い出だ。
シベリアは、ただ甘いだけの菓子だと言ってしまえばそれだけのものだが、なんにせよ長く日本人に愛されているお菓子なのだ。
時々、ふっと食べてみたくなることがある、シベリアケーキはそんな懐かしい菓子だ。
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