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新聞紙の一生/始末の良い昔の日本社会

 「僕の昭和スケッチ」52枚目

52八百屋

<画/もりおゆう 原画/水彩 サイズF5>

あなたは新聞紙で作った袋を見たことがありますか?

例えば、八百屋さんで野菜を買うとお店のオジさんやオバさんが古新聞で作った袋に買った野菜を入れてくれたものです。

母親は家に帰るとその新聞で作った袋を捨てるのかと思いきや、又とっておくのです。

そうして、掃除の時にそれを細かく破いて水に湿らせて畳みの上に撒きます。それを帚(ほうき)ではいて掃除をすると、新聞紙が埃を吸着して畳みは一際(ひときわ)綺麗になるのです。ある程度、ご年配の方はご存知ですよね。

新聞紙は、人に読まれ、八百屋の袋となり、最後は掃除に一役買ってその役割を終えるのでした。

😊こういったことを昔は「始末(しまつ)が良い」とい言いました。
例えば、「死んだお婆ちゃんは始末のいい人だった」と言えば…
死んだお婆ちゃんは、ものを無駄にしないできちんと最後まで利用して使い切る、そんなきちんとした人だった、ということです。--若い人に


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