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【記録】メッキを塗るコスト
昨日、”イイ感じの人”と出掛けた。
鬱を発症した期間に恋人がいたことはあったが、
異性との交流は約1年振り。
鬱病・パニック障害罹患者という肩書は未だ健在だが、
そんな自分でも新たに好意に近いような感情を抱いた。
久しく味わっていない感覚。
僕は基本的に他人に興味がない。現在は自身のことで手一杯だから尚更である。
それと同時に、人とのご縁や出逢いというものには相当な魅力を感じている。
僕が他人に興味がない分、僕に興味を持ってもらえることが嬉しいのだ。
しかし、何気ない日常の行動にさえ膨大なエネルギーを浪費してしまう
我々メンタル疾患罹患者にとって
恋愛のみならず新たな人間関係の構築は
メリットばかりではない事も確かである(少なくとも僕は実体験からそう思う)。
待ち合わせ3時間前、外に出るのが怖くなった。
昼食が喉を通らない。吐き気がする。何とも言えない鉛のような鈍くて重い感情。
この憂鬱と不安と恐怖とが混ざったような感情の正体は
「普通の人を演じられなかったらどうしよう」だった。
(ちなみに相手は僕の体調のことをこの時は知らない)
以前、美容院に行けなかったときに試した方法がある。
それは
脳内で一度、ドタキャンをしてみて
体調が回復したらそのまま行ってみる
鬱病やパニック障害にとっての予定というものに対するハードルは
健常者の何倍も高い。
「予定をこなさなきゃ」というプレッシャーが引き金になり
「ドタキャンをしたら人間関係に亀裂が入る」という更なるプレッシャーが上乗せされ、気づけばダウンしている・・・
なんてことはザラにある。いや、あった。
今回も、この方法を採用してみた。
「ごめん、体調悪くて行けそうにない」とLINEに打ってみる。
勝手に一度予定をなかったことにする。
気持ちが楽になった。
結局、空腹のまま出掛けた。
どの時間を切り取っても楽しかった。
病気のことも話した。普通でいることを辞めた。
それでもまた会いたいと言ってくれた。
帰宅後、再び昼間のような鈍くて重い感情に襲われた。
「付き合う」ということへのプレッシャーである。
病気のことは話したとはいえ、余裕のない姿は見せたくないし
寂しい思いや苦労をかけたくない。
けどもう二度と会えないなんて寂しすぎる。
そんな葛藤が今日の朝まで続いた。
会社にまともに勤められていない人間の抱える悩みではないことは重々承知である。
「好きではあるけど今の体調じゃとても付き合えない」
そう話したことを想像したら、心が軽くなった。
付き合いが無理なく続けられればそれはそれでいいし、続かなくてもそれはそれ。
とにかく自分にも他人にも正直でいればいいだけなのだ。
メッキを塗り続けるのはもう辞めよう。
根拠のない不安に対して毎度脳のリソースを割くのは負担が重すぎる上に
正常な判断が下せるとも思えないため
付き合っていく上で、ルールを決めた。
1.無理を絶対しない
2.自分より相手を優先するような恋愛はしない
3.会う約束の度に体調不良が起き
それが連続3回続いた場合、それ以上の関係には持ち込まない
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